お知らせ

2021.07.30

理学研究科の中田 穣治教授、星野 靖 特別助教、関 裕平 非常勤講師の論文が、第43回応用物理学会論文賞「応用物理学会優秀論文賞」を受賞しました

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2021年7月5日、理学研究科の中田 穣治教授、星野 靖 特別助教、関 裕平 非常勤講師の論文が、第43回応用物理学会論文賞「応用物理学会優秀論文賞」を受賞しました。授賞式は、2022年3月22日(火)に行われます(写真は左側から星野靖特別助教、関裕平非常勤講師、中田穣治教授)。

応用物理学会論文賞は、応用物理学の研究において優れた業績をあげた者に対して授与し、その功績をたたえる賞です。「優秀論文賞」は論文誌「Japanese Journal of Applied Physics」および「Applied Physics Express」に原則として直近2年間に発表された論文より“応用物理学の進歩向上に寄与する優秀な原著論文”として選定されました。
ダイヤモンド半導体デバイスの実現を目指し、ますますの活躍が期待されます。

研究内容

論文名:「Electrical properties and conduction mechanisms of heavily B+-ion-implanted type IIa diamond: effects of temperatures during the ion implantation and postannealing upon electrical conduction」
(高濃度にBイオン注入したIIa型ダイヤモンドの電気的特性と伝導機構: イオン注入時温度とポストアニール時温度の電気伝導に及ぼす影響)

 

スーパーワイドギャップ半導体として知られているダイヤモンドは、省エネルギー高出力パワー半導体デバイス材料として期待されてきましたが、未だ実現には至っていません。特にデバイスの微細化・集積化に不可欠であるイオン注入法を用いた不純物ドーピングに成功した例は皆無でした。
本論文では、イオン注入法によるボロンドーピングでのp型伝導層形成に関して論じ、室温でのイオン注入と活性化アニールとしては比較的低温の1150〜1300℃での熱処理により、注入ボロン原子の約80%をダイヤモンドC原子と置換して電気的に活性化させることに世界で初めて成功しました。

受賞コメント

この度は応用物理学会優秀論文賞に選出いただき光栄に思っております。ダイヤモンドへのイオン注入を用いた不純物ドーピングと電気的活性化の研究は、中田穣治研究室において10年以上にわたり取り組んできました。今回の成果はダイヤモンドデバイス実現への大きなブレイクスルーになると思っております。この優秀論文賞の受賞を糧に、さらなる成果をあげていき、ダイヤモンド半導体デバイスの実現に大きく貢献していきたいと思います。

参照サイト