Hosono Kaito
細野 海人 特別助教
Profile
出身地/千葉県習志野市
子供の頃の夢/宇宙飛行士
趣味/キャンプ、音楽フェス
好きな音楽/MAN WITH A MISSION、THE CHERRY COKE$、サンボマスター
好きな食べ物/麻婆豆腐、タコス
「テンソル復元」の技術でノイズや欠損で劣化した画像を復元する。
スマホ画像の「消しゴムマジック」も「テンソル復元」の応用
皆さんが使っているスマートフォンには、撮影した写真に写り込んでしまった余計な物体を消しゴムで消す機能は搭載されていますか? Androidの「消しゴムマジック」と呼ばれる機能ですね。写り込んだ人物を消しゴムで消した後、なぜ背景を復元できるのか不思議に思いませんか? その謎を解くのが、「テンソル復元」の技術です。
私の専門は、「テンソル復元」の画像復元への応用です。「テンソル」とは、プログラミングなどで使う多次元配列のことを指します。行列やベクトルの仲間で、画像・動画を含む、さまざまなデータをテンソルと見なすことができます。
一方、「画像復元」は、ノイズや欠損により劣化した画像データを元に戻す技術です。暗い場所で撮影したノイズだらけの写真をキレイにしたり、画像の解像度を違和感なく向上させたりできます。冒頭で紹介した「消しゴムマジック」も画像復元の応用技術と考えていいでしょう。
画像復元の技術開発において、私が着目しているのがテンソルの「低ランク性」です。ここでいう「低ランク」とは、すごく簡単に言うと「シンプルさ」のようなものです。例えば、画像の上に字幕が載っているデータがあるとします。すると字幕が載っていない元画像の部分が「低ランク」のテンソルで、字幕が載ったノイズ入りの部分が「低ランクでない」テンソルになります。
私は、画像データの欠損やノイズがある部分を復元する際に、コンピュータが自動で「低ランク」のテンソルを探してきて、欠損部分に当てはめるアルゴリズムを開発しています。テンソルは、最近話題の機械学習やディープラーニング(深層学習)を活用する際にも用いられる概念です。興味がある人は、深く学んでみると面白いと思います。 ※テンソルについては下部のPhotosに図版を掲載しています。
学生時代に徹底的に「調べる癖」をつけてほしい
所属する工学部電気電子情報工学科では、「電気電子情報実験Ⅲ」で、画像処理に関するプログラミングの実験を担当しています。授業では、ブルーバック(もしくはグリーンバック)を使って別の背景を合成する「クロマキー合成」、画像の圧縮方式としては最もメジャーなJPEG圧縮を使った実験などに挑戦してもらいます。ここで、専門知識を深めるだけでなく、実験結果をまとめて、他者に説明する能力を鍛えてほしいと思います。
学生の皆さんには、こうした実験や研究を通して、自分で情報を集めて考える力を身につけてほしいですね。自分で学んで、知識を深め、さまざまな情報を使って問題を解決することは、社会でも重要なスキルだと考えています。他の学生や教員との情報交換、ディスカッションを通して、自分の考えを磨いたり、いろいろな視点を取り入れたりすることも大切です。情報を批判的に見極めて、自分自身で結論を導く力を持った人になってほしいと願っています。
そのためにも学生時代にやってほしいのは、「調べる癖」をつけることです。専門の知識だけでなく、身近な疑問や知らない言葉など、気になることがあったら積極的に調べるように心がけてほしいですね。読めない漢字などもそのままにしない!その心がけが社会人や研究者になった時に必ず役立つと思います。
また、計画を立てて行動する練習も必要です。自分の知識を広げるだけでなく、目標に向かって進むスキルを身につけることで、未来の可能性は大きく広がると思います!
情報ネットワーク・メディア研究室
安全性と利便性を兼ね備える情報セキュリティの構築に挑む
いまITの世界では、映画や音楽、写真など、著作権のある情報の不正コピーが問題となっています。それらの著作権を侵害することなく、安全かつ簡単に情報やデータを利用する方法を考えることが私の研究です。インターネット上で生じるさまざまな犯罪の防止、ホームページに掲載されている画像などの著作権保護、個人情報の保護など、コンピュータとネットワークを安心して利用するために不可欠な「情報セキュリティ」に取り組んでいます。 この研究で最も難しい点は、安全性と利便性を両立させることです。ユーザーがテクニカルな部分を心配せずに安心して使え、知らない裏側でちゃんと著作権も守られているような状況を実現させたいと、日々研究を続けています。
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