Kyakuno Haruka

客野 遥 准教授

所属
工学部
応用物理学科
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専門分野

物性物理学実験、ナノ物質科学、構造物性実験

キーワード

Profile

出身地/横浜市
尊敬する人/母
趣味/旅行、スキー・スノーボード
休日の過ごし方/猫と遊ぶ、ドライブ
好きな食べ物/焼肉、アイスクリーム

物理学は、自らの力で論理的に物事を考え、 問題を解決していく能力を育みます。

身近にあるのに解明されていない、水の不思議な性質を探求

私が物理学の道に進んだのは、高校時代の物理の授業がきっかけです。虹はどうして七色なのか、空が青いのはなぜかなど、それまで「あたり前」だと思っていたことが物理学できちんと説明できることに感動し、おもしろさに目覚めました。
今は、水などの液体の性質を研究しています。水は、生きものの体内をはじめ至る所に存在し、私たちにとって最も身近な物質のひとつですが、たとえば、4℃の時に密度が最大になり最も重くなることなど、その不思議な性質はまだ充分に解明されていません。また、水には特徴の異なる、高密度と低密度の2種類の液体状態が存在するという仮説があるのですが、実験によって観測することは非常に困難で、未だに証明できていません。私はX線回折実験や計算機シミュレーションなどの手法を用いて、その不思議な性質の核心に迫るべく、研究に取り組んでいます。
水の性質を明らかにすることは、海水を真水にしたり汚水をろ過したりする水処理膜の開発などの環境工学の分野をはじめ、医療などにも役立つと考えています。

物理学で学んだ能力は社会で大いに役立つ

授業では、「ナノ物質科学」、「分子シミュレーション」、「力学Ⅰ」などを担当しています。たとえば力学Ⅰでは、工学部の学生が専門科目を学ぶ際に必要となる物理の知識が身につくように、学生の反応を見ながらできる限り基礎からていねいに授業を行うように努めています。
物理学を学ぶことにより、物理の基礎知識に加えて、自分の力で物事を論理的に考え、問題を解決していく能力が育まれていきます。この能力は、将来、技術者や研究者を目指す学生はもちろん、それ以外の道に進む学生にとっても、社会に出たときに大いに役立つものであると思います。

いろいろなことにチャレンジして、世界を広げよう

大学生活では、将来への不安や迷いを感じる時期もあるかもしれません。自分のやりたいことを貫こうとすると、楽しいことばかりではなく、困難に直面して悩むことも多くあります。しかし、それに向き合う強い気持ちを持っていれば、道は自然と開けます。
そして、勉強だけでなく、サークルやアルバイトなどさまざまな経験もしてください。ひとつのことに集中しているとどうしても視野が狭くなりがちですが、新しい発見や発想は、思わぬところから生まれることがあります。私自身の場合、大学で物理学を学ぶうちに、物質のさまざまな性質を研究する「物性物理学」の分野に興味を持ち、研究者を志すようになりました。自分が興味を持っていることに限らず、いろいろなことに積極的にチャレンジして、自分の世界を広げましょう。

ナノ物性研究室

ナノサイズ空間における物質の不思議な性質の解明とその応用

1ナノメートル(=10億分の1メートル)は、髪の毛の太さの約10万分の1、あるいは水分子ならば3個分くらいの大きさです。「ナノ」のサイズまで物質を小さくすると、莫大な数の原子からなる通常の物質からは予測できない不思議な性質や新しい機能を発現することがあります。たとえば、カーボンナノチューブのナノ空洞内を水が超高速で流れるという現象があり、これは従来よりも高速に水をろ過する装置などへ応用できると期待されています。本研究室では、このようなナノサイズの物質の新たな物性(構造、運動性、相転移など)の探索と解明を行っています。また、その新物性を応用して、世の中の役に立つモノを創製・提案することを目指しています。

Photos

  • 2012年度「ロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞」を受賞した時の表彰盾です。受賞はその後の研究の励みになりました

  • 2011年1月に高尾山で撮影した、シモバシラという植物の写真。枯れた茎からしみ出た水が凍って、「氷の花」を咲かせます。水の不思議な性質が関係しているかもしれません

  • 高エネルギー加速器研究機構(つくば)での放射光X線回折実験の様子

  • 実験に用いるカーボンナノチューブ試料の例

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

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