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2021.10.05

【続報】高度10.1km 日本新記録達成!! ハイブリッドロケット打ち上げ成功の軌跡 

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工学部航空宇宙構造研究室(高野敦教授)と宇宙ロケット部は、9月19日(日)午前6時、秋田県能代市で行われたハイブリッドロケット飛翔実験において打ち上げに成功、高度約10.1km(速報値:10698.55m※)に到達し日本新記録を更新しました。

大型台風14号の影響で実験の決行についてはギリギリまで難航し、同日午前4時の時点で打ち上げがようやく決まりました。打ち上げには、地元の漁師さんほか多くの方々のご協力をいただき、無事成功することができました。しかし、機体回収には至らず、今後は位置情報の信号が途絶えた原因について究明を進めていくということです。

低コストで安全なハイブリッドロケットは、実用化に向けて国内外で研究が進んでいます。本学、航空宇宙構造研究室、宇宙ロケット部は、次年度には高度30kmへの到達をめざしています。

 

なお、今回の飛翔実験では、2021年8月の記録的な豪雨で被災した佐賀県及び広島県安芸高田市の復興支援を目的に、佐賀県観光PRキャラクター「壺侍」と安芸高田市公式マスコットキャラクター「たかたん」をハイブリッドロケットに搭載し、両自治体が取り組んでいる義援金受付のプロモーション支援を行いました。当日は、両自治体のSNS等でもご紹介いただき、日本一を祝福してくださいました。

 

 

※速報値:気候等の諸条件を簡易的に補正。確定値は詳細に確認を要する。

コメント

工学部 高野 敦 教授
工学部 高野 敦 教授

■工学部 教授 高野 敦

高度データは飛翔中に無線で得られており、速報値として10.1km到達と従来の国内ハイブリッドロケットの記録は更新できたことは分かりました。

しかし機体の分離・パラシュート展開・GPS位置情報の送信及び機体の回収に失敗したため、来年度に向けて原因究明と対策が必要となるなど、手放しでは喜べない結果となりました。

一方でコロナ禍における実験ということで、地元能代市をはじめ多くの方の協力を得て打ち上げることができました。ありがとうございます。さらに「壷侍」および「たかたん」の搭乗に協力してくださった佐賀県観光連盟及び安芸高田市にも感謝いたします。また打ち上げに携わった学生はじめ、自分たちで機体を打ち上げられなかった2019年度及び2020年度の学生の努力をたたえたいと思います。

宇宙ロケット部 広報担当

川口舞子(工学部機械工学科4年)
宇宙ロケット部 広報担当 川口舞子(工学部機械工学科4年)

■宇宙ロケット部 広報担当 川口舞子(工学部機械工学科4年)

2019年と2020年は終わりの見えない改良と燃焼試験の繰り返しに焦りを感じていました。特に2019年は機体の大部分を作っていながら打ち上げ試験が行えず、卒研生の悔しそうな顔を覚えています。
今回の打ち上げ試験では、至る所に卒業生の面影を感じる部分があり、共に打ち上げに臨んだ気持ちでいました。
高度記録を更新できたことは卒業していった先輩方の無念を晴らせたような気持ちで非常に嬉しい反面、残った課題については、後輩達に想いと共に託したいと思います。

成功への軌跡

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