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2023.09.29
高校からの夢を形に 大学発ベンチャー「Well-Fed」
神奈川大学発ベンチャー第一号として、食と教育に特化し、研究による確かな技術力で唯一無二の価値を提供する株式会社Well-Fed(ウェルフェド)が誕生しました。起業という高校生からの夢を叶え、研究成果をもとに社会課題を解決すべく社会に飛び出した同社の代表取締役社長/CEO 佐々木啓斗さん(工学部経営工学科4年)に、今回お話しを伺いました。
起業発足の話やメンバー構成について教えてください。
佐々木さん:高校生の時からITベンチャーにインターンシップにしていたこともあり、昔から起業したいと考えていました。片桐先生とは1年生の時から交流があり、先生の研究の面白さ、可能性を感じていました。株式会社Well-Fedは、その工学部経営工学科の片桐研究室を母体にしたメンバー3人で立ち上げましたが、全員が起業に興味を持っていたこと、企業の方や栄養士の方と話をした際、我々の持っている技術にニーズがあることを知り、一気に動き出しました。大学発ベンチャー制度が発足したことも大きかったです。
構成メンバーは、佐々木啓斗(代表取締役社長/CEO)、片桐英樹先生 取締役副社長/COO)、太田和希(最高技術責任者)で、それぞれ役割りを持ちながら活動しています。会社設立にあたり、様々な申請手続きなど大変でしたが、大学の研究推進部の皆さんやインターンシップでお世話になった社会人の先輩の皆さんの支援もあり、ありがたかったです。
株式会社Well-Fedについて教えてください。
佐々木さん:“Well-Fed”とは、“栄養状態の良い”や“十分な食事を摂っている”という意味があります。我々は自動献立作成AIや食に特化した需要予測AIを通じて、栄養士の皆様を始め、保育・学校・企業・病院・介護まで給食業界全体をご支援することで、だれ一人取り残さず栄養状態が良い社会を創りたいと考えており、株式会社Well-Fedと名付けました。
栄養士の加重労働解消、スキルアップ支援実現に着目した理由とは?
佐々木さん:給食は私たちにとって、大変身近な存在ですが、それを裏で懸命に支えているのが栄養士です。我々は研究活動を通じて、栄養士の過重労働の現実、そして献立作成業務で困っている方が多いことを知り、我々のもつAI・最適化技術で支援できないかと考えました。また、昨今のAI技術の進歩は目覚ましく、栄養士に求められる役割やスキルも多様化することが予想されます。日本の給食が世界から高い評価を受ける中で、栄養士の皆様が更に活躍の場を広げるための技術支援ができればと考えています。
最後に、意気込みをお願いします。
佐々木さん:AI・数理最適化の力で、給食業界にイノベーションを起こし、食を通じて子どもから大人まで全ての人が笑顔になる社会を横浜から創り出したいです。
会社創設以来、食の展示会出展や新規営業活動と多忙な毎日を送る株式会社Well-Fedの皆さん。スタートアップ拡大の気運が高まる中、彼らに続き、大学の研究・技術を社会実装して、より良い社会の実現を目指す起業が誕生することを期待します。
(左)片桐 英樹先生
取締役副社長/COO 工学部経営工学学科教授
「日本で唯一、食と教育に特化した会社です。約10年に及ぶ献立最適化の研究による確かな技術に基づいて、給食業界を支える多くの方々と一緒に、食と教育の未来を変えていきたいと思います」
(中央)今回インタビューした佐々木 啓斗さん
代表取締役社長/CEO 工学部経営工学科4年
(右)太田 和希さん
最高技術責任者 工学研究科 経営工学領域 博士後期課程3年
「これまで携わってきた研究内容をもとに起業して、社会実装できることはワクワクします。コントラクトフードサービス業界に革新をもたらすため、努力を惜しまず日々取り組みます」