
Zhang Shanjun
張 善俊 教授
Profile
出身地/中国湖北省
趣味/テニス、囲碁
子供の頃の夢/発明家
尊敬する人/小学校時代の数学の先生
愛読書/三国志
休日の過ごし方/テニス、テレビ
人間の視覚能力をさらにパワーアップさせた、“画像処理”という手段で世の中をさらに進化させます。
仮想現実の世界を表現する
私の担当科目は「画像情報処理」「視聴覚情報処理」「コンピュータグラフィックス」。どれも視覚情報がキーワードとなる学問です。“視覚”は人間の最大の情報源であって、この視覚能力をさらに引き伸ばし、応用した様々な分野への研究が手掛けられています。
「コンピュータグラフィックス」は、バーチャル空間に定義された、数学的に存在しないものをモデルとしてコンピュータの中で記述し、それをもとに“順光学”という物理学の原理に従い、仮想現実の世界を表現する学問です。高速でリアルな画像を生成する、様々な技術及び基礎理論を紹介することが、この講義の主な目的です。また、2次元の画像から3次元の実世界を認識するための情報を取り出すのは時間がかかり、なかなか正確にはいかないもの。「画像情報処理」では、“逆光学”的に画像を認識し、応用するための理論を教えています。また、いったい人間の脳はどうやって素早く視覚情報を処理しているのか、視覚情報と聴覚情報を互いに補いながら、どのように外部世界のイメージを作り出しているかを考えます。この複雑な過程にどんな原理が働いているかの模索は「視聴覚情報処理」の講義で紹介しています。
MRIも指紋認識も画像処理の技術の賜物
私の研究は、もとは医学画像に始まりました。医療現場で使われているMRIやX線CT、超音波、内視鏡などに使われている技術です。医用画像を利用すると非侵襲的に患部を観察でき、病気の早期発見に役立ちますが、画像のデータ量が増えれば見落としも出てくることから、画像を処理して自動的に疑うところを忠実に指摘できるパターン認識が重要になっています。
現在は、同じようなパターン認識の技術を用いて広く応用し始めている、顔や指紋認識を手掛けています。これは、画像で取り込んで本人の登録データと照合するのですが、この時に特徴的な部分を抽出することでデータ量を削減させます。この特徴を吸い上げるところに高度な技術が必要となります。また、公共の場に設置されている点字も、実は目の不自由な人の1割しか読めないという事実があり、当研究室では、点字を携帯電話のカメラで撮影し、それを声で知らせる試みに取り組んでいます。実用化はまだですが、かなりイイ線までいっています。さらに一方では、車にカメラをつけて画像処理を瞬時に行うことで、衝突を防ぐための研究も進めています。
このように、画像処理という研究は、可能性の広がりのある様々な分野に応用できる、夢を描ける取り組みだと思います。

視覚情報処理研究室
人間の目を超える視覚情報処理技術を開発
人間が手に入れる情報の約8割が視覚情報であると言われています。コンピュータをより効果的に利用するためには、この視覚情報をコンピュータで処理する手法を開発する必要があります。当研究室では、画像情報処理と視覚情報処理をキーワードとして、研究を行っています。 たとえば、医療で使用されるCTスキャナーの画像データを処理し、特定のパターンを識別することで、画像診断の自動化を実現できます。応用範囲は医療分野だけではありません。顔や指紋認識など、ますます重要になるセキュリティ分野をはじめとして、自動車の自動運転システムや、目の不自由な人のためのサポートシステムなど、さまざまな分野で画像処理やパターン認識は重要な役割を果たす技術です。
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