コラム

2019.10.31
日本を知るにつれて、モンゴル文化をもっと知りたくなりました
歴史民俗資料学研究科後期課程のホ ビトさんは、中国の内モンゴル自治区の出身です。日本を知るにつれて、逆に自国の文化をもっと知りたくなったといいます。言語的にも宗教観的にも、日本とモンゴルには共通項があるそうです。
日本に来て、モンゴルから見た日本のイメージは払拭されました
私は、中国の内モンゴル自治区ホルチン地域出身の留学生です。古文書の研究が進んでいること、宗教民俗学の専門家がいることに魅力を感じて神奈川大学に留学してきました。初めは、中国の大学で日本語を学んでいました。当時は日本に対しては戦争のイメージしかなかったのですが、日本の良さを教えてくれる人もいて、実際のところはどうなのかと自分の目で確かめたくなり、日本にやってきたのです。
日本に来て、以前抱いていたイメージは完全に覆されました。そして、モンゴル人と日本人は言語的にも似ていて、どちらも先祖信仰が強くあり、考え方や解釈が共通していることも分かりました。日本を知ることで、逆にモンゴル文化に興味を持ち、もっとモンゴルのことを学んでみようを考えるようになったのです。
自由で、多くのチャンスが用意されているのが魅力
今、私は内モンゴルの「祭祀儀礼(さいしぎれい)」について研究しています。中でも、モンゴル人の拝火信仰について深く掘り下げています。文献を読み解くだけでなく、半年くらいかけて現地調査も行います。担当の佐野賢治先生は、モンゴルや中国の宗教学に対して造詣が深く、研究発表の度に鋭い助言をくださるのがとてもありがたいです。
歴史民俗資料学研究科での学びは、個人がしたい研究を自由にさせてくれること、そして学会、研究会に参加する機会が多いことが大きな魅力です。私は国際寮に住んでいるのですが、気がつくと寮にいる時間より研究室にいる時間のほうがずっと多いですね。将来的には、研究職に就きたいと思っています。中国よりずっと自由に研究できる環境なので、日本で学べることにとても感謝しています。ゆくゆくは自分の仕事で国際交流に貢献できれば、うれしいですね。

ホ ビト さん
※掲載内容は、取材当時のものです
※歴史民俗資料学研究科(大学院)の学生に神奈川大学での歴史学や民俗学の学びについてお話を伺いました