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2022.02.22

個性と魅力ある横浜の都市デザイン。建築学を専攻する大学院1年生たちの挑戦

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1971年、全国に先駆けて横浜市役所内に「都市デザイン」担当が設置され、50年もの間進められてきた横浜の都市デザイン。銀座より古く明治3年に造られた日本初の西洋式街路日本大通りがある一方で、都市景観100選に選ばれ、美しいビルが立ち並ぶみなとみらい地区があり、地域ごとのグランドデザインを描きながら、横浜は古さと新しさが共存する唯一無二の魅力を形成しています。

これまで積み重ねてきた50年を振り返り、個性と魅力あるまち横浜の都市デザインの取組みを紹介する「都市デザイン横浜」展~個性と魅力あるまちをつくる~(https://toshide50.com/)が3月に開催されますが、そのプロジェクトに本学の学生が関わっていると聞いて取材に伺いました。

■日本最古の鉄筋コンクリート建築物「旧三井物産横浜支店」に挑戦

Q.どのようなプロジェクトですか?

私たち学生の担当は、日本大通りと隣接する、KN日本大通りビル(旧三井物産横浜ビル)、横浜情報文化センター、横浜地方・簡易裁判所の3建築と日本大通り空間の模型作成です。模型で表現することによって、横浜都市デザインの歩行空間と建築のファサードデザインの関係性が明確にできるということが模型作成の目的です。

Q.他大学と共同で行うプロジェクトと聞きましたが?

4大学(神奈川大学、武蔵野美術大学、東京都立大学、関東学院大学)合同のプロジェクトです。

Q.他大学と一緒にひとつのプロジェクトを行うことはあるのですか?

合同プロジェクトは初めての経験でした。大学が異なると、模型の製作方法や進め方も異なるため、それらの点をスムーズに行うことがこのプロジェクトでは重要でした(曽我部研究室 林淳平さん)

 

稀だと思います。今回は学生がメインで活動を行いました。他大学の学生との交流や他校へ打ち合わせに行く際には本学とは違った雰囲気があり、良い刺激になりました(内田研究室 髙田晃)

Q. 神奈川大学の役割は?

日本初の西洋式街路である日本大通りにある、日本最古の鉄筋コンクリート造の建築物「旧三井物産横浜支店ビル」の模型を製作しました。このビルは実は増築を重ねてできたビルで、左右対称ではないんです。最初造ったビルに後から建てたビルを繋ぎ合わせているのですが、現状に即した図面がありませんでした。いろいろな段階の古い図面を見ながら建物内を隈なく歩き回り、観察し、新しく図面を引くことから学生たちは始めていました。(工学部建築学科 曽我部昌史教授)

 

Q.製作期間を教えて下さい。

曽我部先生からプロジェクトの話を伺ったのが10月下旬で、その後、視察、図面作業と並行して、11月ごろからは模型製作の検討や準備を開始しました。5つの研究室20名で着手しており、プロジェクトの期間としては4ヶ月ほどとなります。

Q展覧会の見どころを教えて下さい。

私たちが携わったのは模型製作なので、私たち自身も展覧会を楽しみにしている身であります。今回は展示物の一部である日本大通りとその周辺の模型製作にでさえ、相当な熱量と時間をかけていることから今回の展示会は横浜都市デザイン50周年に相応しい展覧会になるのだろうと思っています。

■取材を終えて

普段であれば、学生本人が所属する研究室だけで完結するプロジェクトが多いそうだが、今回は大学院工学研究科建築学専攻 修士1年の5つの研究室、総勢20人が関わり、さらに他大学と共同で行った大規模なもの。さらに明治期の建築であり、図面のないところからスタートするという困難さも加わり、その大変さは想像に難くない。ただ参加した学生たちからは、「模型化することによって、図面からでは感じ取ることができないディテールのデザインや設計の意図を理解することができた」「他大学を含め、大人数での作業であること以前に一つの建築に対して向き合えた経験は貴重なものになった」「こういった体験は今後社会に出る上で役に立つと思う」「現代建築にはない魅力があり建築の歴史を振り返ることの重要性を感じた」などとても大きな収穫が得られたようだ。今後の彼らの活躍に期待したい。

なお、学生たちの4ヶ月が詰まった作品が展示される、「都市デザイン横浜」展~個性と魅力あるまちをつくる~(https://toshide50.com/)は、2022年3月5日(土)~29日(火)の期間、BankART KAIKO(横浜市中区北仲通5-57-2)で行われます。お時間のある方はぜひお出掛け下さい。