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2026.08.10
人間科学部 笹川俊准教授らによる高齢者の立位バランス制御に関する論文が米国生理学会の専門学術誌に掲載されました
人間科学部の笹川俊准教授らが執筆した論文「Individual differences in postural control in older adults: two-dimensional structure of sway variability and multijoint dynamics」が米国生理学会が発行する神経生理学の専門学術誌「Journal of Neurophysiology」に掲載されました。
掲載URL:https://journals.physiology.org/doi/full/10.1152/jn.00078.2026

多くの先行研究で均質な集団として扱われてきた健常高齢者の立位バランス制御には、若齢者のそれとは質的に異なる多様性が存在することを明らかにしました。本研究では、立っているときの身体の揺れを「揺れの大きさ(グラグラ成分)」と「揺れの速さ(プルプル成分)」という2つの指標で捉えました。若齢者では、揺れが大きい人ほど揺れも速いという一定の関係がみられたのに対し、高齢者ではこの関係が弱まり、「揺れは小さいが速い人」「揺れは大きいが比較的ゆっくりな人」など、個人によって異なる特徴を示しました。さらに、これらの違いが、身体の揺れを調節する働きの強さや、足関節と股関節の協調的な働きの違いと関連していることを明らかにしました。
今回の研究成果は、高齢者の立位バランス制御を単に「揺れが大きい・小さい」という一つの尺度で評価するのではなく、複数の側面から捉えることの重要性を示すものです。こうした個人差を捉えることは、加齢に伴うバランス制御機能の変化や、その背景にある神経・筋機能を理解する手がかりになると考えられます。国立障害者リハビリテーションセンター研究所、東京大学、九州工業大学との共同研究によるものです。