お知らせ

2022.12.19

建築家 伊東豊雄さんによる建築学部創設記念講演会が行われました

  • LINEでシェア
  • Xでポスト
  • Facebookでシェア

講演会タイトル『建築って何だろう』

 工学部建築学科が2022年4月より建築学部へと学部改編されました。この学部創設を記念して、12月10日に建築家の伊東豊雄さんをお招きして記念講演を本学セレストホールでコロナ感染対策を行い開催しました。オンライン配信されたこともあり、建築を専攻している他大学の学生や建築に興味を持つ高校生、建築に携わる社会人など多くの方が参加しました。

 講演会に先立ち、小熊誠学長から神奈川大学の改革、建築学部についての紹介があり、建築家の伊東豊雄さんが登壇されました。講演会のタイトルは『建築って何だろう』。建物(building)はいつから建築(architecture)になったのか?との投げかけから講演が始まり、竪穴式住居などの自然と一体化した建物の紹介や伊東豊雄さんが育った長野県諏訪の原風景などのお話を交えながら、「建築とはなにか」についてお話が進みました。建物は、その中に人間が秩序を生み出した時に建築になったと言われており、建物に幾何学による秩序が生まれて住居が発生し、農耕が始まり、資本主義、都市が生まれ、最近は都市では高層化が進み、自然から離れることで均質化が進んでいると指摘されました。人間まで均質化することは問題であり「これからの建築の最大の課題は、失われた自然との親密な関係をいかに回復できるのかにあるのではないか」と指摘されました。一方で、近代化のなかで自然との関係をもとに戻すことはできないことから、「建築の内部に自然を蘇らせることを考え始めた」とのことでした。

 このような考えを具体化した建築として、木の柱のような“チューブ”を設けた「せんだいメディアテーク」、木の下で本を読んでいるような空間をつくった「多摩美術大学図書館(八王子)」や「台湾大学社会学部棟」、人と人が柔らかにつながる空間「みんなの家」「みんなの森 ぎふメディアコスモス」、「台中国家歌劇院」「南洋理工大学ビジネススクール」を写真と映像を交えながら紹介されました。人が建築をつくる理由を「身を護る」「快適さを保証する」「人と人を結ぶ」「心の安らぎを得る」「人に生きる力を与える」と示されました。

 最後に建築学部長の内田青蔵教授が学部設立の思いや教育内容、展望を紹介され、建築学部創設記念講演会は盛況のうちに終了しました。

建築学部「建築ものづくり工房」展示会も同時開催

12月6日に竣工式・落成式が行われた「建築ものづくり工房」(31号館)では、本学学生たちの模型展示も行われました。