Uehara Yui

上原 由衣 特別助教

所属
情報学部
計算機科学科
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専門分野

知能情報学

キーワード

Profile

出身地/埼玉県
子供の頃の夢/ピアニスト
尊敬する人/冨田勲
趣味/ピアノ、パイプオルガン演奏、乗り鉄
好きな音楽/クラシック、ガムラン
好きな食べ物/コーヒー

音楽をデータで解析し、楽曲の構造や特徴を紐解く。

音楽理論の中核をなすハーモニーをデータ分析で解き明かす

音楽をテーマにした研究は、これまで「音楽学」という人文系の分野を中心に行われてきました。現在、この音楽学に情報科学の視点を加えた「音楽情報科学」という分野も存在します。AIによる作曲や音声データからの楽曲検索、さらには楽曲の構造や特徴を明らかにする楽曲分析など、音楽にまつわる広範囲の研究を扱う分野です。

私はこの音楽情報科学を専門としており、なかでも西洋のクラシック音楽におけるハーモニー(和声)の研究に力を入れています。音楽理論の中核を成すハーモニー。しかし、私の場合は教則本で扱う慣習的な音楽理論にとどまらず、データ解析というアプローチを用いて、個別の楽曲が持つ特徴をとらえつつ、新たな理論を見出そうとしています。

私は幼少期からピアノを習っており、曲を聴くのも演奏するのも大好きな子どもでした。音楽家を目指していた時期もあり、ピアノ演奏だけでなく音楽理論も子どものころから学んできました。その過程で得た知見が現在の研究につながっている部分も大きいです。というのも、研究を通じてこれまで学んできた音楽理論の正しさを再確認することもあれば、当時「教則本にはこうあるけれど、実体験としては違う気がする」と思っていた違和感の正体が明らかになることもあるのです。感覚的でしかなかった自分の仮説が研究結果で実証される瞬間はうれしく、やりがいを感じますね。

また、文法的な法則性がある、記号の系列である、というように、音楽と言語には共通点が多く、親和性が高いといえます。そのため、音楽の情報科学的な分析とあわせて、自然言語処理の研究も行っています。これによって、また別の視点から音楽を紐解くことができます。とはいえ、音楽は言語ほどルールが明確ではありません。音楽は言語における単語のように横並びで書き記されるものではなく、縦横の多次元に緩くつながっていくものです。それは音楽の本質でもあり、データを用いて何をどこまで解き明かしていくのかを考えるのは難しいところです。しかし、地道に研究を積み重ねることで、人々の心を打つ音楽の本質に近づきたいと考えています。

情報科学は、興味分野との新たな関わりが生まれる学問

授業は「離散数学I演習」「プログラミングA演習」「プログラミングB演習」「情報処理入門I・II」といった演習科目を担当しています。どの科目にしても、新しく学ぶ知識を正確に理解するのは簡単なことではないと思います。演習科目では細かい疑問点を解消しながら、理解の定着をサポートしていくので安心してください。

プログラミングの演習では、コードの書き方だけでなくその背景にある考え方から伝えていきます。私は社会人として企業で働き始めてからプログラミングを学びました。そのため、素早く洗練されたコードを書くといった面では、子どもの頃から実践してきた人には敵わないと思います。しかし、私にとってはプログラムを書くこと自体が楽しく、仕事や研究をする上で困ったことはありませんでした。初心者でも「プログラミングを幼少期から続けている人には敵わない」と気落ちせずに、楽しむ気持ちを大事にしてほしいですね。

情報科学は、社会のあらゆる側面と関わりを持つ学問です。私が専門としている音楽に限らず、個人的に好きな分野や興味のある分野を持っている方に向いているのではないでしょうか。私は情報科学を通して、音楽との新たな関わり方を見つけることができたという実感があります。このように人生の選択肢が広がる点も、情報科学の大きな魅力だと思います。

Photos

  • 趣味でパイプオルガンの演奏を習っています。見た目も音響も迫力があり、まさに「楽器の王様」だと感じます。複数の手鍵盤に加えて足鍵盤もあるので苦戦していますが、弾くのが楽しいです

  • 乗り鉄が趣味です。学生時代にはよく青春18きっぷを使って帰省していました。車窓の景色を眺めながらのんびり過ごす時間が好きです

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