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2021.02.16

歴史民俗資料学研究科 伊良波 賢弥さんが創作した組踊作品「塩売」が国立劇場おきなわにて初上演されることになりました

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歴史民俗資料学研究科 伊良波 賢弥さんが創作した組踊作品「塩売」が、2021年3月27日に国立劇場おきなわにて初上演されることになりました。「塩売」は、2020年に国立劇場おきなわ「第1回新作組踊大賞・戯曲大賞」において大賞を受賞した作品です。コロナ禍で実施が不安視されたものの、予定通りの日程で大賞作品の舞台化が決まり、伊良波さんは原作者として演出家の方と相談しながら、台本を調整するなどして準備に関わっています。また、伊良波さんは「第30回琉歌大賞」(主催・琉歌大賞実行委員会)においても、奨励賞を受賞され、ますますの活躍が期待されます。

※組踊とは…300年の伝統を有する琉球・沖縄の総合芸術(古典劇)のこと。琉球音楽(三線音楽など)や琉球語でのセリフ、琉球舞踊を基礎とした所作で表現されます。

※琉歌とは…奄美群島・沖縄諸島・宮古諸島・八重山諸島に伝承される短詩形の歌謡。

上演に向けてのコメント

 学部生の時に民俗学のフィールドワークで訪れた沖縄県粟国島での正月行事(マースヤー)や、私の祖母からよく聞いていた八重山諸島の正月の話に着想を得て創作しました。私自身、琉球語の勉強も始めたばかりで、台本には不備や課題点も多いのですが、情熱的で経験豊富な出演者さんやスタッフさんのおかげで、島々の風薫るすてきな舞台になるのではないかと予想しています。この公演を通して、鑑賞くださる方々とともに弥勒世(平和な世)を招き、暖かな春の訪れを願いたいと思っています。
 

上演作品

新作組踊「塩売」
物語の舞台は18世紀後半の琉球。引きこもりの息子を勘当して島流しにした父親が、息子の流刑先である離島に大津波が襲ったという噂を聞き付け、息子を捜しに船に乗って離島に向かうという場面から始まります。創作当初から登場人物を最小限に抑え、シンプルな筋立てになっていると思います。また、本公演では、沖縄島の古典音楽の演奏家だけでなく、八重山民謡の演奏家の方にも出演していただけるので、古典的な組踊の公演では味わえない内容となっています(伊良波さん)。

 

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