2024.03.29

【中国語学科】特徴ある授業

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授業レポート

中国社会特講

[授業で紹介された章夢奇監督『自画像:47KMのおとぎ話』 ©︎Zhang Mengqi]
[授業で紹介された章夢奇監督『自画像:47KMのおとぎ話』 ©︎Zhang Mengqi]

神田幸(中国語学科4年・2022年現在)

「中国語学科ではどんな授業をしているの?」そんな疑問に答える先輩たちの授業レポート

中国インディペンデント・ドキュメンタリーを中心とする映像作品を通して、中国の表現の自由に対する現状や現代中国の社会構造を学ぶことのできる「中国社会特講」は私にとって忘れられない授業です。

社会主義国の中国では、かつてプロパガンダの手段として、ドキュメンタリーが利用されてきました。その経緯もあり、中国の表現の自由は検閲によってかなり制限されています。しかしその中でも、作り手がそれぞれ試行錯誤しながら、表現方法を工夫したり、時には国外上映を前提にしたりして映像作品が制作されています。そのような作品を注意深く読み解くことで、これまで知らなかった中国に出会うことができます。

最終課題として求められるのは、中国に関するドキュメンタリー企画を考案し、グループで発表することです。私のグループでは、企画の魅力をより伝えるために、ドキュメンタリーのサンプル動画を制作しました。横浜中華街で実際に中国人の店員にインタビューし、動画編集をするのは大変でしたが、グループ全員で協力し、言葉にはならない複雑な心境を映像で表現できた時の達成感は今でも忘れられません。この授業をきっかけに以前から興味のあったマスコミ就職への目標も明確にすることができました。

このように、ドキュメンタリーを通して、中国の新しい一面を発見したい、映像制作などマスメ

総合講座・中国と世界

福山佳恵(中国語学科3年・2022年現在)

中国語学科においては中国に関する様々な専門分野を学ぶことができますが、その中で私が最も興味を引かれた講義は中国映画や美術、ジェンダーについて学ぶ「総合講座・中国と世界」です。

私はこの講義を受けるまで中国映画を見たことがなく、美術にもあまり興味がありませんでしたが、実際に映画プロデューサーさんのお話を聞きながら、映画の舞台や時代によって当時の人々の生活レベルや環境を知ることができて、現代の中国になるまでどんな時代背景を歩んできたのか深く理解したいと感じるようになりました。
また、美術に関しても作者の経歴や経験によって作品込められた意味を考えるなど、先生からその時期に開催される美術展の紹介してもらえるので中国の現代美術に触れることができます。

「総合講座・中国と世界」は、中国とアジアの映画を素材に中国の民族問題、華僑、そして日中関係など様々なテーマについて焦点を当てています。もちろん、中国語学科にはその他にも魅力ある授業がたくさんありますので、皆さんもぜひ自分の興味のある分野の講義に出会ってください。

中国歴史特講

久保文乃(中国語学科3年・2022年現在)

中国語学科では、中国を深く理解するために中国の言語・文化・歴史・社会・政治経済に関する専門的知識を深く掘り下げるという講義があります。これらの講義を受講することで、中国に関わる現代的課題を考える思考力を培えます。その中の一つの講義が、この中国歴史特講にあたります。

この講義では、中国の国営テレビであるCCTV(中国中央電視台)の中のドキュメンタリー番組を取り扱います。前期の講義では『大国外交』という番組を、後期の講義では『創新中国』という番組を事前に視聴します。毎回の講義では、学生が二人一組となって番組の内容、番組を掘り下げる情報や視聴した感想などを中心にパワーポイントにまとめて発表をします。その後、先生の方から補足をして頂きます。「現在」というものを、歴史として捉えて講義は進んでいきます。

私はこの講義を受講する以前は、中国のドキュメンタリー番組を全く視聴したことがなかったため、受講することで中国を様々な視点で知ることができました。また人の前で発表する機会も、これまでなかなか無かったので、発表する際はとても緊張しましたが、先生にパワーポイントや発表にアドバイスを頂くことで、足りない点を補うということが出来、現在、プレゼンテーションをする際の自信となりました。

 

中国語演習Ⅰ(基礎)

[スピーチコンテストで入賞]
[スピーチコンテストで入賞]

川野佑華(中国語学科1年・2019年現在)

大学生活が始まり不安もある中での授業でしたが、中国語科目は基礎中の基礎からスタートするため、焦ることなく授業に参加できました。
特にこの授業では、文法や語彙、応用力を身につけることができます。予習・復習を重視しており、自分の力で一度解いて、授業で解説を聞き、間違いを分析することができます。日々の個人の学習次第でより中国語力を高めることができます。
また、1クラス20人前後と少人数のため、分からないことは先生やクラスメイトに気軽に聞けるのも魅力的に感じました。

 

中国語演習Ⅱ(作文)

叶宝欣(中国語学科3年・2019年現在)

この授業は、中国語圏にルーツを持ち、かつ中国語をある程度理解し、運用できる学生を対象としています。クラスでは、主に中国語圏の社会常識や社会の情報を把握することと、日本語と中国語双方のコミュニケーションを取ることを重視しています。授業では、新聞記事や文学作品などにおける文章を翻訳し、その文章から、中国と日本にまつわる話題についてディスカッションを行ったりもします。言語運用能力を高めるだけでなく、中国の歴史や社会背景を知ることができる授業です。

 

中国学フィールド演習

鈴木 栄伸(中国語学科3年・2017年現在)

今日、日本人の学生は消極的だという言葉をよく耳にします。授業に取り組む姿勢も先生の話をただ受動的に聞くだけで、理解したつもりになっている学生も少なくないと感じます。この授業では、学生自らが興味の持った事柄について調べ、自分の意見や感想をまとめ、それを他の受講者の前でPower Pointなどを使い発表するという授業体系を採っています。また実際に工場を見学に訪れ、施設内の方の話を聞き、作業工程をリアルタイムで見ることによって教室内だけでは味わうことのできない現場の様子を感じることができました。この一連の過程を通して、自分の理解した内容を確かめるだけではなく、他者に自分の意思を伝えるスキルや何事もアクティブに挑戦する姿勢、多角的に物事を判断する大切さを学ぶことができます。

 

中国学演習(松浦智子ゼミ)

[台湾の中興大学中文系との交流会、2017年8月22日]
[台湾の中興大学中文系との交流会、2017年8月22日]

福原みりさ(中国語学科3年、2017年現在)

中語学科では3年次になると、言語、文学、歴史や社会文化などを専門にした教員の下でゼミが行われます。現在、私は松浦先生の中国学演習(ゼミ)で現代中国の新聞記事を通して中国の古典文学・文化を学んでいます。毎回授業で先生から配られる中国語で書かれた記事を次の授業までに日本語に翻訳し、その記事に用いられる古典文学や文化について調べて発表します。

現代の新聞記事を日本語に訳すことは、今まで中国語の授業で学んできた文章読解力が試されます。なかなかどのように中国語の記事を日本語に訳せばいいか悩むときもありますが、先生が丁寧に分かりやすく指導してくれます。また、中国の古典文学と現代中国記事との間にある関係性を知ることができる点に、私はとても興味をひかれています。本が好きな人も、そうでもない人もとても楽しめる授業だと思います。

夏の合宿では台湾に行き、中興大学の学生さんと交流をする機会を得ました。授業で中国語の文法やリスニングを学ぶことはあっても、ネイティブの人たちとコミュニケーションをとることはあまりなかったので、とても刺激的な経験となりました。初めて台湾人の友達ができたのも良い思い出です。その友達とは日本語や中国語を交えながら今でも連絡をとっていて、自分の中国語の勉強にもつなげることができています。このように、台湾での合宿からは多くのものを得ることができました。