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2025.03.13
神奈川大学ハイブリッドロケット、打ち上げ試験結果の詳細について
神奈川大学ハイブリッドロケット、打ち上げ結果の詳細について
マッハ1.5の日本記録を樹立し、高度10㎞に到達
機体回収にも成功、ロケット再使用技術の実証も。

ハイブリッドロケット到達高度の日本記録を有する神奈川大学工学部機械工学科 航空宇宙構造研究室(教授: 高野 敦)と宇宙ロケット部は、2024年12月14日(土)に福島県南相馬市にてハイブリッドロケットの飛行実験を行いました。機体は、最高速度マッハ1.5(ハイブリッドロケットの公表データ内日本記録)で約5分間飛行し、自らの持つ到達高度の日本記録10.1km(2021年)に迫る10.055kmを記録。太平洋の沖合約8㎞の想定範囲圏内に軟着水した機体の回収にも成功しました。
研究・開発・製作の全工程を自ら手掛ける同ロケットの飛行には、機体回収のための展開式GPS発信機、改良型分離機構および台所漂白剤で分解できることでリサイクルが可能となった炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の飛行実証、海洋再生プラスチックを着火剤として使用など社会実装を見据えた数々の実験も含まれましたが、いずれも成功。打上げを含む全ての飛行実験を成功裡に終えました。
ハイブリッドロケットには安全性、高性能、低コスト性、環境への負荷軽減など様々な利点があることから、本学航空宇宙構造研究室と宇宙ロケット部では「超小型衛星を軌道投入するための高度100kmの宇宙到達」を目標に掲げ、超小型ロケットの開発製作を2014年より行っています。担当教授の高野は、「SpaceXなどでロケットの回収・再利用が着目されていますが、高度10kmクラスの機体でほぼ全てを回収できた例は非常に珍しいと思います。機体回収はサンプルリターンにも有益です。
次回の打上げでは、機体規模を大きくし推進力も増して、保有する高度記録を更新したい。多くの学術的成果が得られた価値ある打上げを、ご支援くださった関係各社様とともに成功できたこと感謝すると同時に決して楽ではない研究・開発・打上げ作業を最後まで諦めずやり切った学生たちを誇りに思います」と述べました。
同ロケットは国内民間ロケットでインターステラテクノロジズ株式会社(MOMO)とスペースワン株式会社(カイロス)に次ぐ国内第3位の高度記録を有していますが、このたびの第4位記録と併せ、国内トップ5のうち3位と4位の2つの順位を保有しました(2025年2月現在)。
■協力会社・団体一覧(順不同)
公益財団法人JKA、(株)ナベショー、藤木企業(株)、(株)横浜国際平和会議場[パシフィコ横浜]
ツツミ産業(株)、三菱ケミカル(株)、日鉄ケミカル&マテリアル(株)、丸紅情報システムズ(株)、(株)須藤製作所
(株)フルハートジャパン、スーパーレジン工業(株)、堤工業(株)、(有)里中精機、(有)孝治工業(株)、小林運輸(株)
イッツ・コミュニケーションズ(株)、ガンダムオープンイノベーション (株)バンダイナムコ研究所、(株)ティーダイレクト、(株)成田製作所
福島県南相馬市、相馬双葉漁業協同組合、Astro Gate(株)、みなとロケット(株)
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