Takahashi Jutaro

高橋 寿太郎 大学実務家教授

2023年度所属
建築学部
建築学科(都市生活学系)
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専門分野

建築企画、不動産デザイン、まちづくり

キーワード

Profile

出身地/大阪府大阪市
尊敬する人/安藤忠雄
趣味/育児
休日の過ごし方/息子と過ごす
好きな映画/90年代のアジア映画 

建築と不動産の“あいだ”に立ち 持続可能な建築・地域のあり方を探る

建築学科で不動産の視点「所有権」「お金」を学ぶ

私の研究は日本でも数少ない、建築と不動産の“あいだ”をフィールドとしています。そう言われてもピンとこない人が多いかもしれません。それは当然で、本来、建築と不動産は同じ分野であるはずが、業界や商習慣、学問体系の違いによって分けられているだけだからです。この違いによって、建築家には建物の「所有権(所有者)」や建築にまつわる「お金」の視点が抜け落ちてしまっています。建築産業全体を考えても所有者の存在は不可欠で、お金も家を建てるにあたって人と人のネットワークをつなげる血液のようなものであり、人の「思い」と同義の重要な要素なのです。そして、この視点を補うのが不動産の知識というわけです。他方、空間的に物事を配置しながら考える力や、デザイン的発想は建築家ならではのもの。建築と不動産のあいだを考えることは、建築家の思考力・発想力とお金や人と人のネットワークを含めた経営的な視点を併せ持つ「デザインマネジメント」の力を養うことでもあります。

この研究の目指す先にあるのは、持続可能性の実現です。例えば、日本の空き家問題。現状の建物の多くが企業や個人の短期的な利益のために建てられていることが原因のひとつにあります。課題は、いかに持続可能な建物の設計やまちづくりに取り組むか。そこで求められるのが、20年、30年先の私たちや地域社会にとって本当に必要なものは何かを考えられる、建築とお金、人と人のネットワークを含んだ俯瞰的な視点を持つ人材なのです。

私自身、大学で建築を学び、建築家として7年ほど設計事務所で働きました。その後、縁あって不動産会社に転職したのですが、そこで働く人々と建築家とのあいだに大きな意識の隔たりがあると気付いたのです。以来、創造系不動産株式会社を設立し、2つの業界がタッグを組むにはどうすればいいのかを考え続けてきました。大学では、この実践を研究活動につなげ、建築や地域の持続可能性について考えていきたいと思っています。

地域コミュニティの課題解決につながる学び

担当する「デザイン系不動産学基礎」、「建築不動産学特論」の授業では、私が執筆に参加した『建築学科のための不動産学基礎』というテキストを使用します。これまで建築学で触れられてこなかった不動産の売り買いの仕組み、ライフプランの立て方、シェアリングエコノミーなど経済学的な内容も学ぶことができます。

また、みなさんは「コミュニティマネジャー」という新しい職業を知っていますか? コミュニケーションを活性化させる専門家で、今、企業のオフィスや地域社会の中で求められています。こうした人材が地域のコミュニティを語るうえで欠かせないのが、建築や不動産の知識。「ローカル不動産学特論」では、建築やまちづくりを通した地域社会のあり方についてフィールドワークを通して学びます。所有権やお金といった不動産の観点からアプローチすることで、より高い質と量で地域の人々とコミュニケーションをとりながら空き家問題などの課題解決に取り組むことを目指しています。

各地域に出向くたびに実感するのが、建築と不動産のあいだに立つ人材がとても必要とされているということ。地域コミュニティに関心のある学生には、授業を通して、将来地域で活躍できる人材に育ってほしいと思っています。

[まち再生コース]不動産デザイン研究室

建築と不動産のあいだを追究し、社会課題をデザインで解決する。

建築学と不動産学の架け橋となるこの研究室は、これまでの建築デザインやまちづくりの領域に、不動産やマーケティング・ファイナンスの知識を導入するという、日本でも新しい取り組みを行います。 世界各国と比較すると、日本はこれまで新しい建物を大量に作ってきました。それは同時に、大量に建物を壊してきたとも言えます。そして壊しきれない空き家が余っているという、無駄の多い状態であることは否めません。そうした建てれば良い時代は終わり、いかに持続可能な建築やまちの在り方を考えるためには、自然と不動産という分野に真摯に向き合う必要があるのです。

Photos

  • 建築の世界に「建築と不動産のあいだ」という独自で新しい世界観を打ち立て、多く の建築家や一級建築士に影響を与えた書籍。商品やサービスが多様化し、選択肢に溢 れる「大比較検討時代」において、建築主が大切にする想いを、不動産コンサルタン トと建築家がきっちりバトンパスしていくためのフローを紹介しています。建築分野と 不動産分野のあいだには、大きな壁があることを論じ、そこに隠れている価値を掘り 起こす新しい視点を、事例と共に綿密に解説しています

  • メンバーが増えた「いすみラーニングセンター」。口コミでメンバーは増え、これまで使っていた古民家オフィスでは手狭になりました。地域の方の協力のもと、使われていない建物を新しい校舎にすることができました

  • スケルトンワークショップ。「いすみラーニングセンター」で取得した古民家の一部を、メンバー自ら解体し、分別、廃棄するワークショップを行いました。空き家の空間の変化を体験し、建材の循環可能性を学びました

  • 建築士のための経営戦略論集。現役で活動する建築士に向けた「初の経営学論」とし て、発売前から話題を集め、2020年1月の発売から1か月以上、Amazonカテゴリで不同の1位を獲得しました。 建築設計技術と、経営、マーケティング、人や組織、お金やファイナンス、理念といっ た経営要素を網羅的に論じています。また空き家問題や、地方でのまちづくりをはじめ、 建築の現代的な課題を独自の方法論で分析し、解決に向けた示唆を試みています

  • 著者:高橋寿太郎、野々垣賢人、佐竹雄太、藤谷幹、他8名。 建築系や住居系、都市計画系やまちづくり系等、広く建築学に向けた初の不動産学の教科書。建築のストック社会への移行を果たし、縮小社会の建築やまちづくりを実現 するためには、建築学と不動産学の部分的な融合が必要になります。本書は全編に渡り高 橋寿太郎が監修した共著。2021年度から全国の建築系学科での使用を想定しています

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