Morinaga Makoto

森長 誠 特別助教

2023年度所属
建築学部
建築学科(建築学系)
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専門分野

環境心理・生理、環境音、音響心理、低周波音

キーワード

Profile

出身地/岡山県岡山市
生年/1977年
尊敬する人/正しいと思うことを実行できる人
愛読書/『窓ぎわのトットちゃん』
趣味/暇があればRBCiラジオを聴いています
休日の過ごし方/ウサギと遊ぶ
好きな音楽/沖縄の民謡、古典
好きな映画/『フルメタル・ジャケット』
好きな食べ物/コロッケ
好きな国/ベトナム

見落とされがちな「音環境」の重要性を社会に広めていく仲間を育てたい。

「音の感じ方」を分析し、快適な環境を創造する

おしゃれなカフェやワインバルなどで、コンクリート打ちっぱなしの内装を見かけることがありますよね。デザインとしてはかっこいいのですが、室内はどうしても騒がしくなってしまいます。それは、硬いコンクリートは室内で話す人の声を吸収せず多重反射させてしまうためなのです。
このように、空間の過ごしやすさを左右する要因のひとつに「音」があります。私の研究目的はこの「音環境」を改善し、より快適な空間をつくることです。音の感じ方は環境や活動の目的などによっても変化するもの。そこで、建物の内外に関わらず、音を人がどのように感じるのかという心理的側面を分析する「音響心理学」を用いた研究を行っています。
高校生の頃は、地球温暖化や生物多様性など、グローバルな環境問題に興味がありました。そこで、将来は環境問題を解決したいという思いで、環境工学を専攻できる大学に進学しました。入学後、水質汚濁、大気汚染、環境システム、都市計画など、さまざまなテーマの学びに触れましたが、環境問題の解決には一人ひとりの行動が大切だと考えていた私は、「環境心理学」の研究室を選択。そこで出合ったのが騒音問題でした。環境問題と心理学が密接に関連するこの分野に興味を持ち、卒業論文は騒音による睡眠への影響をテーマに執筆しました。その後、大学院に進学し、音が持つポジティブな作用にも注目し、水辺空間や都市公園の音環境の研究に取り組みました。大学院修了後は、航空機騒音が人に及ぼす影響について調査・研究を行うコンサルタントとして、15年ほど実務に携わりました。今後は、「音環境」が持つ可能性を最大限に活かした幅広い研究を展開したいと考え、現在に至ります。

見落とされてきた音の問題を発見してほしい

担当する授業の「建築環境工学実験」では、室内の壁の素材が違うことや、他の音源が存在することで、音の聞こえ方が変化することを体験したり、演習室内で発生しているコンピュータの音や屋外での環境音を測定したりします。また、建物内で快適に音を聞くためには、屋外や隣室からの騒音を防ぐため、壁や窓(サッシ)の材質・構造などを工夫することも必要です。このような遮音、吸音といった音の基礎的な理論に基づく「音響環境計画」を学んでもらっています。
冒頭で話したコンクリート打ちっぱなしのお店にも見られるように、実は音の問題というのは見落とされがちです。震災などの有事にその重要性に気づかされることもあります。実際、避難所での段ボール生活では、音が周囲に漏れてしまうことでプライバシーがまったく守られない状況が生まれてしまいました。また、コロナ禍においても、在宅時間が増えたことでそれまで気づかなかった自宅の騒音問題が浮き彫りになっています。
学生の皆さんには、私の授業を通じて、見落とされてきた音の問題を発見し解決できる、実効性のある技術力を身につけてほしいですね。
コロナ後のニューノーマルの時代において、建築環境工学の学びはますます面白くなるでしょう。ここで学んだ学生の皆さんが、音の重要性を社会に広めていってくれることを期待しています。

グローバル化する日本では、高い専門性が強みになる

近年、日本で研究をしたり就職したりする外国の方が増えていますよね。皆さんとても優秀で、熱心かつアグレッシブに勉強や研究をしているイメージがあります。少子高齢化によって労働力となる生産年齢人口が減少している日本は、ますます外国の方とともに切磋琢磨する環境になっていくはずです。優秀な外国の方々と日本の学生が競い合っていくためには、大学で学ぶ基礎教養の修得はもちろん、英語や中国語といった語学力も必須となるでしょう。さらに、ライバルとの差別化を図れるよう、専門性の高い分野で独自のスキルを磨くことも重要です。環境騒音は世界共通の問題です。欧州ではSDGsの達成目標のひとつに、騒音問題が加えられているほどです。語学力や基礎教養を身につけて、世界を舞台に快適な音環境を追求できるような仲間を育てたいと思っています。

[環境コース]音・光環境研究室

音環境の視点から建築のもたらすQOLを高める

建築に携わる上では、建築環境が人々に提供する生活の質(QOL = Quality Of Life)について常に考えておく必要があります。この考えに基づき、私たちの研究室では建築環境工学の中でも音環境と光環境についての研究を行っています。 とりわけ注力しているのが音の分野です。集合住宅の騒音問題からコンサートホールの音響まで、対象は多岐にわたっており、よりよい音環境の創出や騒音制御のための数値シミュレーション手法の開発から、それを利用した音場の予測、部材の音響特性の把握、騒音伝播の予測・対策などに関わるものまで、幅広く研究を進めています。建築において音を研究するということは、物理的、心理的、さらには文化的な視点からも非常に面白いと思っています。

Photos

  • innovatorの旅行鞄。国際会議でリスボンに出張するタイミングで購入して以来、10年以上使っています。「もちろん」車輪は静音タイプです。早朝・深夜でも安心して使用でき、壊れても修理して使っています。年に1度は海外で研究発表するぞという意志のもと、毎年、外国に連れて行っているので愛着“大”です

  • 博士後期課程に在学中、琉球大学で開催された日本音響学会に参加したときに、その音色に惹かれて衝動買いした三線。大人になってからサークルや教室に所属したこともあり、15年以上のお付き合いです

  • 壁や天井に設置される吸音材(音を吸収する材料)の音響特性を調べる音響管

  • トンネル工事の発破掘削により発生する超低周波音の消音装置(撮影:西山芳一)

SDGsの取組み

地域課題

SDGs・地域課題について

騒音による睡眠影響の評価研究、低周波音による圧迫感・振動感の評価研究、ベトナムにおける航空機騒音の予測・影響評価、機械学習による火山ガス濃度基準超過予測などを行っています。

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