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2017.05.23

工学部 岩倉いずみ准教授が「科学技術分野の文部科学大臣表彰」において若手科学者賞を受賞しました

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本学工学部 化学教室の岩倉いずみ准教授が科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました。この賞は萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた若手研究者を顕彰するものです。岩倉准教授の「コヒーレント分子振動励起反応の開発と遷移状態分光の研究」が高く評価されました。

閃光時間が数フェムト秒(1フェムト秒=10 −15秒)のパルスレーザー光を利用して、分子内光反応に伴う瞬時瞬時の分子構造変化(光反応遷移状態)は15年前から計測されていますが、より一般的な化学反応である熱反応および分子間反応は、近年までの遷移状態計測が不可能な反応領域として残されていました。岩倉准教授は、光を利用して瞬時に電子基底状態の反応(疑似熱反応)を誘起するコヒーレント分子振動励起反応を開発し、“熱反応”遷移状態計測を実現しました。また、金属イオンを利用して反応基質を会合させ、分子間衝突によるコヒーレンスの消失を回避する、“分子間反応”の遷移状態計測を可能にする手法を開発しました。本研究成果は、今後、生体反応機構の解析や、医薬品合成や触媒反応の機構解析などにも応用できると考えられ、産学を問わず、新たな反応開発に貢献をすると期待されています。

4月19日の表彰式では、99名の若手科学者賞受賞者を代表して、文部科学大臣から直接表彰状を授与されました。
今回の受賞に関して、岩倉准教授は、「博士号取得後、電気通信大学で4年、広島大学で2年、神奈川大学で5年間、フェムト秒レーザー分光の研究に従事してきました。ここ神奈川大学で、本当に多くの方々に支えて頂いたことが、今回の受賞につながりました。どうもありがとうございます。」とコメントされました。

 

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