Hashimoto Sena

橋本 征奈 特別助教

所属
化学生命学部
応用化学科
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専門分野

有機光化学、レーザー光化学、反応有機化学

キーワード

Profile

出身地/東京都
子供の頃の夢/BMXレースの選手
趣味/ランニング、ツーリング
休日の過ごし方/実験、友人や家族と食事
好きな音楽/EDM
好きな食べ物/寿司、アジア系料理

5フェムト秒パルス光を自在に操り未知の有機光化学反応を可視化・制御する。

「1000兆分の5秒の超短パルス光」で拓く有機化学

これまで有機化学領域では利用されることのなかった「超短パルス光」を活用して、有機光化学反応の研究をしています。光化学反応とは、物質が光を吸収し、そのエネルギーによって励起状態となって起こるさまざまな反応を指します。光合成も光化学反応によるものです。

私は神奈川大学工学部出身で、学部生時代から「5フェムト秒パルス光」を扱う研究室に所属していました。フェムト秒は、「1000兆分の1」秒という非常に短い時間であり、冒頭の「1000兆分の5秒の超短パルス光」とは、つまり「5フェムト秒パルス光」です。

修士課程までの研究テーマは、「有機化学反応遷移過程の可視化」。可視光を物理的限界まで短パルス化した可視5フェムト秒パルス光を発生させる実験は非常に困難でしたが、今の研究をする上で重要な経験になりました。その経験から、パルス時間幅や偏光などの分子に照射する光の条件を変えれば、新しい化学反応が起こるのではないかと考え、博士課程ではオリジナルの光を発生させる研究に熱中していました。その結果、5秒パルス光を決められた間隔で2回照射することで、有機化学反応の効率を制御できる現象を発見。その成果をまとめた博士論文で、若手研究者に贈られる「井上研究奨励賞」を受賞できました。現在は、光応答性材料への応用を目指して研究を進めています。

化学生命学部では、「基礎化学実験」、「有機化学演習」などの科目を担当しています。基礎化学実験では有機化学の実験操作の基礎を教えています。卒業研究でしっかり結果を出せるように、機器の操作だけでなく、「観察する力」を身につけてほしいと考えています。

夢中になれるものを見つけてほしい

学生時代はとにかく興味を持ったことに何でも挑戦して、夢中になれるものを見つけてください。そして、「これだけは負けない!」と言い切れる自分の強みを伸ばしてほしいと思います。私自身が夢中になれるものは現在の研究テーマでした。

夢中になれるものを見つけたら、その分野の一流の人に会ってみてください。私は大学院在籍中に学会等に参加して、同じ分野の多くの研究者と議論することができました。私が大学院博士後期課程に進んだのは、彼らの研究モチベーションの高さに感銘を受け、自分もそのような研究者になりたいと思ったところが大きいです。夢中になれる研究テーマに出会えたなら、ぜひ大学院に進学して研究を続けて下さい。

大学院に進学し、「なぜこうなのか」と疑問を持ち、自分で計画して研究を進めるようになると、論理的思考力と主体性が鍛えられます。これらは、研究者としてだけでなく、社会のどのような舞台でも役立つ力になると思います。研究に限らず、大学で夢中になれるものと出合ってほしいです。

分子機能化学研究室

光刺激などに応答する賢いポリマー分子システムを創る

人間のからだは、柔らかくてしなやかな物質からできています。そして温度や光などの外部環境の変化(刺激)に対して、調整機能を巧みに働かせて生命を維持する素晴らしいシステムを備えています。からだの様々な部分はタンパク質(長い分子:ポリマー)でできています。私たちの研究室では、視覚の原理などをヒントにして、光や熱に応答するポリマー分子システムを基盤にした材料の開発を目指しています。

Photos

  • 学生時代にゼロから構築し、10年以上にわたって性能向上をめざし改良し続けているレーザー実験装置。この装置の構築が現在の研究を支えています

  • 学生時代の集大成である博士論文が評価された「井上研究奨励賞」記念品のメダル。この賞を励みに、新しい領域開拓をめざして研究をしています

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

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