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2024.03.27
工学研究科機械工学領域の脇谷趣聞さんが「マザック高度生産システム優秀論文賞」を受賞
工学研究科機械工学領域の脇谷趣聞さんが、公益財団法人マザック財団より「マザック高度生産システム優秀論文賞」を受賞しました。
⾼度⽣産システムに係わる⼯作機械の機械要素技術や制御技術、⼯作機械による加⼯技術、被削材や⼯具などの材料技術、ロボットや搬送装置など周辺装置とその制御に係わる技術、また⽣産システムを構築運⽤するための⽣産技術や情報通信技術に取り組んでいる日本国内の若⼿技術者の優秀な論⽂を顕彰することにより、さらに研究開発をすすめていただくことで、世界の機械産業の健全な発展に寄与しようとするものです。
テーマおよび内容
【研究テーマ】
「Temperature Control Performance of a Built-In Motor Spindle by Developed Temperature Feedback Control System」
International Journal of Automation Technology, Vol.17, No. 5, pp.512-520, 2023.
【内容】
工作機械の加工精度を決定付けるスピンドルは、内部のモータや軸受などの発熱に起因する温度変化に伴って熱変形が生じ、加工精度が低下するという問題があります。そのため、加工中の発熱変化に起因する温度変化を抑制する必要があります。
このような問題に対し、本研究では、2種類の温度の流体を混合させることで、冷却流体の温度を高速かつ高精度に制御する手法を提案し、これに基づいたスピンドルの温度フィードバック制御システムの開発を行ったうえ、その温度制御性能について実験的に評価を行いました。実験評価によれば、本温度フィードバック制御システムを用いることで、高い温度制御精度と応答性を実現可能であり、実際の工作機械要素への適用も可能であることが明らかになるとともに、工作機械の温度変化に追従した温度制御が可能であるため、温度変化に起因する熱変位が引き起こす加工誤差の抑制にも期待できることが示されました。
受賞のコメント
このたび、公益財団法人マザック財団「マザック高度生産システム優秀論文賞」という栄えある賞を受賞したこと、大変嬉しく存じます。本論文を執筆するにあたり、多くの御指導を賜りました中尾陽一教授、楠山純平特別助教をはじめ、御協力頂いた石田凌大君および研究室の皆様に心から感謝申し上げます。
今回の受賞を糧に、今後もより一層、研究活動に励むとともに、工作機械技術の進展に寄与できるよう尽力していきたいと存じます。