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2025.06.26

パタゴニア日本支社と連携し、「アパレルの循環」をテーマにしたワークショップを実施

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2025年6月13日(金)、パタゴニア日本支社との連携による「アパレルの循環」をテーマにしたワークショップを、経済学部山本雅資ゼミ(環境経済学)と経営学部道用大介ゼミ(デザイン経営学)との合同で実施しました。

 

アパレル業界における環境問題は深刻であり、日本国内で年間約51万トンのアパレル製品が廃棄されているといわれています。その中で「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」というミッションで事業を行うパタゴニア社が展開する循環型の取組みを知り、環境問題に資する取組みをビジネスとして成立させ、持続可能な形とするにはどうすればよいかをよりリアルに考えることを目的とするものです。

 

当日は両ゼミの学生合計30名がみなとみらいキャンパス1F「ラボ」に集まり、パタゴニア日本支社の篠様、佐藤様からのお話に耳を傾けました。同社が目指すこと、大切にしていることについてお話いただくとともに、修理、買取、再販、リサイクルの循環型サービス事業「WORN WEAR」についてお話いただきました。

「WORN WEAR」は、「着古してボロボロになった洋服」を表す言葉であり、同社は「新品よりもずっといい」という言葉とともに、同事業を推し進めています。多くのアパレル企業でリサイクルの取組みは行われていますが、パタゴニアにおいてはリサイクルは最終手段であり、それよりも前にまずは必要のない消費を極力減らし、手に入れたものは壊れたらすぐに捨てるのではなく修理や再利用する、それらができない状態になった時にはじめてリサイクルする、という考えで取り組みを行っています。これにより衣類の寿命を延ばしCo2の排出、そして水の使用のフットプリントなどを抑制することを狙いとしています。

学生からは、「古着を買う場合に懸念することは衛生面だと思う。そういった面での工夫はあるか?」「Pre-Loved Gear(愛されたことのあるモノ)という考えが素晴らしいと思う。新品よりも、使われたストーリーがあるものに自分も価値を感じる。それを世の中に伝えるために具体的にどんな工夫をしているか」などの質問があがり、「衛生面を無理してまで中古品を手にとってほしいというわけではない。どうしても寿命はある。しかし、まだ使える、使いたいと思うその価値観を醸成していくための工夫を沢山行っている。」「中古品を対面で回収できるときは、その服に込められたストーリーを紙に書いてもらいストーリータグとして商品に付して販売している。次の購入者にストーリー受け継いでいくバトンのイメージだ。」など一つひとつ丁寧にお答えいただきました。

  

ワークショップの中では、経済学部山本雅資ゼミの学生が「どうすれば衣服を回収のスキームに載せることができるのか」というテーマで事前に検討した内容を発表しました。回収に協力した人へのインセンティブ案や、その回収に協力した場合でしか受け取ることができない限定グッズの案などをスライドで説明し、篠様、佐藤様からのフィードバックをいただきました。

その後は「着なくなった衣服を手放すことを促進するためのアイデア」「そのアクションを一般化/習慣化していくためのアイデア」「古着を買うという選択をもっと広げていくためのアイデア」という3つのテーマについて、チームに分かれてディスカッションを行いました。

異なる2学部合同の取組みであるため、様々な視点から意見が飛び交い、篠様、佐藤様そして山本教授、道用教授も加わり積極的な意見交換が行われました。

 

学生からは、「利益追求と社会貢献を両立することの難しさと大事さを改めて感じた。」「衣服そのものの価値というよりは、人の感情を揺さぶる価値をいかにつけられるかが大事だと感じた。」「モノを譲る人のニーズにはお金だけではなく、大切にしてくれる人に譲りたいという想いがあるということがとても印象的だった。」などの声があがり、環境課題に向けた取組みをリードする立場の方と近い距離で会話を行えたことによる学びの深さが伺えました。9月には同社リペア施設を訪問し、「WORN WEAR」の取組みをよりリアルに体感する予定です。

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