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Takekawa Shunya
竹川 俊也 特別助教
Profile
出身地/愛知県
生年/1990年
子供の頃の夢/たい焼き屋さんかたこ焼き屋さん
愛読書/諫山創『進撃の巨人』、堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』
趣味/漫画、映画、アニメ、スノボ、フットサル
休日の過ごし方/家でゴロゴロ、散歩、飲み会
好きな映画/『インターステラー』、『千と千尋の神隠し』、「クレヨンしんちゃん」シリーズの『暗黒タマタマ大追跡』、『電撃!ブタのヒヅメ大作戦』、『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』、 『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』など
好きな食べ物/和菓子、ラーメン、肉、野菜、鮮魚、チョコ
物理は世界を記述する学問。 世界で初めて見つける天体に魅せられて。
大学で出会った観測天文学。誰も知らない発見がある。
宇宙からは光だけでなく、電波やX線など目に見えないさまざまな電磁波が届いていることをご存知ですか。天体から発せられる電磁波を望遠鏡で観測することで、その天体の運動や性質、起源や運命までもを調べることができます。私の専門は電波天文学です。国内外の大型電波望遠鏡を駆使して、私たちの住む天の川銀河(銀河系)の中心部にはどんなものがあり、何が起こっているのかを日々調べています。研究をしていると、未知の天体や誰も知らない景色に出会うことがあります。新しいことを発見し、「今このことは世界中で自分しか知らないんだ」と思える時がとても楽しく、そこにやりがいを感じます。
近年は「見えないブラックホール」を探し出す研究にも力を入れています。これまでに発見されているブラックホールは2種類あります。太陽の数倍から数十倍の重さをもつ「恒星質量ブラックホール」と、太陽より100万倍から100億倍も重い「超大質量ブラックホール」です。恒星質量ブラックホールは大質量星の最期の姿であり、理論・観測双方からよく理解されています。一方で、超大質量ブラックホールはほとんどの銀河の中心に存在することが分かっているのですが、その起源は謎に包まれています。私は、恒星質量ブラックホールと超大質量ブラックホールの中間にあたる「中間質量ブラックホール」を探しています。これまでに候補天体は複数報告例があるものの、決定的な存在証拠は未だ得られていません。中間質量ブラックホールは、超大質量ブラックホールがどのようにできたかを解明する手掛かりになるため、その発見は天文学・物理学において非常に重要です。
物理はものの見方を広げる学問。実験では日常に潜む「非日常」を楽しんで。
授業では物理学実験や力学などの基礎物理の講義を担当します。日常では触れることのない装置を扱ったり、普段はあたり前と見過ごしていることに「なぜ?」と疑問を投げかけたり、好奇心をもって楽しんでもらえるように工夫しています。
物理は、知れば知るほど視野が広がる学問です。難しく思われがちな分野ではありますが、複雑に見える自然現象の本質を見抜き、余計なものを削ぎ落としてできるだけシンプルな方法で記述し、理解を助けるための道具なのです。例えば、日常的に目にするさまざまな物体の運動は、ニュートンの運動方程式というたった一つの方程式から出発して記述することができます。木から落ちるリンゴも、夜空に浮かぶ月も、その振る舞いは同じ式を使って説明できます。とてもシンプルですよね。運動が予測できるということは、物理はヒトに未来予知を可能にしたということです。これも物理の魅力の一つですね。この世界を支配する自然法則を理解すると、物事を見る視点が変わり、社会全体の見方も変わっていくでしょう。工学部で学ぶ学生たちはものづくりへの関心も高いかと思いますが、ものの仕組みを理解することは、新しい技術開発にも繋がります。
思いがけない視点を得ることが、本質を学ぶことへ
小さい頃ってなんでも不思議に思う時期がありますよね。「宇宙の果てってどうなってるの?」「磁石はなんでくっつくの?」といったことを親に尋ねて困らせたことのある人もいるのではないでしょうか。私が今こうして研究をしているのも、こうした「なんで?なんで?」の延長な気がします。
物理を志すきっかけとなったのは、高校1年生の頃に母親が買ってきた科学雑誌『Newton(ニュートン)』でした。それはアインシュタインの「相対性理論」の特集号で、相対性理論とやらが何なのかもさっぱりでしたが、何の気なしに開いたページにこんなことが書いてありました。「タイムトラベルは可能か?」タイムトラベルなんて、SFの世界だけのことだと思っていたのに、現実はその可能性を否定せず、学問として議論されていることが衝撃的で、すごくワクワクしたことを今も覚えています。相対性理論によれば、宇宙では場所ごとに時間の流れ方が異なります。極端な例を挙げると、ブラックホールの表面では時間がほとんど流れません。実は私たち人類が同じ時間を共有して暮らしていけるのも、地球がつくる同じ重力場中に住んでいるからにほかなりません。こうした背景を知ると、普段何気なく目にする日常世界も、少し違った色を帯びて見えてきませんか。物理を学ぶことは、決して無機質で無味乾燥な作業ではありません。講義や実験を通じて、新しい視点を持つことの楽しさや、物事の本質を考えることの面白さを伝えていきたいです。
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