Minamoto Kunihiko

源 邦彦 助教

所属
外国語学部
英語英文学科
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専門分野

社会言語学、知識社会学

キーワード

Profile

出身地/富山県
尊敬する人/アーニー・スミス
愛読書/『ブッダ100の言葉 〜仕事で家庭で、毎日をおだやかに過ごす心得』
好きな食べ物/日本料理、お酒

アフリカ人奴隷子孫コミュニティの英語と人種差別の関係に迫る。

「言語に基づく人種差別」を調査し、是正する政策を考える

16世紀以降、北米や西インド諸島には、アフリカから多くの奴隷が運ばれてきました。奴隷制度が廃止され、奴隷とされていた人々が解放された後もその子孫に対する差別が残っているのが実情です。私は社会言語学という分野を専門とし、アフリカ人奴隷子孫への人種差別と言語の関係を研究しています。

研究対象としているのは、現在のアメリカ合衆国やカリブ地域のアフリカ人奴隷子孫コミュニティにおける英語の使用に紐付く差別です。特に、この言語が人種差別とどのように関連しているかを詳しく調べています。例えば、アフリカ系アメリカ人英語やジャマイカ語を使う人々はどのような生活を強いられているのか、その言語がどのような就職差別と結びついているのか…現地調査を繰り返しながら、こうした内容を研究しています。

一方、このような差別を是正するために、どのような政策を実施すべきかという言語政策研究も行っています。現在は、この言語政策研究の一例として、カリブ地域に位置するジャマイカの言語政策について現地調査を実施しています。

外国語学部では、「英語学概論」や「社会のなかの言語」など、英語学や社会言語学に関する授業を担当しています。これらの授業で、北米やカリブ地域を中心とした研究事例も積極的に紹介しています。学生にとっては、言語に基づく差別というものが存在することを知る機会になるでしょう。差別は、個人というよりは集団を単位として、言語、人種、階級などに基づいて、対象となる人々を経済、政治、社会の中心から周辺へと排除する行為です。社会言語学を入口に、言語と差別という現象を複眼的に理解する視点を養ってほしいと思います。

興味・関心が「こだわり」に変わるまで読書を続けてほしい

授業を通じて、学生の皆さんに身につけてほしいのは、批判的分析力です。これは、「英語教育問題なら英語教育」、「宗教問題なら宗教」というような1対1の関係性を見るだけでなく、それぞれの問題の根底に横たわる社会全体の動きに影響を与える経済的、政治的、社会的な仕組みに目を向ける力と言い換えることもできます。世の中のさまざまな現象や問題の本質を理解するには、批判的にものごとを見て、幅広い視座で分析する力が不可欠です。大学時代の専門的な研究を通して、複眼的な視座を有した人材に育ってほしいと願っています。

そして、学生時代に皆さんに実行してほしいのは、「言語を理解する力」を鍛えることです。私は大学を卒業してから本格的に研究関連の文献を読み始め、自分は「言語を理解する力」がまだまだ足りないと痛感しました。サークルやアルバイトも大事ですが、大学生である以上、勉強時間を十分に確保し、興味・関心のある専門著書や論文を読み込む努力をしてください。最初は入門書からスタートするのもいいでしょう。難しい専門書も時間を経るごとに理解できるようになります。その興味・関心が「こだわり」に変わるまで、根気強く「言語」と格闘し続けてほしいと思います。

源 邦彦ゼミナール

日本社会、世界に蔓延する言語差別への意識を高める

ゼミではことばの多様性から生じる社会問題を扱います。たとえば、日本語を母語とする英語使用者は、ほぼ全員が日本語の影響を受けた英語を使用しています。これは科学的にも実証されているごく自然な言語現象です。ところが、「標準英語」とは異なる英語を誹謗中傷する行為―立派な人権侵害です―が後を絶ちません。たとえば、2021年8月17日、大リーグエンゼルス対タイガース戦で、大谷翔平選手の打席のとき白人男性解説者がアジア人に特徴的な英語のものまねをしました(解説者は懲戒処分)。ここにはアメリカ白人社会、ヨーロッパ白人社会全体に根づく人種差別が関与しています。ゼミでは以上のような英語をめぐる問題全般を研究対象とします。また、英語に限らず、琉球諸語や日本手話など英語以外のことばの問題も扱っています。

Photos

  • Ernie A. Smith博士: アメリカで大学院生時代にお世話になった先生です。白人社会からどのような人種差別に遭ったとしても、自己の信念を最後まで貫き通す大切さを教えてくれました。また、言語学や社会学を含め学問がいかに支配の道具になっているかを気づかせてくれました。わたしの人生観を180度変えてくれたかけがえのない人物です

  • にゃんこ大戦争のキャラクター: 小学校の高学年くらいまで息子がお風呂の扉に描き続けたキャラクターです。最初は何を書いているのか理解できませんでしたが、後になってにゃんこ大戦争というゲームのキャラクターだということに気づかされました。あまりにかわいいので知らない間に大好きになっていました

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