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2023.05.09

理学部 木下佳樹教授が「国際規格開発賞」を受賞

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2023年2月28日、理学部 情報科学科の木下佳樹教授(現情報学部計算機科学科)が、一般社団法人情報処理学会 情報規格調査会の国際規格開発賞を受賞しました。昨年11月に国際標準化機構(ISO)から発行された国際標準ISO/IEC/IEEE 15026-2:2022 Systems and software engineering -- Systems and software assurance -- Part 2: Assurance case (システムおよびソフトウェアエンジニアリング-システムおよびソフトウェアアシュアランス-パート2:アシュアランスケース)のproject editorとしての貢献が、情報規格調査会活動に大きく寄与したとして授賞されました。

テーマおよび内容

行政システムやエネルギーシステム、交通システムなどの社会の基盤システムは、人々が多様な立場から関係する複雑なものです。システムに期待される機能を明確にするだけでも簡単ではありませんが、機能を正しく提供してトラブルを起こさないことを前もって確かめるのはもっと困難です。本規格は、システムが期待する機能を持つことを論証する文書(アシュアランスケース)に記すべき事柄とその文書構造を規定する規格です。

受賞のコメント

本標準の発行は、2021年のISO/IEC/IEEE 15026-4:2021 Systems and software engineering -- Systems and software assurance -- Part 4: Assurance in the life cycleの発行に続くものです。
私たちの日常生活を支える基盤システムが「ちゃんと」動いていることの根拠は意外に薄弱なものです。誤動作しないことを数学的に証明するシステム検証技術も急速に進んでいますが、システム全体の振舞いにはソフトウェアやハードウェアだけでなく、その周辺環境が全て関係するため、問題は複雑です。
「ちゃんと」動くようにシステムを作るだけでなく、確かに「ちゃんと」していることを説明する文書がアシュアランスケースです。アシュアランスケースは、数学の形式的証明と役割が似ており、本規格も形式的証明の構造を反映させながらつくられています。数理論理学の基盤の上に立って、興味深く研究を進めています。

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