Mori Junichi
森 淳一 特別助教
Profile
出身地/栃木県
子供の頃の夢/大工
趣味/料理、情報収集
休日の過ごし方/料理、食べ歩き
好きな食べ物/アジア料理
AIを駆使した「環境計測」の技術を 様々な監視・観測場面に役立てたい。
研究のベースは大量の映像・音声データを収集・分析すること
私の専門は、AI(人工知能)を用いた「環境計測」です。環境の音と映像を同時に長期モニタリングすることによって膨大なデータを集積し、それらのデータを機械学習や信号処理と呼ばれる技術を使って効率的に分析することで、現象を識別しています。
この「環境計測」のプロセスを用いて、開発を進めている技術の一つに「航空機測位カメラ」があります。近い将来、空飛ぶ車やドローンが私たちの上空を行き交う時代が訪れようとしていますが、空中で車やドローン同士の接触事故が起きる可能性を考えると、交通環境を監視する技術が必要です。すでに航空機を検知するレーダー等はありますが、高層ビルの間や山岳地域等の障害物が多い低空を飛ぶ場合は位置検知の精度が低下しがちで、より細かく測位できる技術がなくてはいけません。「航空機測位カメラ」はそれを叶えるシステムだと期待していて、低空を飛ぶ飛行機の3次元的な位置を無人かつ自動で計測できます。すでに一部の環境調査等では実用化もされていて、現在さらに精度を高めているところです。
このAIを用いた音と映像による環境計測は、最近では航空機の監視だけではなく、道路、海洋、都市、居室、自然、動物等と非常に多くの分野における現象の理解に有効性が期待されています。私自身も様々な分野の方々と協力し、意見を交わしながら、自分の技術を有効活用すべく、それぞれの問題を丁寧に理解するように心がけています。この計測技術を用いることによって、人々の置かれた環境の改善だけでなく、各モビリティ、インフラ、生体系が抱える社会問題の解決の糸口となることを期待しています。
「楽しい」と思える経験を、学生のうちから積んでほしい
私が主に担当する「電気電子情報実験」という授業では、電流や電圧を計測したり、オシロスコープを使用したり、電気電子情報工学にまつわる基本的な実験を行います。この分野の基礎的な理論が研究の場でどう扱われているのかを、体験を通して理解してもらうのが一番の目的です。後期はより応用的な内容として、パソコンを自分で組み立て、設定するまで挑戦してもらいます。
実験や研究で成果を出すためには、我々教師、先輩、同級生等の色んな人と協力し、様々な意見を吸収しなければなりません。人と協力するというスキルは、社会に出てからも必ず求められるものですから、授業ではその経験も含めて学問というものを体験してほしいですね。人との繋がりは時に苦労もありますが、仲間と切磋琢磨しながら、何かを成し遂げた時の充実感も存分に味わってもらいたいです。
また、学生のみなさんには、是非今のうちから何かに全力で打ち込み、心から楽しいと感じれる経験を十分に積んで欲しいなと思います。社会に出ると、人はどうしても日々の生活や仕事に追われ、自分を見失いがちになってしまいます。そういう時にも、自身の楽しむ感覚を理解できている人は、必ず自分を取り戻すことができると、いろいろな人を見て痛感してきましたし、私自身も研究や教育を思う存分楽しんでやっています。あるとき研究仲間から、「森さんとの共同研究は断らない。自分も楽しんで取り組むことができるから」と言ってもらえたことがありました。私にとっては非常に励みになる言葉でした。学生の皆さんも、是非、今を全力で楽しんでもらいたいです。
生体・環境計測研究室
計測から医療まで超音波を幅広く活用
超音波を用いて、体内や地球環境を調べる新しい計測技術の研究と開発を行っています。超音波はモノや人間の内部、海の中までを測るためのツールとして活用され、応用例としては胎児の成育や心臓の動きをリアルタイムに診断する装置が代表的です。近年では治療にも超音波が応用され、当研究室では超音波医用装置の安全性向上に関する研究を進めています。 また、電波の届きにくい水中作業の安全確保のため、超音波を利用した水中音響カメラ開発の基礎研究を行っており、羽田空港の滑走路建設時に使われた水中映像装置の試作に貢献しました。 最近では新規テーマとして、ロボット聴覚と呼ばれる、ロボットや人工知能のための音響センシング技術や音響信号処理について研究を行っています。
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地域課題
SDGs・地域課題について