Asakura Nobuaki

朝倉 史明 教授

所属
化学生命学部
生命機能学科
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専門分野

生物教育学、園芸学、植物育種学、植物遺伝学

キーワード

Profile

生年/1965年
血液型/A型
出身地/大阪府
趣味/登山、一人旅
子供の頃の夢/刑事
尊敬する人/すべての人
愛読書/強いて言えば奥田英朗作品
休日の過ごし方/買い物
好きな映画/「レオン」
好きな音楽/中島みゆき、尾崎豊
好きな食べ物/ぎょうざ

人は、想像できる範囲のことは実現できるもの。 楽しむための苦労は避けずに、ぶつかってみよう。

まずは生物学に興味を持ってもらうことが大前提

私が担当している講義は共通教養系科目の「生物学Ⅰ・Ⅱ」と、工学部の基礎科目である「生物学概論Ⅰ・Ⅱ」です。「生物学Ⅰ」では生物の遺伝と進化について高校レベルの内容から少し発展的な内容を扱い、「生物学Ⅱ」では生活に関係しつつある生物学の内容、特に医療について解説しています。いわゆる一般教養科目なのでそれほど専門的なことは話しませんが、だからこそ幅広い物の見方を身につけるために役立ててほしいと思います。たとえば講義のなかで、最近話題になっている再生医療について話す場合、現状を紹介するのと同時にそこに内包される倫理的問題などにも触れるなど、生物学以外の分野との関わりを伝えるように心がけています。新しい技術のすべてが手放しに良いこととは限りません。本当にそれを進めていいのだろうか、ということを学生一人ひとりに考えてほしいのです。
また「生物学概論Ⅰ」では細胞生物学、生化学の基礎的な内容、「生物学概論Ⅱ」では古典的な遺伝学から分子レベルの遺伝学までを扱っています。そこでは生物学について、なるべく自分たちの生活との繋がりや、工学とどのように関わっているかということを具体的な例をあげつつ解説することをめざしています。以前、講義で癌の話をした際には、まずは近年になって実用化されはじめている、癌検査のためのカプセルタイプの内視鏡について触れました。カプセルを飲み込むだけでそれが画像を撮影・データ送信し、最後には自然に排出されるというもので、それによって検査が楽にできるんですね。このように癌検査のために工学技術というものは利用されている。もしもその技術を面白いと思うのならば、そもそもどのような理由で細胞が異常を起こし癌が発生するのかということも知っておいてもいいんじゃないですか、というような流れで生物の話につなげていく。基礎科目といえども、できるだけ生物に興味を持ってもらえるような講義をしたいと思っています。

基礎と応用は学問の両輪。片方だけではうまく進まない

工学部をめざす人には「何かを作ることが好き」という人が多いと思います。ところが生物学の面白さというのは、むしろ仕組みを知ることの楽しさにあります。何かを作りたいというよりも、生物がどのように生命活動を行っているのか、肉眼で見えるレベルから見えないレベルまで、その仕組みを知りたい。私自身も含め、興味があるのはどちらかというとそちらなのです。しかし、仕組みがわかれば逆にそれを応用に生かす道も開けてきます。基礎と応用は両輪で、どちらか片方だけではうまく進まないもの。基礎がしっかりしているから応用に進めるし、応用技術が発達することでさらに詳しく基礎的なことを調べられるようになる。どちらか一方だけではダメなのです。
私の専門分野は植物の品種改良や進化についてDNAレベルで調べることで、学生時代にはコムギの遺伝について研究を行っていました。植物の細胞の中には核、ミトコンドリア、葉緑体といったDNAをもつ細胞小器官があり、それぞれの遺伝子が相互に作用しながら生命活動を営んでいます。ひとことで言えば、それらがどのようにコミュニケーションをとっているのか、ということの研究です。それらを入れ替えるとさまざまな異常が起こることがあります。たとえば入れ替えた遺伝子の相性が悪いと花粉ができなくなる。植物の花粉ができなくなると困るように思われるかもしれませんが、実はそうすることで別の種類の花粉をかけあわせやすくなり、交配がしやすくなるんですね。その結果、生育が良くなったり収量があがったりする。いわば、コムギの成長を良くするという応用に繋がる基礎研究というわけです。

想像できる範囲のことは、必ず実現できる

人間も含めて生物は多様です。生まれたときから一人ひとりは異なる個性を持ち、尊い奇跡的な存在です。ですから他人と比べても意味はなく、人の生き方に正解はありません。自分の人生を思い切り、胸を張って楽しんでほしい。さらに、できれば周りも巻き込んで楽しんでください。そして楽しむための苦労は避けないで、ぶつかっていってほしいと思います。「想像できる範囲のことは必ず実現できること」。これは私もどこかで聞いた言葉だと思いますが、とても印象に残っていて大切にしている言葉です。人間、できそうにないことは想像もしないものですから、考えつくことは実現できるもの。そう信じないとやっていられない、というのもありますが(笑)。ともかく学生の皆さんには、そう信じて、さまざまなことに挑戦してほしいです。

植物遺伝育種学研究室

ゲノムを読み解き生命の進化や多様性を探求

ヒトはどんな植物を食べ、どんな植物を飾り、どんな植物を生活に利用しているか、一緒に考えてみませんか。例えば、お米は食用以外にも日本酒の原材料にも使われますね。私たちが日頃お世話になっている多くの植物は、進化の産物であり、さらに現在では品種改良の産物でもあります。私たちの研究室では、植物の品種改良、そして進化についてDNAレベルでの研究を行っています。DNAに記された、通常は目では見えない遺伝情報を読み解き、よりよい植物の開発に貢献したいと思っています。さらには高校生に向けた理科実験プログラムの開発を行っています。理科好き、生物好きの若い人が増えるようにと取り組んでいます。

Photos

  • 恩師に直していただいた博士論文原稿。ページの裏にまでびっしり修正が書き込まれている。先生に指導していただけたことは生涯忘れられないし、これがあるから今の自分があると思っている

  • 6~7年ほど愛用している登山用の腕時計。山行のときと同様に普段の生活も楽しみたいと思い、日常的に、例えばスーツを着ているときでも使っている。いまも毎年、夏か秋に北アルプスに登っている

  • グミ科植物の一つ、 シーベリーの収穫直前の果実です

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