お知らせ

2024.04.22

笹川ゼミの卒論をベースに執筆された論文を科学誌のFrontiers in Aging Neuroscienceに掲載

  • LINEでシェア
  • Xでポスト
  • Facebookでシェア

人間科学部の松本安生教授のプロジェクトで、竹山団地(横浜市緑区)にて高齢者の心と身体のバランスに関する現地調査を行いました。この調査をもとに笹川ゼミの卒業生(2023年卒:荒川あいさん、古山愛海さん)の二人が卒業論文を作成しましたが、笹川准教授と松本教授によってブラッシュアップする形で論文が作成され、科学誌のFrontiers in Aging Neuroscienceに掲載されました。なお今回の実験の舞台である竹山団地は男子サッカー部が寮として居住しており、竹山団地プロジェクトとしての活動も盛んです。

研究内容概要

60歳から80歳代の高齢者、約40人を対象に、静的バランスが加齢によってどのように変化するかを調査しました。直立した状態で前後方向と左右方向でのバランスの違いに着目して参加者は裸足で、目を開けた状態、閉じた状態で、30秒間静止して体の重心の変化を測定しました。

実験結果から、前後方向では加齢しても調整が効くことがわかりましたが、左右方向では年齢とともにバランスが崩れる傾向がわかりました。

左右方向のバランス喪失は前後方向のバランスにくらべ、転倒に直結しやすく、バランス能力の微妙な変化が高齢者の転倒リスク増大につながる可能性があります。そのため、高齢者の転倒を防ぐためには、特に老年期における左右方向の揺れの増加に対する生理的メカニズムの解明が必要とされています。

この研究は、高齢者のバランス能力と転倒予防に関する理解を深めるための重要な研究テーマであり、今後のトレーニングプログラムの開発に貢献する可能性があります。

参考

竹山団地プロジェクトとは?
神奈川県住宅供給公社との連携・協定の締結(2020年4月)に伴い、持続可能な開発目標「SDGs」達成のために、本学サッカー部の学生と神奈川県住宅供給公社が所有する竹山団地にサッカー部寮として入居し、学生が共同生活をしながら学生の健全育成並びに団地や施設、周辺地域の活性化、地域コミュニティーの課題解決に向けた取り組みを地域社会や自治会と共同して推進しております。

関連リンク