Zhou Xing

周 星 教授

所属
国際日本学部
歴史民俗学科
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専門分野

中国民俗学、中国文化人類学

キーワード

Profile

越境する日中韓の民俗文化、それぞれの異同やつながりを含めて、相互の関係性を明らかにする東アジア民俗学を目指して、比較研究を試みています。

出身地/中国
生年/1957年
趣味/旅行
好きな国/日本

40年以上も経済成長を続ける中国。日本と比較することで、日本を再発見できる。

経済成長は、生活や社会をどう変えるのか

中国では、1980年代から急速な近代化が進みました。市場経済の導入などの経済開放によって、現在に至るまで40年以上も経済成長を続けています。日本や欧米各国が持っている中国のイメージは、もはや過去のものです。日本では、高度経済成長の後に生活革命が起こりました。各家庭がテレビや洗濯機、自動車などを購入するようになり、ライフスタイルが大きく変化したのです。中国では、この生活革命が今まさに起こっているところです。私はこの生活革命を、民俗学・文化人類学を通じた「人」の観点で研究しています。
生活革命は、人々の生活をどう変えるのでしょうか。例えば日本では、洗濯機の普及によって家事にかかる手間が減り、女性の社会進出が進みました。このような変化は、これから中国でも起こっていくでしょう。もちろん、日本では起こらなかったことが中国で起こる可能性もあります。日本の生活革命の成果を参考に、日本と中国の経済成長による生活様式の変容を比較しています。

「比較する」ことが、民俗学の醍醐味

「東アジアの民俗」という授業では、日本・中国・韓国など、東アジアの民俗について学んでいきます。これまでの民俗学は、「日本民俗学」「中国民俗学」というように、それぞれの国ごとに語られてきました。しかしこれからは、「東アジア」という新しい枠組みで民俗を捉えていくべきです。そうすることで、国ごとの文化の違いを比較し、文化同士が与えてきた影響について知ることができます。
例えば、「成人式」という風習にも、日本と中国で違いがあります。中国では、年齢は18歳、場所は学校で行われますが、学校によっては行われないことも珍しくありません。つまり、日本ほど一般的ではないのです。制服や給食のように日本では「当たり前」のことも、国が変わればそうではない。世界に目を向ければ当然のこととして捉えられない場面が多々あります。自分自身のことはなかなか見えづらいものです。近隣諸国を「鏡」にして、日本の姿を再発見していきましょう。

「なぜ?」という好奇心を大切に

海外旅行をする学生が減っていると聞きます。私の実感としても、日本の外にあまり興味を持っていない学生が増えているような気がします。知らない場所は怖いかもしれませんが、いざ足を踏み出してみると、とても興味深い世界が広がっています。勇気を出して、外に出てみてください。民俗学の原点は、「なぜ?」という好奇心です。どんな些細なことでも、「なぜだろう」「もっと知りたい」という好奇心を大切にしてください。私の学生時代は、自由に本を読むことが解禁されたばかりで、図書館の本をあっという間に読み尽くしてしまうほど飢えていました。今はどの国の人もあまり本を読まなくなりましたが、読書は間違いなくあなたの力になります。学生のうちに、本を読む習慣を付けておきましょう。
また「夢を持て」ということをよく言われると思いますが、「この職業に就きたい」などと一つの夢に固執することが良いわけではありません。それでは、その夢が破れた時にすぐ挫折してしまいます。「こんな人になりたい」「こんな人生を送りたい」というように、夢は抽象的でもかまいません。ひとつ夢が叶わなかったとしても、軌道修正をしながら理想を追い続けること。それができれば、あなたの人生は必ず良い方向へ進んでいきます。

Photos

  • 手作りの土塤です。塤(シュン)は、中国の先史時代から歴史のある土笛の一種です。粘土で作られており、いくつかの穴に空気を通してきれいな音を出します。日本にも同様のものがあったようです。写真のものは、2015年にアメリカで海外研修を行った時に、お世話になった友人がつくってくれたものです。彼は塤に夢中で、つくるだけでなく、独奏会まで行っています。その熱に感化されて、私も趣味で塤を研究したいと考えるようになりました

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