お知らせ
2022.12.20
夢の『ワールドユニバーシティゲームズ』出場 吉田凪歩選手に独占インタビュー
【みなとみらいマスコミ研究会 取材班】笹崎真生、小熊茉柚奈
ショートトラックとは、アイススケート競技の1つで、スピードスケートリンクの1周の長さが400mであるのに対し、111.12mと短く、4~6名の選手が同時に滑る競技だ。トーナメント制で、ほかの選手に接触し、転倒する危険性の高いレースを何度も勝ち抜く必要がある。長距離になってくると戦略が勝敗を左右し、選手同士の駆け引きが見どころだ。
今回は『第31回ワールドユニバーシティゲームズ冬季大会2023』(アメリカ)への出場を控えている吉田凪歩選手にインタビューを行った。
吉田 凪歩(よしだ なぎほ)
神奈川大学人間科学部 4 年
川口市立高等学校出身
ワールドユニバーシティゲームズ代表選考競技会
500m 第3位 / 1500m 第2位
第95回日本学生氷上競技選手権大会ショートトラック競技
500m 第1位
第46回全日本選抜ショートトラックスピードスケート選手権大会
500m 第5位
ショートトラックの魅力
——「スケートを始めたきっかけを教えてください」
兄の影響でショートトラックを始めました。兄が毎回練習が終わるたびに父に怒られていて、ずっとやりたくなかったんですけど、コーチに「やろうよ」って言われて。父に怒られるからやりたくないって言ったんです。そうしたら、コーチが「パパがナギのことを怒ったら僕がパパのこと怒るからやろう」と言われ、「うん」と言ってしまったんです。結局、父にはたくさん怒られましたけどね(笑)
——「スピードスケートの魅力ってなんですか?」
ショートトラックってマイナーなスポーツなんですけど、目の前で見ると本当にスピード感がすごいんです。小さなリンクを高速でずっと滑るので、スピードスケートと違って、最後の方にスピードが一気に上がって抜きあいや接触転倒などの駆け引きに迫力があってハラハラするスポーツだなと思います。
あとは、ただスピードや体力がある人が勝つわけではなくて、実力が上の相手にも戦術次第で勝てるスポーツなので、最後までどうなるかわからないことろも面白いです。
アスリートとしての食生活やトレーニング
——「食事で気を付けていることはありますか?」
栄養に関する知識はあるんですけど、実践するのが難しいですね。完璧ではないんですけど一応気を遣ってるつもりです。1 週間に 1 回甘いものとかジャンクフードを食べていい日を設けて、ストレスにならない程度にやってます。
——「普段の練習について教えてください」
週6日練習しています。夏場は山梨県や長野県に行って合宿していますが、シーズンに入ってからは相模原のスケートリンクで練習していて、それ以外は陸トレだったり、サーキットトレーニング、ウェイトトレーニング、フォームのトレーニングになります。トレーニングの中ではバイクトレーニングが超嫌いで、20 秒漕いで10 秒休んでを 8 サイクルやります。それがめっちゃきついけど、体力がつきます!
目標は『ワールドユニバーシティゲームズ』でのメダル獲得
——「つらかったことはありますか?」
今年の5月と7月に靭帯をケガしてしまって、それから練習できない期間があったり、練習が始まっても思うように滑れなかったことです。痛みが出たり、練習の量をこなせなかったり、焦りもしたし、つらかったです。
——「それでも頑張れたのはなぜですか?」
目標があったおかげです。『ワールドユニバーシティゲームズ』に出場したいという思いが強かったんです。一度目のケガをしたときはまだ間に合うかなって思っていたんですが、二度目は監督も私も引退まで考えました。でも出場をあきらめられませんでした。去年日本代表に選ばれたんですが、コロナの影響で中止になってしまい、出場できず悔しい思いをしたので、今年こそはという気持ちが強かったです。
——「どんな時に幸せを感じますか?」
やっぱり勝てた時ですね。家族や部員など自分を応援してくれる人、一緒に勝利を喜んでくれる存在がいるとさらに喜びを感じます。恩返ししたいという気持ちもありますね。
——「『ワールドユニバーシティゲームズ冬季大会』に対する意気込みをお願いします」
目標はメダル獲得です。引退レースではありませんが、今シーズンで引退なので今までの集大成として、お世話になった方に恩返しできるよう頑張ります。
『ワールドユニバーシティゲームズ冬季大会2023』のショートトラック競技は1月20日から22日までアメリカ・ニューヨーク州レークプラシッドで開催される。現在4年生の彼女は卒業と共に競技を引退するという。念願の大会への出場、去年の悔しさをバネに努力してきた吉田選手のスケートに注目、応援したい。