国際センターについて
国際センター所長からのご挨拶

現代の国際社会は紛争や難民、環境破壊、疫病、貧困など地球規模で対応しなければならない問題に溢れています。
こうした問題に溢れ、複雑に変化し続ける国際社会に貢献できる力を身に付けてもらうため、神奈川大学では「多様な価値観の共存する時代に、人の交流と文化の融合、知識と実践の循環、教育と研究の融合による21世紀における『真の実学』を実現し、地域社会そして地球規模の問題を解決する、世界を惹きつけ、世界に発信する学園を目指す。」というビジョンを定めました。
ではどうしたら地球規模の問題を解決し、国際社会に貢献する力を身につけることができるのでしょうか。
この問題に対する提案として、20世紀後半から21世紀初頭にかけて様々な国やシンクタンク、OECD、UNESCOなどの国際機関が、「21世紀型スキル(総称)」を提言してきました。これは問題に溢れ、より予測困難で不確実、複雑で曖昧な“VUCAな時代”(volatile, uncertain, complex, ambiguous)に対応し、より良い世界に導くために人々が必要とする知識、スキル、態度、価値観をまとめたものです。その中には「異なる背景の人々を理解し、心を開く」、「全ての人の尊厳や心情、意見、行動の選択の権利を尊重する」、「対立がある場合には回避したり先送りしたりするのではなく、相互に共有できる解決を目指して対話を続ける」「地球市民としての高い公共性と倫理観を持つ」(本学の共通教養教育の教育目標にも盛り込まれています)という項目が見られます。この様な世界に開かれた態度や人間の尊厳と多様性を尊重する価値観こそが国際的感性であり、何よりもまず身につけるべきなのではないでしょうか。知識はもちろん大切ですが、どれだけ高度な専門性や幅広い知識を獲得したとしても、それが自己利益追求のみの為に使われたのでは紛争や環境問題、貧困などの問題解決に貢献できるはずもありません。
国際社会がともすれば自己中心的な考え方に傾きがちな現代において、人類と社会の発展のため、人々の幸せな生活のために、自分だけでなく公益、Common Good、のために勇気を持って一歩踏み出す態度や価値観を本学の学生に、また本学に留学してくる学生にも身に付けていただき国際社会へ羽ばたいて欲しいと思います。そしてそのために国際センターは様々な困難を乗り越えて、日々工夫や努力を続けて参ります。
国際センター所長
白石 万紀子