お知らせ
2020.09.26
【2020年度9月期卒業式】卒業生・修了生のみなさんへ
メッセージ動画
卒業メッセージ
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
この9月期卒業の皆さんは、9月期入学を選択された方、海外協定校への長期留学を選択された方、教職課程等の単位取得を選択された方など、さまざまな方がおられます。いずれの皆さんも、入学後、勉学に励まれ、研鑽を積まれて、学士、修士、博士の学位を取得されました。
それぞれの課程を無事終了され、学位を得られたことに敬意を表するとともに、神奈川大学の教職員を代表して、心からお祝いを申し上げます。
御父母の皆さま、関係者の皆さま。
今日まで長年にわたり、守り育て、支えてこられたご労苦に対して、深い敬意とともに、心よりの感謝を申し上げます。
さて、世界はコロナ禍によるパンデミックの状況下にあり、3月期に続いて9月期においても卒業式を行うことが叶いませんでした。
卒業式は、皆さんが本学で学ばれた成果である学位を取得された努力を讃え、お祝いし、新しい人生を歩みだされる慶びを共にする、とても大切な式典です。それだけに、グローバル化の負の側面がもたらした新種のウイルスの驚異に対する戦いの渦中にあるとはいえ、卒業の日を迎えることを楽しみにしておられた皆さんの無念さは、何事にもたとえようもないものであり、卒業の式典を挙行し得なかったことは、学長としても筆舌に尽くしがたい痛恨の極みでございます。
皆さんは、こうしたウイルスとの戦いを、大学における学びの最終とりまとめの大事な時季にもかかわらず、突然のオンライン対応を余儀なくされましたが、教職員と学生のみなさんとの連携と協力によるオンラインによる授業等で乗り切っていただきました。改めて、学生の皆さんとすべての関係者の皆さまのご協力に感謝いたします。
この唐突なコロナ禍に見舞われてのオンライン対応の期間は、図らずもですが、皆さんが特別そして貴重な経験を積まれたといえるでしょう。突然に大学への入校が禁止されるなど多くの制約条件のもとに学生生活の終盤を過ごされました。友人知人と対面の接触の機会がなくなり一人の時間を多く過ごされたことでしょう、時に孤独だったこと、さらには、様々な対応も自ら考え自ら判断してきたことでしょう。
皆さんが、このような特殊な環境に突然遭遇し、それぞれを乗り越えてきたことは、必ずや今後の様々な判断の際の深みに寄与するものと期待しております。
さて、元来、ウイルスは、人類の優位性を脅かす最大の敵であるともいわれています。長い人類の歴史において、幾度となくウイルスによって大きな犠牲を払いつつも、先人達は叡智を結集してこれらの難局を乗り越え、また共存することで、今の私たちがあります。
皆さんも、ウイルスへの各国の対応を目の当たりにされ、内外のさまざまな社会の問題点や不条理が浮き彫りにされるなかで、皆さんなりに疑問に思うことがたくさんあったことでしょう。特に、欧米の人種差別に起因する事件の発露などは、未だ解決されていない人間社会の根深い問題であり、未来を担う皆さんが中核となって解決していかなければならない課題でもあります。これらの問題を考える際には、世界の動向と歴史を振り返りながらも、本学の「ダイバシティー宣言」なども参考にして、皆さん自身が、そして一人ひとりが「尊厳ある人間」であることに思いを寄せるようにしてください。
さて、皆さんが学ばれた神奈川大学とは、いかなる学び舎であったのでしょうか。
近年、大学の評価は、第三者機関による世界の基準に則して示されるようになっています。たとえばイギリスの高等教育情報誌である、タイムズ・ハイヤー・エデュケーションが発表した「T.H.E.世界大学ランキング」に、本学が世界の上位5%内の大学として今年も掲載されています。
また、本学は、「SDGsに対するコミットメント」を表明していますが、このSDGsの取り組みでも、本学は、同じタイムズ・ハイヤー・エデュケーションから、高い評価を受けています。
本学に対するこれらの評価は、本学が高い研究力と確かな知識に基づく教育を提供する世界有数の大学であることを意味しております。大学評価の世界基準では、入試の偏差値などではなく、社会に貢献できる研究力と教育力にあるのです。皆さんも、このことを良く理解してください。
また、皆さんが取得された学位には、これを契機として、学び続け、生涯を通して精進されることへの期待も含まれております。未来を担う皆さんが、安定した社会生活を営むためには、現在のパンデミックはいうまでもなく、想定外の様々な課題をも乗り越えなくてはなりません。さらに、資源の枯渇や地球環境問題などを考慮すると、現行の資本主義のシステムによる恩恵をこのまま継続して享受することはできなくなるでしょう。
変動する資本主義社会に対応するためにも、学び続けることが大切です。皆さんには、あらためて本学の「ダイバシティー宣言」を参考にして、寛容な心で、一人一人が「尊厳ある人間」であることに思いをはせて、未来の共生社会が実現することを想像しながら、学び続けることを期待したいと思います。
また本学では、学則第1条に明記してあるように、「教養教育」に力を入れてまいりました。
不確実で予測不可能な資本主義社会に対する新しいビジョンは、哲学、宗教、歴史、文学、芸術等を学んだ教養ある、想像力豊かな人間から生まれるものと思います。
さらに、日本のように資源がない国に生きる私たちは、自由で柔軟な発想のもとに、本当に必要とされる「ものやサービス」を生み出していかねばなりません。そのためにも、人々を幸福にする社会のビジョンを皆さんが考えて、先進的な第5世代のテクノロジーなどと融合させることが大切です。
卒業後も教養を深める大切さを忘れないでください。
ところで、本学の卒業生組織である「宮陵会」は、全国に地区組織を持つほか、 ロサンゼルス、サンパウロ、上海、バンコクなどの海外主要都市でも組織化されております。神奈川大学卒業生の累計は、23万人にものぼり、建学の精神である「質実剛健」「積極進取」「中正堅実」は、これらの諸先輩に脈々と受け継がれています。皆さんは、本学を卒業の日から、宮陵会の一員として名を連ねることになりますので、内外の宮陵会ネットワークを活用してください。
結びに、「人をつくる」大学である神奈川大学で学んだことを誇りに、実社会においても学ぶ姿勢を忘れず、より良き社会の実現に貢献されることを期待しています。
そして、皆さん一人ひとりがかけがえのない「尊厳ある人間」であること、未来を担う「社会の財産」でもあることをも自覚され、皆さんの人生がより良いものになりますよう心より祈念して、私からの卒業される皆さんへのメッセージといたします。
令和2年9月
神奈川大学長
兼子 良夫
2020年度 9月期 卒業者数
学部 | 学科 | 卒業者数 |
法学部 | 法律学科 | 23名 |
自治行政学科 | 9名 | |
経済学部 | 経済学科 | 68名 |
現代ビジネス学科 | 26名 | |
経営学部 | 国際経営学科 | 14名 |
外国語学部 | 英語英文学科 | 8名 |
スペイン語学科 | 6名 | |
中国語学科 | 4名 | |
国際文化交流学科 | 6名 | |
人間科学部 | 人間科学科 | 4名 |
理学部 | 数理・物理学科 | 2名 |
情報科学科 | 6名 | |
化学科 | 6名 | |
生物科学科 | 9名 | |
工学部 | 機械工学科 | 3名 |
電気電子情報工学科 | 2名 | |
物質生命化学科 | 2名 | |
情報システム創成学科 | 1名 | |
経営工学科 | 1名 | |
建築学科 | 4名 |
2020年度9月期 大学院修了者数(博士前期課程)
研 究 科 | 専 攻 | 修了者数 |
外国語学研究科 | 中国言語文化専攻 | 1名 |
工学研究科 | 機械工学専攻 | 1名 |
経営工学専攻 | 1名 | |
歴史民俗資料学研究科 | 歴史民俗資料学専攻 | 2名 |
2020年度9月期 学位授与(博士後期課程・論文博士)
大学院(博士後期課程・論文博士) | 学位授与 | |
外国語学研究科 | 中国言語文化専攻 | 劉 燕嵐 |
理学研究科 | 理学専攻 | 井上 哲 |
工学研究科 | 応用化学専攻 | 伊部 公太 |
歴史民俗資料学研究科 | 歴史民俗資料学専攻 | 根敦 阿斯尓 |
白井 正子 | ||
論文博士 | 坂本 要 |
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