Nomura Kazunori

野村 和宣 大学実務家教授

2023年度所属
建築学部
建築学科(都市生活学系)
関連リンク
専門分野

建築保存活用計画

キーワード

Profile

出身地/東京都調布市
子供の頃の夢/建築家
尊敬する人/伊能忠敬
愛読書/時刻表2万キロ
趣味/日本全国の集落町並み探訪
休日の過ごし方/各地取材とYoutube chの動画編集
好きな音楽/矢沢永吉
好きなTV番組/水曜どうでしょう
好きな映画/八つ墓村・ホラー映画
好きな著名人/落合博満
好きな食べ物/たい焼き、崎陽軒のシウマイ弁当

その歴史的建造物の一番の理解者となり 価値を見つけ、次世代に伝える

歴史的建造物の価値継承を伴った再開発に携わった経験

教員を務める傍ら、株式会社三菱地所設計という組織設計事務所に所属し、建築士として働きながら東京・丸の内をはじめとする数々の歴史的建造物の価値継承を伴った再開発などに携わってきました。手がけたプロジェクトは、大正時代の「日本工業倶楽部会館」や「歌舞伎座(GINZA KABUKIZA)」、昭和初期の「東京中央郵便局(JPタワー)」など多数あります。例えば、「三菱一号館」という明治期の煉瓦造を復元したプロジェクトがあります。三菱一号館は明治期から始まったオフィス街・丸の内で最初に建てられた建物で、昭和43年に解体されていました。平成期の再開発の中で、当初の図面や解体時の実測図などに基づいて忠実に復元することで設計者ジョサイア・コンドルの設計思想や街の歴史を伝えるとともに、美術館として活用することで都市文化創出の拠点にするというプロジェクトでした。

長く生き続けてきた建物というのは、時間の経過の中で利用方法が変化したり、エアコンなど設備面で手が加えられたりしています。建築の価値継承を行う場合には、第一にその建物が建てられた当初の歴史を伝えるという趣旨で、当初から何が変わって何が変わっていないのかを見極める必要があります。一方で、当初だけに価値があるのではなく、積み重ねられてきた時間の中ででき上がった姿がよかったりもします。そうした愛着のようなものも含め多様な視点で価値の位置づけと所在を明らかにし、次世代にその価値を伝えるための回答を出さねばなりません。そのために、図面や文書などの史料調査、建物調査を丹念に行います。さらに、長く活用していくためには耐震性や火災安全性などの課題を明らかにし、時代の要求に応えた機能に高めていく必要があります。

この仕事の魅力は、設計者の思いや考えに触れられることです。例えば、三菱一号館の復元設計時のエピソードですが「なぜここだけ煉瓦壁がへこんでいるの?⇒あらかじめ扉開口にできるようになっていた」など、さまざまな史料を分析することで設計の意図が明らかになりました。当時の先進的な思想に触れることもあります。思いかけず過去の設計者の考えがスッと降りてくる瞬間があり、それが面白いのです。

歴史的建造物の保存活用においては、時代に合わせて建物の機能を更新しながら、潜在的な価値を見つけて次の世代に伝えていくことが重要です。その試行錯誤を重ねてきた経験と知見を、できるだけ実践を通じて学生に伝えていきたいと思っています。

その建物について徹底的に知ること

現在は、建築学部の「建築保存活用」に関する授業を担当しています。建物は一つひとつ異なるため、保存活用の方法を考える手順はありますが、型にはめることはできません。目の前の建築を知り尽くし、価値や課題を明らかにし、対応方法を幾通りも考えて、その建物にとって最適な回答を見つけるしかないのです。ですから、授業では実際の古い建物の価値を見つけ出し、課題解決の方法を形にしていくプロセスを実践したいと思っています。何を残すのか、何を付加するか、何を変化させるかを明らかにするには、史料や実測値などによる客観的な情報を集め整理することが必要ですが、建物を徹底的に見て自分自身がその建物の良さを感じることが何より重要になります。学生には、その建物について世の中で誰よりも知っている人間になって、設計者の立場で答えを出す経験をしてほしいと思います。

また、大学時代は自分の興味関心を見つけ出すトレーニングの時期です。この「見つける」行為を積み重ねることで、自分ならではの関心のフィールドが出来上がっていきます。さまざまな関心事を見つけ、自分の中で育てていく経験が社会に出てから役に立つでしょう。対象を広げることも大事ですが、ひとつのことを突き詰めるのもいいでしょう。学生時代はやりたいことを徹底的にやることができます。「継続は力なり」とは私が好きな言葉ですが、どんなに些細なことであっても、他人以上に続けることで他の人にはできない成果を得ることができます。そうして探究心や持続性を身につけていってください。

[まち再生コース]建築保存活用研究室

「継承設計」の取り組みにより、価値を受け継ぐ建築やまちづくりを行う。

従来ではスクラップ&ビルド(解体と新築)によって街の機能更新が行われてきましたが、これからの時代はストック(既存の建造物)をリノベーション(改修)やコンバージョン(用途転換)によって再生することが求められます。特に、歴史的建造物には、唯一無二(たったひとつ)の価値があります。 その価値を明らかにした上で継承しつつ、機能面ではこれからの時代に対応し生まれ変わらせることで、新築にはできない建築を生み出すことができます。そのような取り組みを「継承設計」と呼び、さまざまな価値継承の方法について研究しています。

Photos

  • 様々な視点からまちの魅力を発掘する(ドローンによる空撮など)

  • Youtube.ch「集落町並みWalker」で日本中の魅力的なまちを探訪し紹介

  • 幼少期に建築家を目指すきっかけとなったブロック模型(画像は近年制作したもの)

  • 価値継承と機能向上を図り最適解を求めるための検討フロー

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

Teacher's News

野村 和宣先生の関連ニュース

Recommend

他の先生もチェック!