社会教育課程

社会教育課程[全学部対象]

社会教育課程は、生涯学習・社会教育の専門職としての「ひととまちをつなぐ人材育成のエキスパート」を育成します。
本課程では、学校外の「ひとづくり」と「まちづくり」の中核となる人材育成を目指し、創造的な学びと世代を越えた多様な活動を展開しています。
人を育てる専門職として、「社会教育士(称号)」と「社会教育主事(任用資格)」を得ることができます。

1. どんな仕事に結びつくか?(卒業後の進路)

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2020年度~2024年度卒業生の進路

  • 公務員
    東京都・東京都特別区・神奈川県
    埼玉県(公立小中学校事務の専門職)
    神奈川県横浜市・綾瀬市・大和市・寒川町
    栃木県宇都宮市
    静岡県長泉町・裾野市・菊川市
    岩手県遠野市・新潟県佐渡市・長野県茅野市
  • 民間
    日本年金機構・横浜市社会福祉協議会
    キャリア支援・人材コーディネーター・大学職員
    ホテル業・鉄道会社 等

2. 「社会教育主事」・「社会教育士」とは

  • 「社会教育士」とは
    市民の学びと活動を応援する専門職。例えば、学校と地域の連携やコーディネート、子どもから高齢者、外国人、障がい者など多様な人や組織の活動の支援を行います。主な活動拠点として、公民館、図書館、博物館、青少年・女性教育施設、生涯学習センター、コミュニティセンター、スポーツ・文化施設等があります。
  • 「社会教育主事」とは
    都道府県や市町村の教育委員会におかれる、生涯学習・社会教育の「専門的教育職員」です。主に、市民の学習ニーズの把握、社会教育計画の立案と事業の運営、社会教育関係者に対する指導・助言、学校の求めに応じた助言を行います。
  • 社会教育士:「社会教育主事講習等規定の一部を改正する省令」が2020年度より施行されています。これに伴い、講習等における学習成果が広く社会における教育活動に生かされるよう、社会教育課程の修了者は「社会教育士(養成課程)」と称することができるようになりました。

3. 「社会教育主事」・「社会教育士」になるためには

  • 【必修科目】生涯学習論、社会教育論、生涯学習支援論Ⅰ・Ⅱ、社会教育経営論Ⅰ・Ⅱ、社会教育実習Ⅰ・Ⅱ、社会教育演習
  • 【選択必修科目】地域デザイン演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ
  • 【選択科目】ボランティア論、教育原論、教育と社会、博物館概論、博物館教育論
  • 「社会教育士(称号)」
    文部科学省令に定める「社会教育に関する科目」(13科目26単位)を全て修得したものは、「社会教育士」を称することができます。
    履歴書や名刺に「社会教育士(養成課程)」と明記できます。
  • 「社会教育主事(任用資格)」
    上記の単位修得し、卒業後に1年以上「社会教育に関係のある事業における業務」に従事すること(ボランティアとして携わることも含む)で、社会教育主事補の経験を積みます。ただし、任命がなければ「社会教育主事」にはなれません。

4. 社会教育課程で育む力

「社会教育課程」では、授業内外で「創造的な学び」と「世代を越えた多様な貢献活動」を通じて実践力を培います。主に次の力を養います。

  • 生涯学習・社会教育に関する基本的な知識と判断力
  • 生活・地域課題の現状を把握し分析する力
  • 多様な課題に向き合い、挑戦する行動力と支援力
  • 新たな学びや活動を創出する(企画・運営・提案する)社会参画力
  • 学校、行政、NPO・ボランティア団体、企業など多様なステークホルダーと協力関係を構築する力

5. 社会教育課程を履修する意義

社会教育課程を履修することは、次の意義があります。

  1. 公務員に必須の<地域・社会の課題解決力>を身につけます
    少子高齢化、情報化、国際化など社会の変化に伴い、地域では、健康・医療・福祉、防災・減災、若者の就業、青少年の健全育成など多くの課題を抱えています。これらの課題を解決するためには、基本的知識を獲得するだけでなく、「現状を分析する力」「企画立案する力」「学習・スポーツ・文化等の活動を支援する力」「環境整備とネットワーク構築力」が必要となります。これらの力は、公務員にとって必須の力量となります。
  2. 世代を越えた<貢献する力>を育てます
    社会教育課程の科目(特に「社会教育実習」「社会教育演習」)では、世代を越えた地域の人々―子ども・おとな・高齢者―と関わる実地体験ができます。積極的に地域のフィールドワークに参加・参画することで<コミュニケーション力>を高め、さまざまな活動の場面で<企画力・運営力>や<社会貢献する力>を育みます。
  3. 教育にかかわる仕事(教員及び青少年等施設)を目指します
    将来、教員のみならず、学校外の青少年にかかわる仕事を目指している人に向いています。教員であれば、地域と学校、家庭と学校の連携など、地域の目から学校・子どもを見つめる目を育てます。こうした力量は、教育者及び指導者を志す人の強みになります。
  4. 自らの<仕事力>を創り出します
    市民(子ども~高齢者)の支援、施設の運営、まちづくりなど、様々なボランティア活動を通じて、まち全体を見通す<仕事力>を創り出すことができます。この学びは、学習者の未来を描くことに寄与することでしょう。

6. 社会教育課程の活動 ―リアルな体験活動にチャレンジ―

本課程では、「現場で学び、実践力を養う」ことを目的に、『地域デザイン演習Ⅰ~Ⅳ』および『社会教育実習Ⅰ~Ⅱ』などで学内外の様々な地域フィールドの活動に参加していきます。

『地域デザイン演習Ⅰ』

生涯学習や社会教育について学ぶ学生を対象に、学校教育と学校外教育(社会教育・家庭教育)における実践現場(社会教育施設等)とそうした仕事の実態を知った上で、社会教育施設を活用した実践力を養うため、現場視察及び初歩的な体験活動を体感します。

『地域デザイン演習Ⅱ』

子ども・若者が学校外で多様に育ち、学ぶ場を体感します。川崎市子ども夢パークにて、「フリースペースえん」(学校の中に自分の居場所を見出せない子どもや若者たちのスペース)の視察をします。

【横浜キャンパス】
「夢パまつり」(7月)に事前準備から当日運営まで参加します。
【みなとみらいキャンパス】
「こどもゆめ横丁」(11月)に事前準備から当日運営まで参加します。

『地域デザイン演習Ⅲ』

【横浜キャンパス】
大学周辺地域の課題を考え、実際に地域に出て地域を知る探求型授業です。

『地域デザイン演習Ⅳ』

【横浜キャンパス】
「かながわユースフォーラム」の企画運営をします。本事業は、かながわを中心としたユース(大学生・高校生)による参加型交流イベントです。

かながわユースフォーラムの活動報告書(各報告書をクリックすると活動内容を閲覧できます。)

『社会教育実習』

全国各地の生涯学習施設及び青少年教育施設にて、5日~10日間の実習を行い、社会教育士として必要とされる専門的、実践的な知識・技能を修得します。

写真の名前

『社会教育経営論Ⅰ』

【みなとみらいキャンパス】
行政・民間(地域団体等)と協働して、「テーマ」に基づく地域・社会課題を実践的に学び、市民向けに開発されたプログラムを体験します。

『社会教育経営論Ⅱ』

【横浜キャンパス】
まちづくりに関する地域経営戦略を学ぶ。市の職員をゲストスピーカーに招待し、横浜市の政策の全体像を学びつつ、地域課題を行政と市民が協働で解決する方策を実践的に学ぶ。

『社会教育演習』~先輩からキャリアを学ぶ~

社会教育で身に付けた力を振り返り、学生にとって近い存在の先輩から話を聞き、キャリアについて考える講演会を企画・運営します。

7. 教員・講師

〈専任教員〉

齊藤ゆか 先生(人間科学部教授)

担当授業:「生涯学習論」「ボランティア論」「社会教育実習Ⅰ・Ⅱ」「社会教育演習」他

寺嶋正尚 先生(経済学部教授)

担当授業:「社会教育経営論」他

〈実務家教員(非常勤講師)〉

社会教育現場を大切にする、ユニークな先生が授業を担当します。

西野博之 先生(子どもの専門家)

認定NPO法人フリースペースたまりば 理事長
担当授業:「生涯学習支援論Ⅰ」「地域デザイン演習Ⅱ」

磯田浩司 先生(ワークキャンプの専門家)

授業担当:「ボランティア論」他
NPO法人グッド代表

甲野綾子 先生(国際協力の専門家)

授業担当:「生涯学習支援論Ⅱ」他
NGOソシア代表(ミャンマー子ども支援)

澤岡詩野 先生(高齢者の専門家)

授業担当:「生涯学習支援論Ⅱ」他

8. 社会教育課程 ニューズレター

社会教育課程の活動報告(各ニューズレターをクリックすると内容を閲覧できます。)