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2025.10.08

「アパレルの循環」をテーマとした 実地研修 :パタゴニアリペアセンター訪問

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パタゴニア日本支社の協力により、経済学部山本雅資ゼミ(環境経済学)と経営学部道用大介ゼミ(デザイン経営学)が合同で「アパレルの循環」をテーマにした学びを展開しています。2025年6月13日(金)にみなとみらいキャンパスで実施したワークショップに続き、9月18日(木)には鎌倉市にあるパタゴニアリペアセンターを見学しました。

リペアセンターでは、縫製、圧着など工程や製品ごとに作業エリアが分かれ、店舗で受付けたものや直接お客様から同センターに依頼が届いたもののリペアを行っており、その数は年間約18,000点にのぼります。

リペアの依頼を受けた中には、破損の状況が深刻で機能が保てないと判断され、リペアができないものもあるようですが、現場には「この状態から本当に直せるのか」と思うほどのものもあり、リペアを担当する方が真剣な眼差しで製品と向かい合っている姿がありました。破損して綿が露出した状態になってしまっているダウンジャケットを修理しているリペア担当の方からは「表面の破損が大きい状態を見てお客様は怪我をしなかっただろうかと思いましたが、裏は無事なのでこのジャケットが守ってくれたのだなと。どうすれば機能を保ちながら修復できるかを考えています。」というお話も伺えました。捨てられてしまいそうなものも、リペアにより生まれ変われる可能性があること、そしてその製品には物語があり、リペアはそれらを紡いでいく大事な機能であるということを感じられる一面でした。

学生から「リペアの現場としてお客様にお伝えしたいことや醸成したい文化などがあれば教えてください」との質問が投げかけられた際は、「日々のお手入れや保管はとても大事です。破損が軽微な状態で修理ができたら機能を保てる可能性が広がります。」とのお答えがあり、学生からは「リペアセンターの皆様が知っているような、『長く着続けるために必要なこと』をお客様がわかる仕組みがあるとよいと思った。」など意見交換が自然と発生したことも印象的でした。

現場に入る前は黙々と作業されている状況を想像していましたが、和やかな雰囲気の中で、担当者同士がエリアを超えてコミュニケーションを取っている光景があり、その光景に驚いたことをお伝えすると、「社内はどこにいってもこのようにコミュニケーションが活発に行われている。『私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む』というわかりやすいミッションステートメントがあるから、同じ想いを持った社員が集まっているのでコミュニケーションは起きやすい環境ではあるかもしれない。」とのお答えがありました。

リペアセンターに送られてくるものは「手放す」という選択をされず、何かしらのお客様の想いが込められているように感じられました。まだ使えるモノはリペアをするという手段があることを意識することはもちろん大事ですが、身に着けるものに対する愛着、思い出を意識的に作っていくことも大切であるという気づきも得られました。

またパタゴニアがなぜ製造・販売のみならず回収・リペアまで行うのか、企業として目指す姿、地球に対する強い意志、そういったものを五感で感じられた貴重な機会となりました。

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