Kaiya Haruhiko

海谷 治彦 教授

所属
情報学部
計算機科学科
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専門分野

要求分析、仕様記述、ソフトウェア工学、ソフトウェアセキュリティ

キーワード

Profile

出身地/生まれは横浜市大口
血液型/B型
子供の頃の夢/政治家(少なくとも高校入試の面接でそう言った記憶がある)
愛読書/仕事以外では観光ガイドとロードマップくらいしか読まない
趣味/サイクリング、日本湾岸は一周したので、最近は内陸を攻めている。海外も少し
休日の過ごし方/自転車でぶらつく、もしくは布団を干す
好きなTV番組/「天気予報」(自転車が濡れると整備が面倒なので)
好きな食べ物/ギネスビール
好きな国/アイルランド(半年ほど滞在した経験から愛着がある。ほどよく緩い風土と人の気質が気に入っている)

「そもそもコンピュータって役に立つの?」そんな広い視点で考えるのが、私の研究分野の面白さです。

情報システムの導入を多角的に評価する技術の研究

今やほとんどの駅の売店には、Suicaなどの電子マネー機能付きICカードによる決済システムが導入されていますよね。それによって私たち利用者は、ずいぶんと買い物が楽になったかもしれません。その一方で販売員にとっては、どうでしょう? 人員削減や、素早い暗算など従来の販売スキルへの評価が下がるといった不利益が生じているかもしれません。このように、ある情報システムをある業務に導入すると、本当に便利になるのか、本当に良いことがあるのかということを、システム構築前に多角的に吟味する技術をメインテーマに研究しています。具体的には、図式言語と呼ばれるものを用いて、業務の模型をつくって分析する手法や、そのためのツールの構築を行っています。
この研究は、“ソフトウェア工学”と呼ばれる分野の一部で、それ自体、どちらかといえば自然科学に近いものです。ですから、一般に生物や化学の研究が、生き物や化学物質を観察するのに対して、私の観察対象は、人間や組織、社会、仕事などになります。しかし、それらを観察しているだけでは分からないことが多いので、少し抽象化して、全体の流れや関係性を図式で描き、その中で非効率な部分を見つけ出して、改善するということをしています。
今は社会のあちこちで情報システムが導入され、利用されている時代です。医療分野では、たとえば離島の病院でITを活用した人工透析患者の遠隔医療システムが導入されていますし、農業分野でもIT化が進められています。しかし、どんなに素晴らしいコンピュータシステムやプログラムだからといって、単純に導入しさえすればうまくいくというものではありません。ある業務を人に任せた方が良いのか、コンピュータに任せた方が良いのかということは、社会状況を踏まえて、広い視野で吟味しなければならないのです。そういう意味では、私の研究分野は社会学にも近いと言えますね。

分析結果やそのためのツールをシステム開発の現場で活かしたい

この研究テーマと出合ったのは、大学院生の頃です。もともと、この分野に興味があったわけではなく、消去法的に所属することになった研究室が、たまたまソフトウェア工学を扱っていたという縁でした。しかし、研究を進めるうちに、画像処理やアルゴリズムなど、特定の技術を突き詰めていくというより、もっと広い視点に立って「そもそもコンピュータって役に立つの?」という大きなビジョンでとらえて考えるという、この分野の研究に面白さを見い出し、のめり込むようになりました。
現在、私の研究室では、すでに開発が終わったシステムや導入されたシステムを取り上げて分析していますが、いずれは、これから導入しようしている新しいシステムを事前に分析して、その必要性や効率化などを提案できる、つまり実際のシステム開発に研究を結び付けて、現場に適用していけたらと思っています。それが私の研究者としての目標です。

わからなくても、簡単には諦めないこと

月並みですが、大学では学びも遊びも、全力で取り組んでほしいと思います。また、授業が分からないからといって、出席しなくなるなど、簡単には諦めないでほしいですね。確かに大学の授業は高校と違って、専門的なものが少なくありません。かく言う私も、大学で初めてプログラミングの授業を受けたとき、プログラミング経験者の学生と先生とが交わしている会話が、助詞以外さっぱりわからないなんていう経験をしたこともあります。それでも、分からないなりに諦めずに授業を受け続けていたおかげで、少しずつ理解できるようになり、情報分野の教員になることができました。
また、大学では、人と交流するスキルも積極的に身に付けてください。社会に出れば、恐らく数学ができることより、きちんと文章が書けて、正しい日本語を話せて、人とうまくコミュニケーションをとれることのほうが重要になるはずです。そういう力を養うには、何も難しいことに挑戦する必要はなく、友達と遊んだり、サークルで人間関係を築いたり、多くの人と接点をもつように心がければ良いことだと思います。
それから、これは大学生活に限らず人生においても言えることですが、“笑う”ことを大事にしてほしいですね。マンガでも漫才でも友人との他愛ない会話でも何でも構わないので、一日に一回でも笑うようにすれば、結構、気分転換やストレス発散になります。これからの長い人生で、皆さんはきっと楽しいことばかりでなく、不愉快なことにも直面すると思います。そんなとき、声を出して笑えるような、何か気分を切り替えられるものをもっておくと、助けになるのではないでしょうか。

ソフトウェア工学研究室

人間の活動において本当に役立つシステムを考える

現代社会には、さまざまな情報システムが導入され、利用されています。しかし、それらは本当に世の中を便利にしているでしょうか? 本当に人の役に立っているのでしょうか? それらを多角的に分析し、本当に役に立つ情報システムの開発につなげることが、私たちの研究テーマです。 具体的には、人間の活動においてどのような情報システムが望まれているのか( 要求分析)、必要な機能を開発者にきちんと伝える方法( 仕様記述)は何か、などについて研究しています。 情報システムの開発は個人作業と思う人は多いでしょう。しかし、本当に必要なシステム、役に立つシステムを開発するために最も必要なのは、プログラミングの能力ではなく、コミュニケーション力なのです。

Photos

  • 高校2年生の頃から、はまっている趣味の自転車。目標を立て、それに向けて一人で黙々と走り、達成することが面白い。これまで北は北海道、南は西表島まで訪れて走った。写真は2013年8月に17年来の愛車で走った北海道の層雲峡。

  • 海外出張の際に愛用しているバッグ。南極大陸以外の大陸は、このバッグと一緒に旅した。軽いうえ、使い込んでいるので盗まれる心配も少ないところが良い。

  • 既存UMLツールを機能拡張して開発した業務分析ツール

SDGsの取組み

地域課題

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