Hikichi Shiro

引地 史郎 教授

所属
化学生命学部
応用化学科
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専門分野

無機化学、生体関連化学、触媒化学

キーワード

Profile

出身地/東京
趣味/料理
子供の頃の夢/電車の車掌さん
尊敬する人/両親
愛読書/「食」にまつわるエッセイ
休日の過ごし方/家族(妻と息子)と過ごし、料理をする。晩酌を楽しんでテレビや映画を観てくつろぐ
好きな映画/「男はつらいよ」シリーズ
好きな音楽/80~90年代前半までのロック・ポップス(洋邦問わず)、ジャズ(“酒場”の雰囲気に合うもの)
好きなTV番組/スポーツ中継、昔のドラマ(時代劇、特撮ヒーローもの、青春もの等)の再放送

酵素が持つ金属イオンの仕組みを手本に、 人工酵素の化学合成に挑戦しています。

酵素中の金属イオンの機能と反応のメカニズムを探る

私たちヒトを含め、生物の活動は、体内で起こるさまざまな化学反応によって支えられています。その化学反応を簡単に、効率的に進行させる仕組みのひとつとして、生物の体内には天然の触媒“酵素”が存在しています。酵素の中には金属イオンを持つものがあり、その金属イオンの働きによって化学反応が一層、効率よく進行しているのです。私の研究は、この酵素中に含まれる金属イオンの機能と反応のメカニズムを解き明かし、応用していくことです。具体的にいうと、金属イオンは、どんな種類のアミノ酸と結びつき、また、どんな立体的構造をとるかによって、その性質・機能が変わります。そうした金属イオンの環境と、それに伴う性質・機能の変化を参考に、人工酵素をつくろうとしているのです。

ものをつくり出す化学合成に魅せられて

現在、化学工業の現場では、さまざまな触媒が利用されています。その中でも、できるだけ穏やかな条件、つまり外部から熱を加えたり圧力をかけることなく、常温常圧で最も力を発揮する触媒は理想的とされています。それを使えば、無駄なエネルギーを使うことなく、コストを低下させ、さらに廃棄物を出さずに済むからです。このようなグリーンケミストリーの視点から、私は常温常圧の体内で威力を発揮している酵素に注目し、天然のそれよりももっと取り扱いが簡単で、必要な機能を果たす人工酵素の化学合成に挑戦しているのです。さまざまな要素が絡み合った、ちょっとマニアックな研究分野ですが、ものをつくり出す化学合成は奥深く、面白くて仕方ありません。

生きていく上で必要な論理的思考

自分自身も学生の頃には気づいていなかったので、偉そうには言えませんが、大学ではぜひ「論理的な思考に基づいて行動する」ということを意識して欲しいと思います。多くの人は、問題に直面すると「現状把握→情報収集・分析→問題解決方法の考案→実行→経験の蓄積」ということをしています。このような「論理的な思考に基づいた行動」は、科学研究を行うときだけでなく、人とのコミュニケーションを図るときや、もっと言えば生きていく上でのさまざまな場面でも必要とされることです。大学には、その能力を育むチャンスがたくさん用意されています。ぜひ、それを活用して、論理的な思考を身につけていってください。

バイオミメティック錯体機能化学研究室

酵素の構造を参考に人工酵素を開発

化学反応を自在にコントロールする「触媒」。当研究室は、優れた触媒を開発することによって資源・エネルギー問題の解決をめざしています。私たちが参考にしているのは、生体内にある極めて高性能な触媒「酵素」です。 タンパク質を主体とする酵素には、金属イオンが結合することで触媒としてのスイッチが入るものがあります。たとえば、時に“毒”となる酸素から身を守るための“解毒酵素” も、金属イオンがタンパク質に結合したものです。当研究室では、こうした酵素の構造を参考に、金属イオンとさまざまな化合物を組み合わせることによって体内の酵素と同じように働き、しかも酵素にはない頑丈さや使いやすさを備えた触媒、“人工酵素”の開発をめざしています。

Photos

  • 2005年に発刊された共著『生物無機化学』は、偉大な先生方に混じり、著者名を連ねることができた一冊

  • 大学時代に所属していたラグビー部のウインドブレーカーは、今でも愛用している思い出の品

  • 酵素における金属イオンに酸素分子が結合した構造

  • 酸素分子を吸脱着する金属錯体(酸素結合状態)

  • 当研究室で開発した酸化触媒の反応中間体の分子構造

  • 人工酵素の足場-直径数ナノメートルのハチの巣状の穴の中に触媒を固定

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

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