Shirai Yuki

白井 佑樹 特別助教

所属
建築学部
建築学科(建築学系)
関連リンク
専門分野

建築構造・材料、構造工学、地震工学、防災工学

キーワード

Profile

生年/1988年
出身地/神奈川県
血液型/O型
家族構成/夫婦・長男・次男
子供の頃の夢/白バイの警察官
尊敬する人/祖父
愛読書/伊坂幸太郎、森博嗣の著書
趣味/旅行、読書
休日の過ごし方/家事の手伝い、子守
好きなTV番組/「ドキュメント72時間」、「家、ついて行ってイイですか?」

人生は自由で多様であることを学生時代にぜひ知ってください。

高校で学んだ力学を、現場に寄せていくのが大学での学び

1年前期の「力と形」、後期の「建築の力学」、2年前期の「骨組の力学Ⅰ」、それぞれの演習を担当し、建築構造の基礎を教えています。
「力と形」では簡単な実験を通して、高校までに学んだ力学と実際に建築物を造るにあたって必要な力学との違いを伝えるように、両者の橋渡しをするイメージで講義しています。それは高校で学んだことを、もう少し建築現場に寄せるという感覚です。一番の違いは、建築としてのリアリティーが出てくるという部分で、僕はよく学生たちに「単位や桁が一つ違ったら建築物は建たないよ」と言っています。高校で学ぶ力学は単に数字だけで考えてしまいますが、実際の建築現場ではN(ニュートン)やkg(キログラム)といった力学の「単位」とその「桁」が重要な意味を持ちます。ベテランの先生になると建物を見ただけで「このビルの自重は◯◯t(トン)だね」というように、大体の桁が把握できる。そういう感覚を求められることが、高校時代とは大きく違うところです。
「力と形」では数式はあまり出てきませんが、「建築の力学」では数式を使って物理現象を表現し、把握していきます。計算が多くなりますが、四則演算がほとんどで基本的に高校数学のレベルです。ただし、計算自体はできても計算式を立てられないことが多いので、まずはその式がどういう意味なのかを理解できるようになることが大切です。そして「骨組の力学」では、「建築の力学」で学んだ数式でなぜ物理現象を表現できるのかを学習し、数式が導き出せるようになることを目指していきます。

アンカーボルト研究のきっかけは「よくわからない」こと

3年後期の「建築構造材料実験」では、コンクリート材料について担当しています。3週にわたって試験体(実験する梁部材)の設計、コンクリートの調合設計・打設、そして曲げせん断実験を行います。実際に手を動かして鉄筋を組み、コンクリートを打設して破壊させる一連の流れを経験できます。特に物がどのように壊れていくのかを観察できる経験は貴重です。たとえば次第に試験体にヒビが入っていく様子など実際に観察することによって、建物に入ったヒビを見たときに、なにが原因なのかということもわかるようになります。
私自身の研究分野もコンクリート構造です。なかでも、コンクリートに部材や設備機器などを取り付けるためのアンカーボルトという部品の働きについて研究を続けています。実はアンカーボルトがどのように強度を保っているのかということは、今も正確にわかっていないのです。通常、それでも強度が持てばいいと考えられているのですが、正確な働きがわかれば、たとえば古い建物の耐震補強などにもアンカーボルトをうまく応用していけるのではないかと考えています。
とはいえ、こうした理由は後付けで、実際には僕自身がアンカーボルトについて学んだときに、最後まで「よくわからない」と思ったことが興味を持つきっかけでした。建築物のなかではとても小さい部分に意外にもわかっていないことが多いという点を面白く感じたのです。アンカーボルトに関する研究は生涯、続けていくだろうなと思っています。

大学時代はいい意味で「モラトリアム」を楽しもう

大学2年のとき、カバンひとつで1ヶ月間ほどフランスを旅しました。目的は憧れの建築家、ル・コルビュジエの作品。スマホなどない時代でしたからガイドブックの情報をもとにして、ひたすらフランス国内の建物を見て歩きまわり、写真を撮ったりスケッチしたりしました。いま思い出しても楽しかったですね。この旅行のときにさまざまなコンクリート造建築物を見て、そのダイナミックさと迫力にひかれてコンクリートというものに興味を持ったことが、現在の専門分野につながっています。
大学生は肯定的な意味で「モラトリアム」だと思います。学生の皆さんには、この期間にいろいろな所へ旅行に行ったりして、考え方や習慣、宗教が違うなかで人々のさまざまな生き方に接してください。若いうちに、人生は自由で多様であることをぜひ知ってほしいと思います。

[構造コース]新機能型構法研究室

耐震性と美しさを備える建造物の構造システムを考える

地震国日本での建物の性能で最も重要なのは安全性です。地震発生時はもちろん、建物がその後も使い続けられることへの要求が高まっています。当研究室では、大地震発生時に鉄筋コンクリート構造物がどのように抵抗し変形するのか、中規模地震ではどの程度の被害が起きるのか、といった研究を進めています。 また、現在最も耐震安全性が高いといわれている免震建物の挙動、エネルギー吸収・損傷抑制型RC構造やハイブリッド構造といった、新機能建築構法の研究にも取り組んでいます。建物に要求される耐久性や機能を満足いくレベルに到達させながら、しかも美的であるためには、どのような材料や構造システムにするのが最も合理的であるのか、日々考えています。

Photos

  • 建築分野でよく使われているコクヨの小さいスケッチブック。人の話をメモしたり、アイデアを書きとめたりする際に愛用しています

  • 研究用のノート。実験ノート的な位置づけで、研究内容を書き込んでいます。同じノートを使うのが好きなので、このノートも20冊ほどの予備が買ってあります

  • 梁のせん断ひび割れ幅の評価

  • 縮小試験体での実験準備

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

Recommend

他の先生もチェック!