Corey John Wallace

コオリ ジョン ウォレス 准教授

所属
外国語学部
英語英文学科
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専門分野

国際関係論、東アジアの安全保障

キーワード

Profile

出身地/ニュージーランドのクライストチャーチ
子供の頃の夢/すべての大陸(南極大陸を除く!)を旅する
愛読書/『想像の共同体』
趣味/プロスポーツ観戦(ラグビー、MLB野球、NFL、サッカー)
休日の過ごし方/映画を観る
好きな音楽/さまざまですが、特にデヴィッド・ボウイの大ファンです。
好きなTV番組/『Black Books』という英国のコメディ
好きな映画/『Amélie(アメリ・プーランの素晴らしい運命)』
好きな食べ物/チーズ

日本人が知るべきインド太平洋地域の安全保障と地政学的な動向とは?

大学院博士課程の時代から「日本の地域安全保障問題」について研究

第2次世界大戦以降、日米同盟は日本、そして東アジア全体の安全保障にとって非常に重要なものです。ただ、過去20年間で、日本はアメリカ以外の戦略的パートナー、例えば、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、フィリピン、シンガポールなどとも安全保障分野で協力を深めてきました。

私は現在、インド太平洋地域における戦略的競争と協力に関する研究を行っています。これには、国家安全保障や地政学的な動向、さまざまな国の戦略的コミュニケーションへの取り組みなどが含まれます。また、産業政策や海外開発援助が地域の地政学によってどのように形成されているかにも関心があります。

例えば、ACSA(物品役務相互提供協定)は、オーストラリアやイギリスなどと結ばれており、燃料や弾薬などを融通し合うことができます。他にも、機密情報を共有するISA(情報保護協定)、軍隊の活動に関するRAA(部隊間協力円滑化協定)、防衛装備品に関する取り決めなど、さまざまな協定があります。私は母国であるニュージーランドやオーストラリアのような「アメリカと友好関係にあるが、時には異なる立場をとる国」の動向と比較しながら、日本の国家安全保障政策について、詳しく調べています。

日本に興味を持ったきっかけは、2004年にJETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)で来日したことです。当時は福島で英語を教えながら、日本語を学んでいました。日本のことをもっと知りたいと思った私は、ニュージーランドに帰国後、オークランド大学大学院の博士課程に進学し、日本の地域安全保障問題について研究しました。さらにその後、博士研究員(ポスドク)としてドイツのベルリン自由大学に留学し、日本の国家安全保障政策について研究を続けました。ここで日本と東南アジア、オーストラリア、ニュージーランドなどとの経済協力や安全保障関係についても研究するようになり、現在に至ります。

GECプログラムで日本が直面する国際的・地域的問題について講義

現在は、外国語学部英語英文学科で、主にGEC(Global English Communication)プログラムのGlobal Culture科目を担当しています。主に、日本が直面する国際的・地域的問題と日本の外交関係がどのように変化してきたかに焦点を当て、英語で講義をしています。1〜2年次は日本が世界とどのように結びついているかについて、食料・エネルギーの輸入や観光業、外国人労働者など、身近なテーマを通じて考えます。そして、3年次以降には、安全保障や国際関係のより専門的な内容に入っていきます。例えば、「Global Citizenship Studies」の授業では、オーストラリアとニュージーランドの文化やナショナリズムについて、さらに日本のODA(政府開発援助)などの国際開発についても紹介しています。

私が担当する授業を通じて、学生の皆さんには、英語力の向上に加え、国際問題に関する意識を高めてほしいと思っています。国際情勢が、日本の利益や幸福にどのように影響するかを理解することは、とても重要です。将来、日本や海外の企業、政府、公的教育機関などで働くことになったときに、広い視点で国際社会を捉えられるような人材を育成したいと思っています。

また、学習においては、「成長マインドセット(Growth Mindset)」が大事だと常に学生に伝えています。学業でも仕事でも一度にすべてを理解することはできません。成功する人は、少しずつ自分自身を向上させる努力を続けています。時には失敗することもあると思いますが、自信と謙虚さを組み合わせて挑戦を続けてください。自信とは、最終的には成功できると信じること。謙虚さとは、まだ学ぶべきことがたくさんあると認識すること。ぜひ在学中からさまざまな文化や言語に触れ、グローバルな舞台で活躍できるようになってください。

Advanced Seminar in Global Culture: Japan and the World

国際関係を理解する前に、自国から世界を見ることの視点を理解する必要があります。

国際関係が大きな変化を遂げる中、世界情勢を理解することは非常に重要になっています。この変化は、さまざまな要因によって引き起こされています。まず、国際貿易の性質が根本的に変化しています。そして、10億人を超える人口を抱える2カ国(インドと中国)を含む、多くの新興国が急速に繁栄を遂げています。さらに、西側世界の伝統的な地政学的勢力における国内政治に大きな変化が見られます。最後に、気候変動と新興技術は、想像もできないような形で、世界の政治的・自然環境を根本から変える可能性があります。これらの変化と未解決の問題の中で、日本は自らの道を探っています。このゼミナールでは、日本と国民が直面するグローバルな変革期における課題と、潜在的な危険性について考察します。

Photos

  • 私の息子たち(実は10歳離れています)に読み聞かせたDr. Seussの『Green Eggs and Ham』です。世界中のどこにいても、毎晩寝る前に息子たちに英語の本を読む時間をできるだけ作っています。私の祖父母も、私が幼い頃、Dr. Seussの本を読んでくれました。そのため、地理的な距離を越えて、世代を超えたつながりを感じられると思います

  • 私がベルリンで博士研究員として在籍していた際に共同編集した『International Affairs』誌の特別号です。この号は、重要な点がいくつかあります。まず、『International Affairs』は、王立国際問題研究所としても知られる「チャタムハウス」の機関誌です。この学術誌は100年以上の歴史を持ち、国際関係学の研究と現在の地政学的動向や外交政策の進展を結びつける試みで知られています。この学術誌に論文を掲載できただけでなく、ロンドンにあるチャタムハウスで、学者や実務家を対象に私たちの論文集について講演できたことは、大変光栄な経験でした。第二に、私は、尊敬する同分野の学者と共に、非常にタイムリーなテーマである「日本の国家防衛戦略の変容」に関する特別号を共編しました。この特別号が2018年に発行されて以来、日本の防衛状況と政策は大きく変化し、私たちの分析との関連性はさらに高まっています

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