お知らせ

2021.03.11

【東日本大震災から10年】「地域で備える かながわ防災・減災フォーラム~住み続けられるまちづくりを目指して~」をオンラインライブ配信にて開催しました

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東日本大震災から10年となる節目を迎え、改めて防災・減災について考える「地域で備える かながわ防災・減災フォーラム~住み続けられるまちづくりを目指して~」が3月6日(土)、オンラインライブ配信にて行われました。
フォーラムに先立ち、本学監修の動画「希望のたすきをつなぐ 未来へ」を上映。6年間継続してきた本学の学生、教職員らによる被災地支援「KU東北ボランティア駅伝」の活動も交え東日本大震災を振り返りました
基調講演では、本学より2名の教員がそれぞれの立場から現状と課題について提言をし、パネルディスカッションでは、防災・減災のための取り組みがパネラーの経験談を交えて紹介されました。
コメント機能を利用した質問も多数寄せられ、関心の高さをうかがわせたフォーラムとなりました。

第1部 神奈川大学と東日本大震災との関わり 

基調講演1 「三陸被災地の現状と問題点~想定外、10年目の現実~」(佐藤 孝治 名誉教授)

巨額の復興財源が投じられ整備された被災地。海の様子がうかがえないほど高く造られた防潮堤、土地をかさ上げし整備されたが誰も住まないままの更地など、ドローンによる三陸沿岸の定点調査などから見えてきた課題を指摘しました。

 

第2部 これからの防災・減災を地域の視点から考える

基調講演2 「地域で備える ‐住み続けられるまちづくりを目指して‐」(荏本 孝久 工学部建築学科教授)

阪神・淡路大震災と東日本大震災の特徴や災害の違いなどに言及し、東日本大震災以降は防災・減災対応が大きく変容したこと、また住み続けるまちづくりをするためにはハードだけではなく、これからはソフトが大切になってくることなどを提言しました。

パネルディスカッション 「地域防災の持続性のつくり方について」

【パネリスト】

鶴見区市場西中町まちづくり協議会 事務局長
熊谷 起一 氏


「いえづくり」「みちづくり」「まちづくり」の3つのビジョンを掲げ17年にわたって活動を継続。まちづくり活動の中に防災を位置づけ、まちぐるみで行ってきた事例を踏まえ、これからはソフトが大事であると提言しました。

【パネリスト】

防災士/防災塾だるま副塾長 元横浜市立小学校校長
鷲山 龍太郎 氏


学校という多くの人がかかわる仕組みを活用し、小学校区全体での防災活動を展開。公助の立場から、共助・自助へとつなげていくこと、また授業の中で防災教育を取り入れるだけでなく、授業参観と地域防災拠点訓練を組み合わせ、子どもと保護者がともに参加し、みんなで育つ取り組みを紹介しました。

 

【パネリスト】

防災プロデューサー/NPO法人プラス・アーツ
理事長 永田 宏和 氏


防災・減災をゲームやイベントに組み込んだ親子参加型のイベントを全国で展開。ノウハウ等は提供しつつも、主体はあくまで地域や参加者であり、最終目的は次世代の担い手を育てること。参加者自身が「楽しむ」ことが成功の秘訣とのことで、笑顔溢れるさまざまな取り組みが紹介されました。

【パネリスト】

工学部建築学科教授/防災塾・だるま塾長  
荏本 孝久


専門は地震工学。阪神・淡路大震災を目の当たりにし、これからはソフトの重要性を実感。大学・研究者間の研究連携をどのように地域の防災活動に生かせるかを模索し、15年もの間「防災塾・だるま」を主宰し、毎月定例会で地域の方々と情報を交換しています。

 

【コーディネーター】

工学部建築学科教授 曽我部 昌史

専門は建築デザイン。デザイン事務所を主宰する傍ら、自身も熊本県の木材を東日本大震災での仮設住宅や復興に活用できるよう、橋渡しの役割を担う活動に協力。研究室の学生らとともに、被災地の建物設計などをサポートしてきました。