Ochiai Sae

落合 佐枝 特任准教授

所属
外国語学部
スペイン語学科
関連リンク
専門分野

スペイン語教育、スペイン語学

キーワード

Profile

出身地/東京
家族構成/夫
子供の頃の夢/同時通訳
尊敬する人/小学生の頃の家庭教師の先生
趣味/卓球
休日の過ごし方/孫の世話
好きなTV番組/海外サスペンスドラマ
好きな映画/社会派、ヒューマンドラマ
好きな食べ物/トマト
好きな国/スペイン、キューバ、コロンビア

スペイン語を学ぶことで、世界はもっと広がる。 授業を、自分の価値観を見直すきっかけに。

ネイティブと日本人、それぞれの視点を持ち寄る教材づくり

もともと語学を勉強するのは好きだったのですが、大学でスペイン語を選んだのは英語以外に話し手の多い言語を学ぼうという単純な理由からでした。実際に学び始めてみると、意外に英語に似ているところや違うところがあってとても興味深く、スペイン語学を専攻することにしました。ただ在学中に触れたのは教科書や文法書の中のスペイン語だけでした。卒業後一旦大学を離れ、縁あって大学の世界に戻ってきたとき、何人もの日本に住むスペイン語圏の人と知り合いました。
スペイン語はヨーロッパ、アメリカ、アフリカと使われている地域がとても広いため、各地で独自のバリエーションがあります。知り合った人たちが話していたのは大学で習ったスペイン語と少しずつ違うものでした。また彼らとやりとりする中で、ことばを使った行動のパターンが日本語の場合と違うこともわかり、誤解が生じたこともありました。言語学には文脈や場面を極力切り離して文の構造を明らかにしようとする立場の他に、誰が誰に対してどんな場面でどのようにメッセージを伝えるのかを探ろうとする立場があります。私がこちらの立場に興味を寄せるようになったのはこのような経緯からです。
今、最も時間を割いているのは、スペイン語教材の制作です。スペイン語ネイティブの教員と日本人の教員で数人のグループを作って一冊の教材を作ります。単語や文法事項の導入の仕方や教える順序など全てにおいて、ネイティブと日本人で違う考え方をしていることが珍しくありません。またグループでの働き方のプロセスも異なることがあり、学びの多い楽しい作業になっています。

言語は生きている。生活の中で使うイメージを

担当するのは言語文化概論と1、2年生のスペイン語の文法の授業です。文法はどうしても覚えることが多くなってしまうのですが、与えられた規則を丸暗記するだけでなく、自分で規則性を見つけたり全体の仕組みの中に規則を位置付けたりする時間を作れたらいいなと思います。また大学で語学を勉強するとなると、「教室の中だけ」となってしまいがちですが、言葉は本来、生活に密着しているものです。「スペイン語圏の人たちは、こんなふうに言葉を使って暮らしているのか」とイメージをしながら学んでもらいたいです。授業ではこう習ったのに、インタビューではどうしてこのような言い方をしているのか、スペイン語のこの歌詞はどういう意味か、など入り口はどんなことでもかまわないので、とにかくスペイン語に興味を持って、好きになってもらえたら、こんなにうれしいことはありません。
英語圏の人としか交流がないと、自分は世界に目を向けているつもりでも知らないうちに英語圏の人の目で物事を見ていることがあります。例えば、日本からの留学先が「ヒスパニックが多い地域だから、治安が心配だ」という人は、ヒスパニックの人たちを単なる社会の不安要因としてしか見ない一部の英語圏の人たちの考えをそのまま述べています。スペイン語を学び、スペイン語を話す人たちを知ることで私たちは自分と異なるものについて想像力を巡らす、より大きなチャンスを得ると思います。自分の考えが通じない、あるいは相手の考えが理解できないときに、それはどうしてなのか、どうすれば解決できるのかを考える能力を、複数の言語を学ぶことによって育ててほしいです。

大学は悩み多き時代。好きなものに出会ったら全力で追いかけて

私は、人生の中で一番楽しかったのも、一番辛かったのも大学時代でした。楽しかったのは、クラスも部活もとても仲が良く、友人に恵まれたからです。辛かったのは、周りが就職活動を始めた時に、一人大学院進学を決めたからです。少数派になり、「本当にこれでいいのかな?」「将来本当にやっていけるのかな?」と不安に駆られ、実際に引きこもり生活を送った時期もあります。しかし今となってみると、どれも自分を知る良い経験だったと思います。
ですから、「必ずこれをやっておいてください」ということは言えません。何でもかまわないので、自分が心から好きだと思えることや、大切にしたいと思える友人に出会えたら、それを一生懸命大事にしてください。それが未来の自分のためにできることだと思います。

落合佐枝ゼミナール

スペイン語語用論ー文の構造から文の使用へー

普段、私たちは特に意識することなく言葉をやりとりしながら社会生活を送っていますが、よく考えてみると、私たちは表面上に現れた言葉だけでなく、世の中の常識や相手と自分との共通知識、周りの状況など、使える情報を総動員しながら、相手の言葉の意味を判断し、それに反応しています。習慣や常識の異なる別の文化圏に属する人とのやりとりでは判断の基準が異なってくることもあります。このゼミでは、実際に使用されているスペイン語のテキストを読みながら意味の解釈を可能にするメカニズムを勉強したり、言葉の使用に関するミニ調査を行ったりして、スペイン語と日本語に関する理解を深めます。

Photos

  • 大学1年生の時に使っていたスペイン語の会話教材です。本当に個性的な先生ばかりで、マニアックでユニークな授業を楽しんでいました。文法や購読も好きでしたが、中でも印象に残っているのは、この教材を使って絵を見ながら発音を聞く授業です。今でも、いくつかの例文のイントネーションが口をついて出ることがあります

  • 卓球のマイラケットです。中学生から卓球を始め、今も週に3回ほど通っています。まずは知識を頭に入れて、それを体に覚えさせ、やがて自然と体が動くようになる……という流れは、語学と同じだと思います。何年経っても、本当に奥が深いスポーツです

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

Teacher's News

落合 佐枝先生の関連ニュース