Nakazawa Yoshihiro

中沢 吉博 助教

所属
工学部
電気電子情報工学科
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専門分野

電気機器、制御

キーワード

Profile

出身地/福岡県北九州市
子供の頃の夢/研究者
尊敬する人/両親
趣味/ドライブ、自動車整備、登山
休日の過ごし方/スポーツジム、温泉
好きなTV番組/自然・科学・技術番組
好きな食べもの/トマト

永久磁石を使わない「リラクタンスモータ」の普及に向けて、制御工学の分野から課題解決に挑む。

持続可能な社会の実現に向けた、環境にやさしいモータの開発

私は電気機器及びその制御を専門としており、なかでもモータを研究対象としています。モータは、家電やスマートフォン、自動車といった身の回りのあらゆる機械に組み込まれている重要な駆動装置。最新の技術を応用し、その性能は進化し続けてきました。現在使われている多くのモータには、ネオジムやジスプロシウムという永久磁石が組み込まれています。しかし、これらの物質は希少なレアアースであるため、コストが高く、リサイクルすることが難しいといった課題があります。

こうした現状に対し、私の研究では磁石を使わない「リラクタンスモータ」の開発をめざして研究を進めています。リラクタンスモータは、鉄を使っているだけなのでリサイクルが容易です。今後、電気自動車などが普及していくなかでこれまで以上にモータが必要になると考えられているため、永久磁石を使わないモータを開発することで、持続可能な社会の実現に貢献できればと思っています。現在は、リラクタンスモータが抱える振動や騒音の課題を制御工学の面から解決すべく、研究室に所属する学生とともに日々研究に取り組んでいます。

私がこの研究に取り組み始めたのは大学生の頃です。その当時、永久磁石を使わないモータの開発が国家的にも推進され始めたところで、もともと磁力の研究に興味があったので飛び込んでみたのです。その頃から「リラクタンスモータが組み込まれた自動車が走る社会を実現できるように研究を続けたい」と言っていたので、研究者としてその実現に近づけているのはうれしいですね。

電気工学の基礎である電気回路を学び、高学年につなげてほしい

私は電気工学のなかで最も基本的であり、さまざまな応用科目につながる「電気回路」の授業を担当しています。電気回路は抵抗器やコイル、コンデンサなどで構成されており、電力を送るために欠かせないもの。発電所から住宅・工場をつなぐ送配電線や、家電製品のなかにも電気回路が組み込まれています。モータにもコイルがあるので、これもシンプルな電気回路ですね。

現在、さまざまな電気機器にはパワーエレクトロニクス回路というものが使われており、これは電気回路や半導体、マイコンの仕組みなどを学んだ末に高学年の授業で取り扱われます。電気回路の知識はすべての基礎になるので、取りこぼさずにじっくりと学んでほしいと思っています。授業で心がけているのは、実際にどういった機器に電気回路が用いられているのかを意識してもらうこと。この勉強が将来、何に役立つのかを想定しながら、理論的なものに偏らないように教えています。

私が取り組んでいるモータは、いま注目度の高い研究分野だと思います。自動車やロボット、スマートフォンなど、電気で動くものには必ずと言っていいほどさまざまな種類のモータが使われています。しかし、そうした需要に対してモータ技術者の人数が足りていないのが実情です。学生の皆さんには、モータメーカーはもちろんのこと、モータが応用されるフィールドでも活躍できる技術者になってくれることを期待しています。大学生の期間はさまざまなスキルアップに取り組めると思うので、電気主任技術者といった資格取得のための勉強などにもぜひ積極的に挑戦してみてほしいですね。

Photos

  • 『エジソンの伝記』。小学生の時に母親と本屋さんに行って買ってもらった本です。母親から偉人の伝記コーナーで好きな本を選びなさいと言われ、自分で選びました。子供の頃から電気に興味があったようです。他にも宮沢賢治や一休宗純、夏目漱石、野口英世などさまざまな偉人の伝記を図書館で読みました

  • 磁石とコイル。物心がついた頃、気づいたら学習机に入っていたものです。当時は磁力が不思議で堪らなくて、五寸釘に銅線をたくさん巻いたり、磁石に銅線を巻いて電池をつなげたりと、夢中で試行錯誤していました。当時のまま捨てられずにいます

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