お知らせ

2021.06.17

国際日本学部&みなとみらいキャンパス開設記念フォーラム「『私たち』のその先へ~驚き、喜び、戸惑いながらつくる共生社会~」が、オンラインライブ配信にて開催されました

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2021年6月5日、国際日本学部とみなとみらいキャンパスの開設を記念したフォーラム、「『私たち』のその先へ~驚き、喜び、戸惑いながらつくる共生社会~」が、オンラインライブ配信にて行われました。

フォーラムに先立ち、兼子良夫学長からフォーラム開催の意義などを含め開式の挨拶があり、次いで、2020年4月に開設された国際日本学部について、国際日本学部熊谷謙介学部長より説明がされました。KEYNOTEでは俳優のサヘル・ローズ氏から「日本のあたりまえを疑う」と題し講演が行われ、続いてプレゼンターの国際日本学部の平山昇准教授、中村隆文教授から、専門家としての立場から提言がなされました。クロストークでは髙井典子教授がファシリテーターとなり「日常のなかにある多様性」をテーマに、登壇者からそれぞれの経験に基づいた活発な議論がなされました。

コメント機能を利用した質問も多数寄せられ、現代社会のテーマともいえる「多様性」について多くの方々と考える機会となりました。

KEYNOTE

サヘル・ローズ 氏「日本のあたりまえを疑う」

イラン出身の俳優で最近では、様々な国へ行き、子供たちへの支援や、青空教室などをおこなっている。4歳から孤児院で育ち、8歳より養母とともに来日。日本での生活を振り返り、多くの方々に手を差し伸べてもらった経験をもとに「人に対して興味を持ってほしい、それが生きる教科書である」と講演した。
それぞれの違いを認め、自分の色をもって自分らしく生きていってほしいと学生にもエールを送った。

プレゼンター

国際日本学部 平山 昇 准教授「つながりと分断の観光史」

専門は日本近代史、観光史。戦前、戦中の観光業から歴史を振り返った。
贅沢を制する一方で国のためを名目とした伊勢参りは日中戦争時に急激に伸びたが、その裏側では、参拝した民衆が多数派となり現地での体験を特権化し、少数派を排除してきた歴史があったことなどについて言及した。
また「非日常」と「日常」は地続きでもあり、このコロナ禍でもそれが浮き彫りとなっている現状にも警鐘を鳴らした。

国際日本学部 中村 隆文 教授 「思想史からみる異文化共生」

専門は、英米哲学思想、リベラリズム、法哲学。
共生について、正しき共生と楽しき共生といった観点から、異文化を楽しめるからこそ観光業が成り立つことや、アヒルにもウサギにも見える「アヒルウサギ」を事例として、どちらかはっきりすることを迫ることは、人間が持っている多面性を無視していることであると解説。
異なることに忌避感や嫌悪感を抱くことなく、カラフルな世界を楽しんでいくことを提言した。

 

 

クロストーク「日常のなかにある多様性」

それぞれの日常や経験をもとに、クロストークが行われた。
日本は、みんなが横並びを求められ自由がなく苦しいと思う一方で、集団行動については長けている側面もあること、他者を理解していく大切さを認識する一方で理解されない自分があってもいい、人に理解してもらえるために生きているわけではないといった発言もなされた。
さらに、人生のなかで受験や就職活動など選抜でふるい落とされることもあるが、それは人格までも全否定されているわけではない、だから私たち教員はそれだけではないたくさんの評価軸を学生に示していきたいといった教員としてのメッセージも発信された。