お知らせ

2021.12.08

【神大スタイル学生編集スタッフ取材記事】連続公開講座「能面のある風景」が開催されました

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12月3日金曜日、神奈川大学みなとみらいキャンパス4階「米田吉盛記念講堂」で行われた、梅若紀彰氏による連続公開講演「能面のある風景」に参加してきました。

まず始めに横浜能楽堂の学芸員の方が、能の歴史について解説してくださいました。今では儀式的な面を持つ能ですが、その形成に滑稽な物まね芸である寸劇が影響しているということは驚きでした。そこから中世、近世、近代、現代と様々な困難を乗り越え伝統芸能としての能が形成されたそうです。

次に、梅若氏が能について、映像を交えながら解説してくださいました。観客から見えない所でも能の動きが行われていることや、能の主人公にあたる「シテ」の衣装が折り紙のような作りになっていることなど、ただ能を見ただけでは分からないようなことを沢山知ることができました。途中で謡や仕舞を実際に披露してくださったのですが、それまでの梅若氏の雰囲気がガラリと変わり、能の世界へ引き込まれ、聞き入ってしまいました。

最後に、実物の能面をいくつか見せていただきました。そこでも、能面をつけた時の視界の狭さや人間の顔のように左右非対称になっているものがあるなど、様々な発見がありました。

私は、能に対してハードルが高い、難しい、分かりづらいという印象を持っていました。それは、講演の途中でも感じましたが、能の背景や設定を知るだけでも見方が大きく変わり、謡や仕舞など様々な注目ポイントがあると学びました。梅若さんは、「能ほどテレビを通さないで見ないほうがいい、ぜひ生で見て欲しい」と仰っていました。この言葉からも、実際に自分の目で見ることでしか感じることができない事があるのだと思います。現在では能の観客が減少しているそうなのですが、「まずは見に行く」という心持ちで皆さんにも能楽堂に足を運んでもらいたいと思うと同時に、私も実際に見てみたいと強く感じました。
(取材撮影:神大スタイル学生編集スタッフ 齊藤慧晋)