Okamura Masaya
岡村 将也 特別助教
Profile
出身地/福岡県北九州市
子供の頃の夢/発明家
尊敬する人/藤田哲也先生
愛読書/最近は専ら化学の専門書
趣味/パソコン、ニュースを見ること
休日の過ごし方/掃除・買い物・散策
好きなTV番組/ドラマ
好きな食べ物/果物
金属錯体化学は無限の可能性を持つ とても面白い学問です。
実験を通して化学事象の背景にあるものを理解する
私は「物質生命化学実験」の無機・分析の分野を担当しています。これは2年生を対象にした実験実習で、基礎的な実験技能を習得するとともに、化学実験を行う上で重要な思考力を鍛えることを目的としています。最近は高校であまり実験をしてないせいか、操作で手一杯になってしまう学生も多いようです。そこでまずは操作に慣れてもらうことから始めます。また、実験操作や観測される化学事象にはそれぞれ理由があるため、そういった背景についても学生に問いかけたり、説明したりすることを心がけています。
「無機分析化学演習」は、無機分析分野の基礎的な知識を演習問題を通して習得してもらうための授業で、ただ単に問題を解いていくだけでなく、実際の現象とどうリンクするかの具体的なイメージをもてるようになることが大切です。問題文の読解や解答の組み立て方に悩む学生が多いので、丁寧に解答手順を教えています。
私たちの体の中にも金属錯体は存在している
私の専門分野は金属錯体化学です。金属錯体は金属イオンの周囲に有機物や陰イオンが結合した複合体で、さまざまな特異的性質を示します。金属錯体は生体内にも存在します。血液中で酸素を保持する働きを持つヘム鉄や、アルコール分解酵素なども金属錯体です。私たちの体は金属錯体を巧みに利用して、生命活動に必要な物質変換反応を成し遂げているのです。私はそんな生物の仕組みを模倣した金属錯体を使って、通常では困難な化学反応を進行させることを目標に、日々研究を行っています。たとえば鉄の錯体を使って水を分解し酸素を発生させる人工光合成などは、実用化はこれからですが将来のエネルギー問題の解決法として注目されています。
金属錯体は設計がしやすいので、比較的簡単に作ることができます。そのため、世の中にまだない、全く新しい錯体を作ることができます。触媒として画期的な働きを持つ錯体ができるかもしれません。金属錯体化学はそんな無限の可能性がある、とても面白い学問なのです。
ただ問題を解くだけでなく、自ら疑問を持ってほしい
化学は常に進化しています。高校で習う化学というのは、実は100年以上前の化学です。もちろん間違いではありませんが、大学ではようやく数十年前の化学にたどりつき、新しい理論や考え方を学び始めることができます。さらに研究室に入れば、最先端の情報が得られます。今の化学を知るためにも4年間を有効に使ってください。
また大学という場所は高校時代よりも自由度がずっと高くなり、それぞれがどう行動するかが大切になってきます。ぜひいろいろなことに興味や疑問を持って取り組み、自分自身が本当に得意とすることを見つけてほしいと思います。勉強にしても、ただ問題を解くだけでは受験勉強の延長になってしまいます。自ら「なぜだろう」「どうしてだろう」という疑問を持ってみてください。そして、興味をもったことに対して100%の本気を出したと思えるような経験をしてほしいと思います。
バイオミメティック錯体機能化学研究室
酵素の構造を参考に人工酵素を開発
化学反応を自在にコントロールする「触媒」。当研究室は、優れた触媒を開発することによって資源・エネルギー問題の解決をめざしています。私たちが参考にしているのは、生体内にある極めて高性能な触媒「酵素」です。 タンパク質を主体とする酵素には、金属イオンが結合することで触媒としてのスイッチが入るものがあります。たとえば、時に“毒”となる酸素から身を守るための“解毒酵素” も、金属イオンがタンパク質に結合したものです。当研究室では、こうした酵素の構造を参考に、金属イオンとさまざまな化合物を組み合わせることによって体内の酵素と同じように働き、しかも酵素にはない頑丈さや使いやすさを備えた触媒、“人工酵素”の開発をめざしています。
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地域課題
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