物理コースの特色

物理学とは、自然の従う基本法則を見いだす学問です。物理学を学ぶことで、科学的ものの見方、考え方を修得し、身の回りのことも宇宙や素粒子の世界も、共通の物理法則を使って統一的に理解できることを実感するでしょう。

「物理コース」では、演習を交え、力学、電磁気学、量子力学、熱・統計力学といった基軸となる4科目を学修します。こうして身につけた物理学の基礎をもとに、理論、実験、シミュレーションを通じて、宇宙物理学、物性物理学、半導体物理学などの分野を興味に応じて深く学んでいくことができます。

物理コースでの学び方

1・2年次

1、2年次では、「力学Ⅰ、Ⅱ」「電磁気学Ⅰ、Ⅱ」「熱・統計力学Ⅰ、Ⅱ」「量子力学Ⅰ、Ⅱ」という物理学の基幹となる科目を必修として学びます。これらは講義科目ですので、「物理学演習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ」を履修し、実際に問題を解くことによって理解を深めることができます。

物理学は理論と実験の両輪で構成されています。基幹科目の発展として、「力学Ⅲ」「電磁気学Ⅲ」「熱・統計力学Ⅲ」「量子力学Ⅲ」があります。実験科目としては「物理学実験Ⅰ、Ⅱ」を必修として履修することになります。また、物理に特有の数学を「物理数学Ⅰ、Ⅱ」で、シミュレーションの基礎を「計算物理学Ⅰ、Ⅱ」で学びます。その上で、数学の科目、情報の科目を履修することができます。

3年次

3年次からは「相対性理論・宇宙論」「原子核・素粒子物理学」「物性物理学」「数理物理学」「ナノサイエンス」というような、より専門的な科目を学びます。

また、1年次から可能ですが、天文系科目や気象系科目も履修することができます。後期には配属された研究室で「理学ゼミナール」を必修として履修します。

4年次

4年次では、配属された研究室にて1年間かけて卒業研究を行います。卒業研究に必要な理論は「輪講Ⅰ、Ⅱ」という必修科目で学びます。

Pick Up 授業

ナノサイエンス

ナノサイエンスは、ナノ(10億分の1)メートルサイズで特異的に見られる光子や電子の量子効果を明らかにするもので、将来に大きな可能性を持つ技術の源となっています。

この授業では、ナノサイエンスの基本から、ナノデバイスの作製技術、さらに走査型プローブ顕微鏡をはじめとするナノサイズの構造の計測・分析技術に至るまで、幅広く解説します。

相対性理論・宇宙論

「理科年表2022」東京大学大学院理学系研究科物理学専攻・佐藤勝彦研究室より転載

一般相対性理論は、量子力学とならぶ20世紀の物理学の画期的な成果であり、2015年9月に理論の予言する重力波が観測され、2017年8月には中性子星合体からの重力波検出により本格的なマルチメッセンジャー天文学の時代が幕を開けました。

さらに2019年4月には、イベントホライズンテレスコープによるブラックホールの影の画像が公開され、2020年のノーベル物理学賞もブラックホールに関わるものでした。

日夜進歩する我々の宇宙理解の基盤となる、一般相対性理論から導かれる標準的な宇宙論であるビッグバン宇宙論について学び、物理理論と天文観測から得られる宇宙の歴史や組成・構造に関する様々な知見を紹介します。

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物理コースの特徴的な入試制度

一般入試 得意科目型(B方式)[物理コース]

数学①150点、理科「物理基礎、物理」150点(100点×1.5)、総点300点

数学 ①

「数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B(「確率分布と統計的な推測」を除く)」

理科

「物理基礎、物理」

  • 理学部理学科共通の入試制度については学部ページを参照ください。