Ikeda Daisuke

池田 大輔 特別助教

所属
工学部
応用物理学科
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専門分野

宇宙線物理学、宇宙線による固体地球物理学

キーワード

Profile

出身地/埼玉県
生年/1982年
家族構成/妻と子供2人
子供の頃の夢/科学者
尊敬する人/両親、学生時代の恩師
愛読書/森博嗣、有川浩などの小説
休日の過ごし方/子供の遊び相手
好きな音楽/MISIA
好きな映画/『インターステラー』、ディズニー作品、新海誠監督作品
好きな食べ物/ジャンクフード、紅茶、ウイスキー

どこで生まれるのかさえ分からない超高エネルギー「宇宙線」。 何年かけてでも、その正体を解明したい。

宇宙線はどこから来るのか、どう応用できるのか

「宇宙線」とは、宇宙から地球に降り注いでいる粒子のことです。目には見えませんが、今こうしている間にも、地球にはさまざまな宇宙線が降ってきています。そしてその一つひとつが、エネルギーを持っています。中には莫大なエネルギーを持った「超高エネルギー宇宙線」と呼ばれるものもあるのですが、これらがどうして生まれるのか、どうやって地球まで飛んでくるのか、現段階ではまったく分かっていません。この宇宙線の正体を解明することが、長年にわたる私の研究テーマです。
研究するにはサンプルが必要なのですが、「超高エネルギー宇宙線」はかなり珍しいもので、滅多に降ってきません。山手線の内側を範囲とすると、10年間でわずか数個ほどです。そのため、サンプルを効率的に集めるための機器の開発も行っています。アメリカの砂漠に設置する機器を作った時は、さまざまな国から集まった研究者たち140名ほどと共同プロジェクトを行いました。これまでに10年以上かけてサンプルを集め、研究を続けてきましたので、かなり長期の研究となりました。謎に包まれた宇宙線の正体をどこまで解き明かすことができるのか、日々ワクワクしながら取り組んでいます。
宇宙線は、私たちの生活に役立つ形で応用することもできます。宇宙線の中には透過力が高いものがあり、これを使えば、山やピラミッドなどの巨大な構造体を透視することができます。宇宙線を使ったレントゲン撮影のようなものです。現在、地震断層の透視に挑戦しており、実現すれば、地震や津波の予測精度を高めることができるでしょう。宇宙線の応用はまだまだ未知の分野だけに、その応用先にも期待が持てます。

科学すべての基礎となる物理学

授業では、「物理学実験A」と「物理学B」を担当します。物理学は、自然科学や工学すべての基礎だと思っています。科学者や技術者を目指すのであれば、物理学はしっかり学んでほしいです。知識はもちろんですが、授業を通じて「科学的な考え方」を養ってほしいですね。科学者や技術者は、自分の研究内容を発表するのも仕事のうちです。まだほとんどの人になじみのないような研究テーマもあるでしょう。知識がゼロの人へ、専門用語を並べて話してもまったく伝わりません。ここで求められるのが、客観的に話す能力です。相手の立場になって、自分の伝えたいことを論理的に組み立てていくこと。大学ではこの練習をしていきましょう。
研究というのは、急に成果が出るわけではありません。宇宙線の研究にしても、まだまだどれほどの時間がかかるか分かりません。大切なのは続けることです。興味がある分野があるのなら、コツコツ勉強を続けること。継続は大きな力になります。日々進歩していく技術に追いつくための土台作りをすること、そして楽しみながら学ぶクセを付けること。これらを意識すると、将来のための大きな足がかりができると思います。

人にとっての最大の学びは、人と関わること

私は学生時代に塾でアルバイトをしており、小学生から高校生まで、さまざまな学生を教えていました。本当にいろいろな子がいて、「こんな価値観があるのか」と、彼らとの出会いからたくさんのことを学ぶことができました。今でも当時の教え子に会うことがあります。
私が塾のアルバイトで視野が広がったように、人にとっての最大の学びは、人と関わることです。大学は思っているよりも狭い世界です。今はインターネットを通じて遠くの人と交流することもできますから、大学に限らず、さまざまな分野のさまざまな人と関わってください。アルバイトでも趣味でも、何でもかまいません。人と出会い、自分とは違う価値観を受け入れた分だけ、自分を客観視できるようになりますよ。

Photos

  • 宇宙線を研究するため、アメリカの砂漠に設置した加速器です。日本で開発し、アメリカへ持って行って砂漠に設置しました。数年がかりで開発を行い、現地で初めて起動させた時の思いは……言葉では言い表せません。あの時の気持ちをまた味わいたくて、研究を続けているのかもしれません

  • 立ち上げから関わっている「Telescope Array」という実験のグッズです。日本・アメリカ・韓国・ロシア・ベルギーから140名ほどがプロジェクトに関わりました。ポロシャツは国際会議など、「ここぞ」という場面で着ています。マグカップはアメリカ仕様でとても大きく、500ml以上入ります

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

測定の空白域となることの多い地下浅部の断層を、宇宙線ミューオンを用いて透視する研究を行っています。この研究により現実的な断層モデルを構築することで、地震・津波の被害予測精度の向上が期待されます。

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