スペイン語を通して世界を見つめ、コミュニケーション能力を駆使してグローバルに活躍する人材を育成。

「スペイン語」はヨーロッパ・南北アメリカ大陸を中心に世界に広がる言語

スペイン語は、スペインやラテンアメリカをはじめとする21の国と地域の公用語で、世界で約5億人とされる話者人口は、今後さらに増加していくとみられています。

本学科では、スペイン語学習をベースに、スペインとラテンアメリカの社会や文化を学ぶほか、スペイン語圏を取り巻く世界についても深く学び、グローバル社会を理解するための多角的な視点を養います。

また、これを支える英語のスキルも磨いていきます。

スペイン語学科からのメッセージ

スペイン語を母語とする話者の人口は4億8千万人にも上ります。これは中国語に次いで世界で2番目に多い話者数です。母語話者以外でスペイン語を話す人も含めれば、その数は5億人をはるかに超え、その重要性は多くのスペイン語話者を抱える米国でも高まっています。日本には11万人近くが暮らしており、各地にスペイン語話者のコミュニティーがあります。これからの時代、スペイン語のもつポテンシャルは計り知れません。
また、広大なスペイン語圏にはさまざまな国があり、異なる歴史、文化、自然環境、またそれに基づく多様な価値観を持った人々が暮らしています。スペイン語学科では、スペイン語だけでなく、こうした人々が生きる社会や文化の意義、スペイン語圏の国々を取り巻く世界の動きについても学んでいきます。スペイン語を媒介に世界を見ることで、ものの見方や価値は1つではないことを実感し、固定観念にとらわれない考え方を身につけましょう。
スペイン語やスペイン語圏の諸事情に精通し、多文化共生に貢献できる人材を育てること――それがスペイン語学科のモットーです。

4年間の学び

スペイン語をツールに、多彩な世界の扉を開く。

世界でも多様性に満ちたスペイン語圏の文化や言語を学ぶことは、様々な価値観に触れながら、多角的なものの見方を身につけることにつながります。国際的にラテンアメリカの影響力が大きくなりつつある今、ラテンアメリカ諸国の抱える諸問題、人々の価値観を深く理解した上で日本とスペイン語圏の国々を舞台に活躍できる人材は、これからますます必要とされていくでしょう。きっかけは、「なんとなくスペイン語に興味がある」だけでも充分。言語そのものの奥深さから世界の多様な考え方まで、スペイン語を学ぶことで、可能性は無限に広がっていきます。

1年次:初めて接するスペイン語をわかりやすく

文法の初歩からスタート。会話はネイティブ・スピーカーの教員が担当し、少人数クラスできめ細かい授業を行います。

2年次:学びを広げる

スペイン語を身につける必修科目と、スペイン語圏の文化・歴史・社会を深く学ぶ選択必修科目をバランスよく修得。

スペイン語圏留学プログラム(希望者)

4か月間のスペイン留学。アリカンテ大学またはサンティアゴ・デ・コンポステーラ大学で規定のプログラムに参加し、学科で定めた成績を収めると、最大20単位が取得できます。

3年次

言語文化コース:「実践的な運用力」を磨く

スペイン語の運用能力を鍛えながら、スペイン語によって結びついた文化・社会の多様性について学び、ビジネス社会で活躍できるコミュニケーション力を身につけます。

地域文化コース:「スペイン語圏」への理解を深める

スペイン語圏とそれに隣接する国々の政治経済・文化・地域情勢を深く理解することで、多種多様な価値観に柔軟に向き合える力を身につけます。

4年次:スペイン語と英語を駆使して世界へ

スペイン語と英語のコミュニケーション力を鍛錬しつつ、グローバルな活躍の場を見据え、4年間の学びを締めくくります。

  • 特徴ある授業

    スペイン語と専門分野を学ぶバラエティー豊かな科目群
    スペイン語は会話・文法・講読を段階的に学習。また、スペインやラテンアメリカの文化・歴史・社会についても専門的に学べる科目群が充実しています。

  • アクティビティ

    スペイン語を活かして取り組むさまざまな課外活動
    スピーチコンテストやスペイン語劇、スペイン語圏文化のイベントなど、実践的な学びの場がたくさんあります。

留学プログラム

活躍する卒業生

八角 香さん

八角 香さん

2016年3月卒業 在ウルグアイ日本国大使館専門調査員(2023年現在)

【スペイン語との出会い】
小中学生時代、パティシエになる夢を抱き、独学でフランス語を学んでいました。その後、国連勤務を夢見てフランス語と英語の習得を目指すようになり、フランス語を本格的に学ぶべく大学受験に挑みましたが、結果はフランス語学科志望で受験した大学は全落ち、一方スペイン語学科のある大学は全て合格。「これはスペイン語を勉強しろと誰かに言われている」と思い、スペイン語学科に進学したのが、私のスペイン語との出会いです。
しかしながら、在学中はフランス語が諦めきれず、第3言語としてフランス語を学び続け、大学の交換留学で1年間フランスに滞在しました。当時、ジャン・ムーラン・リヨン第三大学のラテンアメリカ研究の授業で扱われたエルサルバドルのギャング集団「MARAS(マラス)」に関心を持ったことをきっかけに、彼らの誕生した背景等を調べて卒業論文を執筆しました。

【卒業後】
大学卒業後は、大学院に進学し、在学中には日墨戦略的グローバル・パートナーシップ研修計画を利用してメキシコに1年間留学しました。メキシコでは、ボランティア活動を通じてメキシコのストリートユースに関する研究を深め、修士論文を執筆しました。大学院卒業後は、在外公館専門調査員試験に合格し、経済・日本企業支援・中米統合機構(SICA)担当として、在エルサルバドル日本国大使館で2年間勤務。現在は、同じく専門調査員として在ウルグアイ日本国大使館に勤務しており、政務・経済担当として、日々奮闘しています。

【すべての学生たちへ】
学生時代は将来自分が何者になるのか、何者になりたいのか分からないままに毎日を進めていかなければならない人も多いかと思います。そんな中、今この一瞬の「学生である自分」は二度と戻ってこないため時間を無駄にすることはできません。今の自分の知見と価値観で学ぶ機会は今以外に無いのです。そのため、少しでも興味関心のあることがあれば、可能な限り挑戦してみてください。好奇心を押し殺さずに前に進み続けてください。努力した分だけ、経験を積んだ分だけ可能性は広がり、それを繰り返すうちにきっと自分が何者になりたいのかが見えてくるはずです。また、今すでに夢や目標があるにもかかわらず、成績や経済的な理由等で自分の目指すものを口に出せずに諦めようとしていたら、それは一度考え直してみてください。諦めるのはまだ早いです。どんなに時間がかかっても、薄らでもいいので自分の目指す道への想いを絶やさずにいれば、もしかすると社会人になってから、ふとチャンスが訪れるかもしれません。一方で、勉強だけに一生懸命になるのではなく、アルバイトやボランティア等に精力的に取り組み、遊ぶときは全力で遊んでください。どんなことも「自分」を構築する糧となり、あらゆる活動を通して得た経験が自分の将来に繋がります。無駄なことは一つもなく、すべてがリンクしているのです。何事も前向きに捉えて様々なことにチャレンジし続けてください。

永田 滉さん

永田 滉さん

2017年3月卒業 大学院に進学

【大学時代に頑張ったこと】
大学時代はとにかく勉強と部活の両立に力をいれました。もともと関心があったのはトルコ語でしたが、「スペイン語もできたらかっこいいな」というのがきっかけでスペイン語学科に入学しました。大学では、いつも1番前の席に座って授業を受けていました。あくまで個人的な意見ですが、最前列は周りの目(特に後ろの人)を気にせず質問ができる、というメリットがあります。分からないことがあれば、まず自分で調べて、それでも難しければ先生に聞く。先生とのコミュニケーションは非常に大切です。距離を感じたら、距離を縮める努力をすることが大事かなと思います。
スペイン語学科はアットホームでウェルカムな雰囲気があり、他学科の人たちとも仲良くしていました。とても積極的な子が多く、ちょっと勉強でつまづいてもお互いに励まし合っていたので、次第にスペイン語力もコミュニケーション能力も向上しました。学内外のスピーチコンテストにも参加しました。2年次には学年を超えて優勝できたことを、今でも誇りに思っています。当時スペイン語圏への渡航歴がなかった自分でも、伝えようとする努力をすれば結果は自分のものになると実感した瞬間でした。
部活動については、15歳からボクシングをやっていたので、早々にボクシング部に入部しました。週に6回の練習で、最初はついていくだけで大変でした。ただ、「なぜついていけないのだろう」と考え、空き時間などに自主練を取りいれました。3年生のときには、全日本選手権に出場し、準優勝という結果を残せました。自分の努力の成果もあったかもしれませんが、つらいとき、大変なときに支えてくださった監督、先輩後輩、家族、友人の存在が何より大きかったです。

【大学院に進学】
神奈川大学を卒業後、ご縁があり東京外国語大学の大学院でスペイン語とジェンダーに関する研究をしました。これには特別な理由があります。皆さんは「LGBT」などの言葉を聞いたことがあるでしょうか。私は女として生まれ、現在も戸籍上は「女性」ですが、ずっと自分を「男性」だと思って、「男性」として生活しています。それで、自分と同じように、生まれた時の性別と認識している性別が一致していない、自分がどちらの性別として生活しているかわからない人たちが、男性/女性で名詞を分類するスペイン語をどのように使うのかということに興味を持ったのです。
例えば、スペイン語で「私は先生です」と言うとき、「私」が男性であれば、「先生」という単語を男性形(profesor)にしなければいけません。反対に女性の場合は女性形(profesora)にする、というルールがあります。ただ、このルールは性別に悩みを抱える人たちにとって不便ではないのだろうか?この議論はスペインを発端に始まったものなので、スペインに行き何名かにインタビューをし、問題の分析を行いました。当事者だからこそできた研究であり、当事者意識は大切だなと思いました。
言語の研究は、医学の研究などと比較すると一見なんの役に立つのか、と思うかもしれません。しかし、言語は社会や個人のアイデンティティにつながるもので、重要な役割を果たします。自分の研究が卒業後も人の役に立っていると聞き、人生における苦労や大学時代の勉強は決して無駄ではないと思いました。

【新入生へのメッセージ】
大学生時代に頑張ったことは、卒業後の生活にとても役立っています。遊びも、勉強も、それ以外の活動も、すべてが「学び」を得るための最高の機会ですから、大事にしてください。そして、私が充実した大学生生活を送れたのは、家族、先生方、職員の方、友人、部活動関係者、住んでいた寮でお世話してくださった方々のおかげです。この感謝の気持ちを忘れないことで、今も充実した日々を送れています。自分から行動すること、そして感謝の気持ちを忘れないことが、大学生生活の成功のカギだと思います。頑張ってください!

石橋 佳門さん

石橋 佳門さん

2021年3月卒業 白光株式会社

【大学時代の学び】
私の大学生活は、「挑戦」という言葉につきると思います。大学2年生のとき、メキシコへ長期留学しました。中学、高校と短期留学の経験はありましたが、長期留学は初めての挑戦でした。また、スペインへ留学する人が多い中で、私はあえてメキシコへ留学しました。私が選択した留学先は新しい協定校だったので、準備や現地での生活など、何をするにも手探りで、まさに挑戦そのものでした。現地での勉強は、スペイン語以外にも、将来に役立ちそうかにかかわらず、興味をもったことには何でも挑戦しました。留学の締めくくりには、1人旅に挑戦しました。エアチケットとホステルだけ確保して、遺跡など行きたい場所への行き方は現地の人に聞いて、旅行会社と価格交渉して、英語は使わないという自分のルールを決めてスペイン語のツアーに参加して… とにかく挑戦できることは全部やりました。

【卒業後の仕事】
現在、製造業の知的財産管理(特許権とか商標権とか)という仕事をしています。法律という新しい分野への挑戦です。仕事で使う言語は日本語と英語が中心で、ここでも技術英語という新しい分野を開拓中です。生まれてから大学までずっと東京に住んでいましたが、現在は大阪で一人暮らしをしています。いわば大阪留学です。大学で培った新しい環境や新しい分野に挑戦する力が、いま活かされていると思います。留学して鍛えたスペイン語は仕事ではあまり使いませんが、国際交流などのイベントに参加して活用しながら、その勉強は継続しています。

【在校生・受験生へのメッセージ】
私は高校生の頃からスペイン語を学んでいましたが、スペイン語学科のほとんどの学生が大学からスペイン語をはじめた人ばかりです。初心者でスタートした人も、留学に挑戦して色んな経験を積んでいます。何事もやってみなければ、好きか嫌いか、得意か不得意かなんて分かりません。やらずに後悔するよりやって後悔した方が自分の経験として次に活かせると、私は信じています。大学は好きなこと、少しでも興味を持ったことなど、色んな事に挑戦できる場所・期間だと思います。

竹内 桃子さん

竹内 桃子さん

2015年3月卒業 株式会社ドコモgacco

【大学時代の学び】
スペイン語学科に4年間在籍して学んだことは「自分の頭で考える」ということです。所属していた片岡先生のゼミでは、スペイン語と日本語の構造の違いや共通項を探ることをしていました。今、振り返ってみると、意識しないと見落としてしまうような細かいところにも気づくことが出来たり、疑問を持つこと、そしてそれについて考える力が鍛えられる時間だったと思います。
また大学2年次の夏季休暇中には、サラマンカ大学に約1ヶ月の短期留学をしました。スペイン語を学んでいたものの、それまで一度も日本を出たことはありませんでした。しかし、スペインに滞在することを通して、自分の中の世界=日本であった所から、身を持って自分の認識する世界が広がったことを実感しました。

【卒業後の学びや仕事】
卒業後は、働きつつもスペイン語を改めて学びたいという思いから社会人向けの語学学校で勉強し、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学の短期留学コースで学びました。現在はMOOC(大規模公開オンライン講座)プラットフォームを運営している会社で講義動画のチェックやお客様の対応等の業務に携わっています。オンラインサービスのため、学ばれている皆さんの姿は実際には見えませんが、様々な年代の方が意欲的に学ばれている姿勢に刺激を受けています。学ぶことは自分の世界を広げ、日々の生活を豊かにしてくれるものなのだと改めて感じています。

【在校生・受験生へのメッセージ】
これからの人生の中で自分は何を選んだら良いのか、どちらの方向へ向かえば良いのか、悩むこともあるかもしれません。だからこそ、純粋に興味をもったことや自分が役に立てそうなことなど、何でもひとまずやってみる、疑問を持ったらとことん考えてみる、といった風に経験を積んでいくと良いと思います。その結果がどのようなものであっても、経験することそのものが人生の糧となり、その中で自分の人生の指針のようなものがはっきりしていくのではないかと感じています。

教員紹介・ゼミナール&卒業論文

経験豊富で個性あふれる教員たちと学ぶ

スペイン語学科の教員紹介、
研究室紹介はこちら

スペイン語学科の特徴

Feature 1

学科独自の留学制度が充実

学科独自の留学制度には、2年次後期に行われる4カ月集中コースと夏休みや春休みを利用して行う1カ月短期コースの2種類があります。どちらも学科科目の卒業要件単位に算入できるので、選択肢が広がります。

Feature 2

スペインとラテンアメリカを学ぶ

スペイン語圏の文化・歴史・地域事情などを幅広く考察します。学科独自の科目やゼミナールのほか、スペイン語劇上演やスピーチコンテストなどの体験的な学びもあり、存分に知識・教養を深められます。

Feature 3

入門からスタートする安心のカリキュラム

新入生のほぼ全員がスペイン語に初めて接するため、1年次の授業は文法の初歩からスタート。会話についてはネイティブ・スピーカーの教員が担当し、少人数制のきめ細かな授業を行います。

Feature 4

英語にも精通したトライリンガルをめざす

世界の共通語である英語の学修にも力を入れ、スペイン語と英語を駆使できる人材を育成していきます。少人数クラス制や習熟度別クラス制で効果的な語学力向上をはかります。

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目標と関心で深める2つのコース

言語文化コース
スペイン語を多角的な視点から学び、社会で通用する実践的運用能力を磨くためのコース。会話、文学講読、時事文講読、通訳・翻訳などの多彩な授業を通じて、これからの時代に求められる実力と教養を備えたスペイン語のプロフェッショナルを育成します。
地域文化コース
スペイン語圏の地域事情に通じたスペシャリストをめざす人のためのコース。政治・経済、歴史、文学、地域文化や国際関係などを学問と実践の両面から学び、多文化共生に貢献できるグローバルな視野と柔軟な思考力を養います。

取得可能な資格・免許状

所定の科目の単位を修得することで卒業と同時に(または実務経験を経て)資格などが得られる
  • 社会教育主事・社会教育士 ※
  • 学芸員
  • 日本語教員
在学中の学修により資格試験に向けた準備ができるなど学科との結びつきが強い資格
  • スペイン語技能検定
  • DELEスペイン語検定
  • 全国通訳案内士(スペイン語・英語)
  • 旅行業務取扱管理者
  • SIELE(スペイン語国際評価サービス)
  • 本学社会教育課程の修了者は「社会教育士(養成課程)」と称することができます。

実力を高める学び

2つのコースで、より専門的な学びを
3年次から2つのコースに分かれて学習します。まず、言語文化コース。このコースでは、スペイン語圏の文学や各種資料をスペイン語で読んで読解力を高める科目と、実践的なスペイン語の会話力が身につく科目が開講されます。そして、地域文化コース。このコースでは、現代の国際社会をより専門的に学ぶ科目や、スペイン語圏の社会や文化をバランスよく学ぶ科目が開講されます。また共通科目として、スペインやラテンアメリカの地域言語の現状や特徴を学ぶ「スペイン語圏地域諸言語概論」も。スペイン語圏の社会について深く学べる、新しい取り組みです。