Matsuura Satoko

松浦 智子 准教授

所属
外国語学部
中国語学科
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専門分野

中国通俗文芸、中国古典文学

キーワード

Profile

出身地/東京都
子供の頃の夢/宇宙に行く。江戸時代にタイムスリップ
尊敬する人/ガンジー
愛読書/梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』 北村薫『いとま申して―『童話』の人びと』
山中恒『ぼくがぼくであること』 中島敦『わが西遊記』
趣味/散歩、庭いじり、ラジオ、映画、読書
休日の過ごし方/犬猫と遊ぶ。庭いじり
好きな映画/『それでもボクはやっていない』『十二人の怒れる男』『スポットライト 世紀のス クープ』
好きな音楽/音楽全般なんでも好きです。ラジオをつけっぱなしにしていることが多いので、流れている曲をランダムに聴いています。
好きな食べ物/羊、魚、ハーブや香辛料が多めに入っている料理

国語力を磨いて思考力を身につけ、 他者を思いやる想像力と共感力をしっかりと養おう。

中国の通俗歴史小説が社会・文化に与えた影響力を読み解く

私の現在の研究テーマは「中国通俗文学」で、通俗歴史小説の成立過程に関わることを主に研究しています。「通俗文学」とは、わかりやすく言えばサブカルチャーのようなもの。日本でもよく知られている『三国志演義』や『水滸伝』は通俗歴史小説の王道とも言える作品で、中国には私たちが知らない民衆向けの作品がまだまだたくさんあります。民衆の娯楽としての歴史小説が、どのような過程で生成されてきたのかを、文学分野の視点だけでなく、歴史や美術史など他の領域の視点も取り込みつつ検証しています。そのなかから、娯楽というソフトパワーが中国の社会・文化に与えた影響力の大きさを読み解けないかと、四苦八苦しています。
実際の検証には紙の文献資料だけでなく、中国の山奥に残っている石碑といった文物資料も使うので、2~3年に1度は、農村地帯に行ってフィールドワークをしています。どこまでも続く大地や田舎の風景などを目の当たりにすると、その小説が誕生した風土などが肌で感じられ、とても刺激になります。そして、そこで得たたった一つの手がかりから、思いがけないつながりを見つけたり、どうしても腑に落ちなかったことが、パズルのピースがはまるように解けたりする、そんなことがあるので研究は面白くやめられません。

実物や実例に触れながら、興味の入口を開く

授業では、2年生を対象とした中国語の中文・長文の読解力を身につける「中国語演習Ⅱa(総合)A」、現代中国の新聞に使われている中国古典通俗文芸由来の言葉を学ぶ3年生対象の「中国学演習A」、中国古典文学の代表的な作品とその発展の流れを、時代と社会背景に沿って説明する「中国文学概説A」などを担当しています。
作品や時代背景を説明する際には、甲骨や竹簡、古代中国の金属製の器の鼎(かなえ)などのレプリカや映像をなるべく多く用いて、理解を深める工夫をしています。儒教の経典の一つでもある『易』は占いの本ですから、コインなどを使って実際に占いながら、易の解釈を自分たちで調べてもらうと非常に盛り上がります。話を聞いたり文字で読んだりするよりも、実際にモノに触れた方が印象に残りますし、何事も興味をもってもらうことが入口になりますので、いろいろな仕掛けを考えながら授業に取り組んでいます。

やらずに後悔するよりも失敗してもやったほうがいい

情報を得る時も、物事を考える時も、何をするにも国語力が源になります。学生でいられるうちに、まずはいろいろな本を読んでみてください。本は読み慣れていないと最初はとっつきにくいかもしれません。ですが、小説でもライトノベルでもよいのでいろいろ読む癖をつけてみてください。とても楽しい世界が待っています。本を読むと論理的な思考力が自然と身につき、物事に行き詰まった時にも自分の言葉で思考を整理することができます。自分の言葉で表現する力がつけば、それが生き抜く力にもつながります。
また、思考力を身につけることは、他者への想像力や共感力を養うことでもあります。想像力と共感力は自分を取り巻く環境、自分とは異なる社会・文化に生きる人々を理解する上でも非常に大事なものなので、しっかりと養ってみてください。
そして、何にでも興味をもって、できる限りいろいろなことを見聞きし、体験して学んでみてください。私自身の体験で大きかった出来事は、学生時代の北京への留学です。そこで体験したことは今でも鮮烈に覚えていますし、研究の原動力となっています。あの時期に得た人間関係は今でも続いており、私の大事な支えの一つとなっています。アルバイトでも留学でも旅行でもなんでもいいので、さまざまなことに対する感度を上げて、いろんな体験をしてみてください。
実体験を通して得た知識や情報は、どんな時代が来ても、死なない限り誰からも奪われることのないものです。やらないで後悔するより、失敗してもやったほうがずっといい、と私は思っています。臆さずアクションを起こし、よりよく生き抜くために、貪欲に学びとってください。

Photos

  • 翻訳を手がけた中国の歴史通俗小説「楊家将演義」(勉誠出版)。日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、中国では子どもからお年寄りまで幅広く知られているお話です

  • 中国の影絵芝居の「皮影戯(ピーインシー)」に使われる、牛革でできた人形。これは「三国志」の芝居に登場するものです

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