2024.11.28

神奈川県警察本部交通総務課の佐藤和子警部による講演会が開催されました。

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警察官実務特修Ⅰでは、神奈川県警察本部交通部交通総務課の佐藤和子警部から、安全で円滑な交通社会の確立を目指す交通警察についての講演がありました。
国や地方公共団体は、交通安全対策基本法にもとづいて、公共安全のための施策を行なっていますが、その究極の目標は、交通事故をゼロにすることにあります。この目標に向けて、3つのE、すなわち、交通工学(Engineering)、法の執行(Enforcement)、交通安全教育(Education)を柱に交通安全対策が推進されています。また、講演では、交通死亡事故の現場で体験した警察官の手記も披露していただきました。

受講生はメモをとりながら真剣に聴講しており、中には次のような感想を寄せる者がいました。
「昭和45年の交通戦争を経て、医療の発展に助けられながらも令和4年には交通死亡者数が113人(昭和45年803人)に減少した背景には、内閣総理大臣をトップとした交通安全対策にかかわる大きな組織の存在と、地方まで行き届いた各地域の特性に応じた安全対策によって死者が減少したことを知った。また、最近では、AIを利用した交通事故分析も利用し、より精度を高めて交通安全対策を行っていると学んだ。しかし、それでも死者数がゼロになることはない。どんなに交通警察が切符を切っても、どんなに対策や意識啓発活動を行っても、AIや自動運転の技術が発展しても『結局は、人なんだ』という話を聴いて、地域の交通安全を守るのは警察でもあり、一番は我々なのかも知れないと学んだ。」
「警察官が事故の多い道路付近で隠れて切符を切る汚いやり方をするというイメージを持っていたが、警察官がいるから交通標識を守るのではなく、交通事故防止のために交通標識を守らせるためであり、将来の安全、幸せのために行っていること。違反者は違反金を払ったという経験を経て、それが嫌だから注意して運転しようという意識でも交通安全対策につながるのだろうと考えた。」
「今回の講義(警察官の手記)で改めて交通事故の悲惨さを痛感した。現在は車社会の中で、一人一人が自覚を持ち常に危機感を持って運転することを心掛けることで、少しでも事故が減らせるのではないかと考えた。」
「交通事故は、自分にとってどこか他人事と思っていたが気を引き締め直すことができた。自分がつらい以上に大切な家族が一生苦しみ続けると考えると、絶対に交通ルールを軽視してはいけないと感じた。車を運転する人も歩行者も自転車も、皆「事故に遭うかもしれない」という気持ちで外を歩き、運転する必要があると感じた。」