Takahashi Kazuyuki

髙橋 一幸 教授

所属
外国語学部
英語英文学科
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専門分野

英語教育学、教師教育

キーワード

Profile

生年/1957年
血液型/O型
出身地/大阪府(通称「浪速生まれ、河内育ちの湘南ボーイ」)
家族構成/妻と二人暮らし(娘二人は結婚)
趣味/日本の古武道
子供の頃の夢/中学校の英語か社会科(日本史)の先生、またはお巡りさんになること
愛読書/司馬遼太郎ほかの歴史小説
休日の過ごし方/あまり休日がありません!
好きな音楽/ビートルズ、演歌
好きな食べ物/大阪出身ですので、もちろん「お好み焼き」
好きな国/学力世界一と言われるフィンランドの教育制度について研究しています

英語教師をめざす人は、まず、 自分が受けて来た授業からの脱却を図ろう!

めざそう、「使える英語力」を育てる授業!

英語は、体育や音楽と同じで、知識だけでなく「技能」として活かせなくては意味がありません。例えば、体育の先生が教室の中でテキストを使ってクロールの泳ぎ方を説明し、ペーパーテストで満点が取れたとしても、生徒は泳げるようにはなりませんよね。英語も同じで、いくらテストでいい点が取れても、それだけでは英語を使えるようにはなりません。英語を使ってコミュニケーションできる力、異なる文化を持つ人々と協働・共生できる力を育てる授業が今求められています。
そのためには、まず「英語に慣れさせる」こと。ひたすら文法規則を覚え、英語を日本語に訳す、というような受け身の授業ばかり受けてきた生徒は、教育実習訪問などの際に英語で話しかけると、高校生でも「分からないから日本語で話して」と言います。一方、小学校 3・4年生の「外国語活動」や 5・6年生の「外国語科」の時間に英語でのやり取りを体験している児童は、「おじちゃん、何言ってるの?」とも「日本語で言って」とも言わないんですよ。しかも、こちらの言っていることが分かると、ちゃんと英語で反応してくるんです。もちろん多少間違っていたり、単語だけの応答だったりすることもありますが、少なくとも英語で話しかけられることに対して恐怖感や拒絶感を持っていないのです。
これから英語科教諭をめざす人にとって、「自分がかつて受けてきた授業から脱却すること」がプロへの第一歩です。受動態なら「たすきがけ」、不定詞や現在完了は「用法」の区別、英文の理解の確認は日本語訳で・・・などという固定観念から抜け出た時に、大学で専門的に学ぶべき英語教育の可能性が開けます。

教え込んでもダメ、教育で大切なのは「気づき」!

母親は、まだ言葉が分からないうちから小さな子どもに毎日話しかけますね。そして片言で話すようになると、半ば本能的に、少しずつ使う言葉のレベルや内容を変えて、自然に子どもが母語を習得するサポートをしているのです。これをマザートーク(mother talk)と言い、外国語教育にもティーチャートーク(teacher talk)として応用されています。
新しい文法事項やテキストを教える際、生徒たちが既に学習し慣れ親しんだ英語を使って、「面白そう、どんな話だろう?」と興味を持つような話題で英語のお話を語り聞かせます。10のうち9は理解できるが、そこに1つ、わからない文(授業で指導する目標文)を入れると、生徒は未知の文であっても、文脈からその意味を推測します。たくさんのインプットが与えられれば、生徒は正しく文の意味をとらえ、さらに、そういう意味を伝えるにはどう言えばいいのか、言葉の形(文法構造)をも自ら発見します。教師が長々と日本語で説明し、「これを覚えておきなさい」と教え込んでもダメで、生徒自身が自ら考え、自分で気づくことが大切なのです。教育で大切なのが、この「気づき」(noticing)です。
私は神大に赴任して28年を超えましたが、その前は、大阪で15年間、中学・高校の英語教諭をしていました。一人の教師が教える生徒は年間150人前後。自分の人生後半を考えたとき、大学で教員養成に携わり、英語教員をめざす学生を指導したい。生徒たちがコミュニケーションを大好きになる授業を学生が創意工夫し、将来の学校や地域を背負ってくれる人材を育てたいと思い、中高の現場を離れました。目標は、定年までに100人以上の小・中・高の英語教育を担う教諭を教育現場に送り出し、毎年1万~1万5千人以上の「孫生徒」を作ることでしたが、2022年度に104名となり目標を達成することができました。今後も一人でも多くの優秀な教員を育てたいと思います。

髙橋 一幸 ゼミ

ゼミ卒業生の英語教師が、全国各地で活躍しています。

英語教師をめざす人へ。 英語を教えるには、どんな授業や教育法が良いと思いますか? その答えを一緒に追究し、ぜひその知識や技術を自分のものにしてください。たとえばゼミで行う模擬授業も貴重な体験となるでしょう。 英語授業の専門知識と技能を学ぶ2年生の「基礎研究」ゼミの最後にはグループでのトライアル授業、学びを深める3年生の「専門研究」ゼミ後期にはグループでの連続模擬授業、4年生の「卒業論文」ゼミでは教育実習前に個人模擬授業を行い、その後みんなで良かった点や改善点などをとことん話し合います。 私のゼミの目標は、定年までに100人以上の小・中・高の英語教育を担う教諭を教育現場に送り出し毎年1万~1万5千人以上の「孫生徒」を作ることでしたが、熱心なゼミ生たちの頑張りで2022年度に目標を突破できました。(2022年度11月現在104名!) 君も確かな専門知識と技能を身につけて、将来の学校や地域の教育に貢献してください。 (※英語英文学科IESプログラムには、2年次から3年計画でプロの教員を育てる「英語教員養成特修ゼミ」“髙橋ゼミ”と“久保野ゼミ”があります。)

Photos

  • 代表著書:『Q&A 小学/中学/高校英語指導法事典』(シリーズ3冊、共編著)、『改訂版・授業づくりと改善の視点』『成長する英語教師』(以上、単著)、2002~04年度に講師を務めたNHKラジオ「新基礎英語1」のテキスト。

  • 3年生ゼミでの各グループ3回の連続模擬授業。全員が先生役を務めます。

  • 3年生ゼミでのグループ連続模擬授業終了後の記念写真。

  • 希望者は大学近隣の小学校で年間を通じて週1日授業に参加し、先生やALTと共に児童を指導します。

  • 1月末の卒論発表会では、4年生が後輩ゼミ生の前で卒論を口頭発表します。

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

「使える英語力」を育てる授業を目指し、小中高の英語教員養成、現職英語教師の教育を行っています。

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