データを見極め、課題解決や政策提言の力を

社会が複雑化し、かつ、将来の予想が困難な現代においては様々な客観的なデータをもとに課題を抽出し解決していくことが、求められています。単なる数字を意味あるデータとして解釈するためには、経済史、経済制度、経済の論理、プログラミングなどの知識を網羅的に学ばなければなりません。
本学科では経済学とデータ分析の両方を体系的に学ぶことにより、データを駆使して国や自治体の政策に生かしたり、ビジネスを成功へと導いていく力を養います。

経済データ分析学科の4つの特徴

Feature 1

データから
有用な価値を引き出す

現代ではさまざまな客観的なデータをもとに課題を抽出し解決していくことが求められています。ビジネス・政策における課題発見・解決、政策提言に必要な力を身につけます。

Feature 2

時代の変化に対応した
スキルを修得

データ分析力、論理的思考力、問題解決力、課題発見力、グローバル視点など、変化の激しい現代においても活躍できるスキルを身につけていきます。

Feature 3

少人数制教育で
学びを深める

入学定員80人をさらに細分化し、基礎理論や分析実践の授業は15~25人程度の反転授業を実施します。また、ディスカッションやアクティブラーニングで学びを深めます。

Feature 4

英語と日本語を学び
国際的感性を磨く

経済専修英語などで国際的感性を磨くほか、日本語によるリーディング、ライティングにも目を向け、ビジネス・政策立案には欠かせない正確な読解力や文章表現力、伝達力を身につけます。

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政策分析コース

国・自治体のデータを分析し、政策へ

経済学の考え方とデータを踏まえ、経済の現状に合った政策を社会に提案できる力を身につけます。
公務員志望者向きです。

教員からの授業紹介

データ分析入門

―データ分析の基本的なアイデアを学ぶ―

浦沢 聡士教授

経済データ分析学科では、国や自治体のデータ、金融・経済データなどを分析し、政策やビジネスに活かすといったことを学びますが、その第一歩として、データ分析入門では、「データ分析で何ができるのか」、「データ分析はどう役に立つのか」など、そもそもの疑問に応えていくことから始めます。

その上で、データ分析を行っていく上で必要となる基礎知識、ツールの扱いなど、学部生として学んでいくことになる分野の全体像を、いわばメニューのように概観します。「なぜ確率論が必要なのか」、「なぜ統計学が重要なのか」など、そうした分野を学ぶ意味を理解した上で、コンピュータ・リテラシーや確率・統計、計量経済学、多変量解析など専門科目におけるより高度な学びへと繋げていきます。

データ分析の持つ力を理解し、その力を実践していくためには、単にデータの取り扱いに長けているだけでは十分とは言えません。どこでその分析力を活かすのかといった得意分野が必要となります。もし、経済分野でデータを活かそうと思うのであれば、データ分析の手法とともに、データから意味や知見を取り出すため、人々の行動や経済社会のあり方に関する知識、経済の理論や制度を学ぶ必要がありますが、経済データ分析学科は、まさに、データ分析と経済に関する専門知識を車の両輪として学ぶ場となっています。

高校生へのメッセージ

経済分野では、様々な視点からデータ分析が行なわれていますが、そこでは、経済学という伝統的な学問とデータという新しい素材を掛け合わせることでデータに価値を与え、社会に活かすことが試みられています。何をするかは、まさに、データ分析を行う者の腕の見せ所となっています。言い換えれば、皆さん次第ということであり、もし、皆さんがデータ分析に興味を持つのであれば、皆さんのフレッシュな視点を大いにいかすことができる分野と考えています。

浦沢ゼミでの学び

「横浜見える化研究―官民データを用いた地域活動の可視化―」をスタート

浦沢ゼミでは、神奈川大学と横浜市との包括連携協定に基づく取り組みの一環として、横浜市と連携し、「横浜見える化研究―官民データを用いた地域活動の可視化―」を始めました。この取り組みでは、官民が保有する様々なデータを用い、横浜市の経済社会活動の見える化を進めます。得られた成果は広く一般に紹介するためコラム形式で発信し、ゼミとしての実践学習だけでなく、横浜市におけるデータ活用の推進に貢献しています。こうした活動が評価され、デジタル庁の「オープンデータ100」にも選定されました。

データを通して地域社会を見るといった目を養うことは、横浜に限らず、日本全国のそれぞれの地域で活かすことができる力となります。

(以下は、コラムでの発信事例)

  • 将来推計人口データで見る少子化への取り組み
  • 住民税控除額や受入額データで見るふるさと納税の影響
  • 世帯年収データで見る所得分布の変化
  • 乗車人員データで見る平成から令和にかけての駅利用客の変化
  • 観光客数データで見るコロナ以降の観光エリアの回復状況
データに踊らされない
堅実な分析スキルを獲得する

計量経済学

中西 勇人准教授

政策分析コース指定 B群科目

計量経済学は、経済データを経済モデルを通して分析することで政策や事業の評価を行う経済学の一分野です。このように聞くと、自分には非常に縁遠いもののように感じてしまうかもしれませんが、計量経済学は皆さんの日々の意思決定にも役立つ、考え方のツールボックスを提供します。

たとえば、「英語ができる学生は偏差値が高いので、国語や数学ではなく英語の勉強時間を増やすことが難関大学合格の近道だ」という主張を皆さんは信じますか?もしも、この主張が間違いなのに、それを信じて国語や数学の勉強を減らして英語の勉強時間を増やせば、大きな損失を負うことになるでしょう。

「英語ができる学生は偏差値が高い」という主張は受験生ごとの英語の成績と全教科の偏差値が分かれば真偽を確かめられます。しかし、「英語ができる学生は偏差値が高い」としても、この情報だけから「国語や数学ではなく英語の勉強時間を増やすことが難関大学合格の近道だ」とは言えません。たとえば、お金持ちの家庭ほど幼少時から英会話を習うことができるでしょう。ゆえに、英語ができると偏差値が高いという関係は、両親の能力が高く高収入だと子どもも学力が高いという関係を反映しているだけかもしれません。これは英語の受験勉強の時間と関係ありません。

受験において英語の勉強時間を増やすのが有利だと信じるには、控えめに言っても「1日の勉強時間が同じ受験生同士でも英語に割く時間の割合が大きい受験生は、そうでない受験生とくらべて偏差値が高い」のかを明らかにするべきでしょう。 このためには、偏差値や成績のデータだけでなく、受験生の教科ごとの勉強時間のデータが必要だと分かります。 このように、データから本当に言えることは何なのか、自分の言いたいことを説明するためにはどんなデータが必要なのか、丁寧に考えるための方法を「計量経済学」では学びます。

高校生へのメッセージ

計量経済学には、数学の力も必要ですが、それ以上に、他人だけでなく自分の主張も客観的に分析する科学者のような姿勢が重要です。みなさんがこれから社会で直面する問題には、答えなど設定されていないのですから、この姿勢を身につけることは、皆さんが思う以上に人生を豊かにしてくれるでしょう。

B群科目一覧

「B群科目」は、各コースに固有の専門的内容を学ぶ科目です。学科・専攻の基本となる「A群科目」に続いて、コースを選択した学生が優先的に履修することが推奨されます。

1年次 前学期 経済情報処理基礎、情報システム社会論
1年次 後学期 経済情報処理、現代日本経済論
2年次 前学期 経済数学(動学分析)、経済データ分析基礎、経済データ分析A~C、多変量解析基礎、財政学(政府支出)
2年次 後学期 経済統計、計量経済学、多変量解析応用、経済政策、金融論、財政学(政府収入)、経済ゼミナールⅠ
3・4年次 前学期 租税論Ⅰ、社会保障論(年金・労働)、地方財政論Ⅰ、環境経済学、都市政策、公共経済学、政策分析実践A・B、経済ゼミナールⅡa(*3年次のみ履修可)、経済ゼミナールⅢa(*4年次のみ履修可)
3・4年次 後学期 租税論Ⅱ、社会保障論(医療・福祉)、地方財政論Ⅱ、資源経済学、都市経済学、政策分析実践C・D、経済ゼミナールⅡb(*3年次のみ履修可)、経済ゼミナールⅢb(*4年次のみ履修可)

※2026年度以降入学者用

市場分析コース

経済データから社会を分析し、ビジネスへ

金融機関の融資判断から企業分析、市場調査まで、データを活用する力を磨いていきます。

教員からの授業紹介

不確実な世界を、
「経済理論+数理+データ」で読み解く

ファイナンス

舟橋 秀治教授

株価、金利、為替、企業の業績など、私たちが直面する経済現象の多くは不確実性を伴っています。そのような状況の中で、投資家はどの資産をどのように組み合わせるべきか、金融機関は保有資産のリスクをいかに管理すべきか、企業はどのプロジェクトを採択し投資すべきかを考えます。これらの問いは、全てファイナンスが扱うテーマです。

これらの問いの本質は、不確実な未来のもとで、どのように合理的な意思決定を行うかを考えることにあります。

本授業では、ファイナンス理論の基礎となる貨幣の時間価値、リスクとリターン、ポートフォリオ理論(投資の理論)、資本資産価格モデル(CAPM)、企業価値評価、デリバティブの価格付けなどを体系的に学びます。数式や経済理論の学習は避けて通れませんが、抽象的な議論に終始するのではなく、具体的な事例や実際の金融データを用いながら、「なぜその考え方が必要なのか」「現実ではどのように使われているのか」を丁寧に解説します。

また、本授業では、金融機関や企業財務の現場で用いられている理論や分析手法を紹介し、ファイナンス理論がどのように活かされているのかを実感できるよう構成されています。分析ツールを用いて計算やデータ分析を行うことで、理論が「単なる知識」にとどまらず、実際の実務において役立つ「実践的なツール」であることを体験してもらいます。さらに、履修者が株式や債券といった金融資産を組み合わせ、リスクとリターンを意識しながら自らの資産を運用できるようになることも、本授業の重要な到達目標の一つです。

高校生へのメッセージ

ファイナンスを学ぶことは、金融の専門家になるためだけではありません。情報があふれる現代社会の中で、経済理論・数学・データを活用し、未知の困難に挑戦しながら、自分の頭で考え判断し、問題を解決する能力を身につけることが、この科目のテーマです。

舟橋ゼミでの学び

学生チームが「2023年ブルームバーグESG投資コンテスト」レポート賞を受賞

近年世界の経済界で重視されているのは、企業の長期的成長に欠かせないESGの3つの視点です(環境:Environment、社会:Social、ガバナンス:Governance)。これは企業経営や投資判断の「持続可能性」を測る基準として注目されている非常に重要な指標です。

Bloomberg L. P.社が主催するESG投資コンテストは、参加者が企業のESGへの取り組みをもとに投資銘柄を選定し、仮想運用するシミュレーションコンテストです。2023年は24の大学・大学院から 47チーム約300名余が競い合いました。本学の学生チームは、今後世界で予想される水資源の不足が、企業財務へ与える潜在的な影響に注目し、水リスクを考慮したESG投資を提案しました(タイトル「水リスク分析に基づくESG投資戦略」)。審査では、情報が限られる中、水リスクの重要性に着目し、ESGスコアだけではなく、企業の各種データも生かして選別基準を確立した独自性が評価されました。

データを料理するための
スキルを磨こう

多変量解析

兵頭 昌教授

市場分析コース指定 B群科目

会計システムからわかる商品の販売履歴や、交通系ICカードを通じて自動で記録される利用者数などのように、インターネットの発達とともに「多様で大量の変化を伴うデータ」が蓄積されるようになりました。このようなデータは、ビッグデータと呼ばれ、volume(量)、velocity(速度)、variety(多様性)という3つの特徴(3V)を持っております。

「volume(量)」は、データそのものの量も意味し、データの規模が膨大であることを意味します。「velocity(速度)」は、データが更新される頻度、変化の速さを意味します。「variety(多様性)」は、データの種類の多様性を意味します。つまり、データは数値だけでなく、音声、動画、テキストなども含まれます。

ビッグデータを可視化したり簡単な解釈を与えたりする際に、多変量解析という統計ツールがよく利用されます。多変量解析とは、その名前が示す通り膨大な変数からなるデータを統計的に解析する手法の総称です。「多変量解析」では、多様で大量のデータを分析する際に必要となる手法について学修し、統計ソフトを使って実行する方法を修得することを目的とします。

高校生へのメッセージ

最近は、科学的なデータ分析によるエビデンス(証拠)に基づく意思決定が、さまざまな分野で求められています。講義を通して、「データから正確な情報を得る力」と「情報をもとに考える力」を磨きましょう。

B群科目一覧

「B群科目」は、各コースに固有の専門的内容を学ぶ科目です。学科・専攻の基本となる「A群科目」に続いて、コースを選択した学生が優先的に履修することが推奨されます。

1年次 前学期 経済情報処理基礎、情報システム社会論、基礎簿記
1年次 後学期 経済情報処理、現代日本経済論、基礎会計、会計情報の利用
2年次 前学期 経済数学(動学分析)、経済データ分析基礎、経済データ分析A~C、多変量解析基礎、国際経済学(貿易)、財務分析
2年次 後学期 経済統計、計量経済学、多変量解析応用、金融論、国際経済学(国際金融)、経済ゼミナールⅠ
3・4年次 前学期 証券市場論Ⅰ、国際金融論Ⅰ、金融機関論Ⅰ、実証会計論、ファイナンス、市場分析実践A・B、経済ゼミナールⅡa(*3年次のみ履修可)経済ゼミナールⅢa(*4年次のみ履修可)
3・4年次 後学期 証券市場論Ⅱ、国際金融論Ⅱ、金融機関論Ⅱ、市場分析実践C・D、経済ゼミナールⅡb(*3年次のみ履修可)経済ゼミナールⅢb(*4年次のみ履修可)

※2026年度以降入学者用